不正検定問題検討22――三成に呼びかけられた輝元は実際に戦ったように誤解しないのか

 今回は、『教科書抹殺』が取り上げた100件の中から、欠陥箇所194番を取り上げる。『新しい歴史教科書』は、単元33【戦国大名】で「⓶300年以上命脈を保った毛利氏」という囲み記事で、次のように記していた。

輝元の時代には豊臣秀吉政権の重臣となり、関ヶ原の戦いでは西軍の大将格として徳川家康に敗北しました。 108頁

まったく間違いのない記述である。しかし、これに対して、「生徒が誤解するおそれのある表現である。(輝元が関ヶ原で実際に戦闘に参加したかのように 誤解する。)」との指摘があり、欠陥箇所とされた。

前に紹介した月刊HANADA2020年12月号の藤岡信勝「〈他社は合格、自由社なら不合格〉の「ダブスタ」検定」は、この194番も山川出版との間でダブルスタンダードがあると指摘している。そこで、私も、他社を調べてみたが、毛利輝元の出てくる教科書は山川出版だけであった。山川出版は、【江戸幕府の全国支配】という単元で次のように記している。

石田三成は、毛利輝元らの大名に呼びかけ、1600(慶長5)年に家康と戦ったが敗れた(関ヶ原の戦い)。 120頁

この山川の記述は間違っていないし、別に意見を付けるべきものではない。しかし、自由社に対する調査官の指摘を読むと、誰でも次のような意見を思い浮かべるのではないだろうか。

「生徒が誤解するおそれのある表現である。(輝元が関ヶ原で実際に戦闘に参加したかのように誤解する。)」

 このケースも、藤岡氏が指摘するように、ダブルスタンダードの例として捉えることができよう。

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