私が『新しい公民教科書』を作った理由――自由社公民教科書の思想とは

 5月に『市販本 検定合格 新しい公民教科書』を出版した後、6月下旬の不正検定糾弾の集会で「『新しい公民教科書とは何か――検定過程とその思想』という題で20分程度話をさせていただいた後、7月から8月にかけて、何回か話す機会があった。7月18日には「つくる会」総会で10分程度、19日には京都支部で、26日には東京で、8月16日には大阪で、…
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不正検定問題検討11――ヤマト王権という用語が使われる理由

 11回目は、『教科書抹殺』の88番、すなわち欠陥箇所71番の件である。『新しい歴史教科書』は、【古墳の広まりと大和朝廷】という単元の〈歴史の言葉④大和朝廷〉という小コラムで、次のように記していた。 「ヤマト王権」とする用語も使われています。カタカナ書きは、地名との混同を避けるためです。 36頁 これに対して、〈「…
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不正検定問題検討10――沖縄戦

 10回目は、『教科書抹殺』の100番、すなわち欠陥箇所349番の件である。『新しい歴史教科書』は、沖縄戦を記した244頁の側注➀で次のように記した。 日本軍の死者約9万4000人を出す激戦の末 この数字は正確なものであるが、なぜか、〈「日本軍の死者」が不正確である〉との意見が付いた。 他社の記述 …
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不正検定問題検討9――坂口安吾の『真珠』をめぐって

 9回目は、『教科書抹殺』の98番、すなわち欠陥箇所336番の例である。『新しい歴史教科書』は、日米戦争の単元で〈⑥開戦を聞いた文化人の声〉という囲み記事で、永井荷風、高村光太郎、古川ロッパ、坂口安吾の四名の声を取り上げた。坂口については、『真珠』という私小説から文章を引いた。  坂口安吾『真珠』を史料として用いることは許さない …
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不正検定問題検討8――院政をめぐる自由社と育鵬社とのダブルスタンダード

 8回目は、『教科書抹殺』の90番、すなわち欠陥箇所136番の件である。院政の件である。『新しい歴史教科書』は院政に関して次のように記した。 院政が始まると、白河上皇は、税の免除などの特権を荘園に与えたので、多くの荘園が上皇のもとに集まりました。 71頁 この記述は、〈「税を免除する主体」について「生徒が誤解す…
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不正検定問題検討7――聖徳太子の検定をめぐり特権的地位に立つ学び舎と育鵬社

 7回目は、3年前の指導要領改訂で抹殺されそうになった聖徳太子の呼称問題である。『教科書抹殺』の52番、欠陥箇所94番の件である。『新しい歴史教科書』は、聖徳太子について次のように記していた。 聖徳太子は皇族の一人として生まれ、古事記や日本書記では厩戸皇子などとも表記されています。 44頁18-19行 この…
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不正検定問題検討6――日英同盟解消問題を調査官の要求通りに書いた教科書はゼロだった

 6回目は、完全にダブルスタンダードの事例である。今回は、『教科書抹殺』の中の事例44、欠陥箇所360番の件である。  『新しい歴史教科書』は、第5章「二つの世界大戦と日本」の最後の方の253頁に、〈時代の特徴を考えるページ 近代後半(大正・昭和前半)とはどんな時代だったのか〉という、アクティブ・ラーニングのコラムを設定している。…
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不正検定問題の検討5――人類誕生と古代日本との関係

 5回目は、どのようにタイトル付けしたらよいか分からない件についてである。『教科書抹殺』の中の事例23、即ち欠陥箇所130番の件である。ともあれ、始めよう。 何を要求しているのか分からない指摘――ダブルスタンダード以前  『新しい歴史教科書』は、68頁で、第1章「古代までの日本」の最後に《対話とまとめ図のページ》を置き、兄弟…
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不正検定問題の検討4――深川江戸資料館の〈長屋の一角〉〈四畳半〉にみられる学び舎優遇

 育鵬社を優遇する検定  ここまで3件、ダブルスタンダードの事例を紹介してきた。一回目の坂本龍馬の件では日本文教出版、教育出版、帝国書院、育鵬社の4社が、自由社と同様の記述をしていたにもかかわらず、優遇措置を受け検定合格した。二回目の「臥薪嘗胆」の件では、育鵬社が自由社より優遇されていた。三回目の〈ペリー神奈川上陸図〉の件では、育…
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不正検定問題の検討3――「ペリー神奈川上陸図」

 3回目は、『教科書抹殺』の事例18、欠陥箇所番号249番の件である。『新しい歴史教科書』は、159頁上欄に、ペリーが1854(嘉永7)年1月に神奈川(横浜)に上陸したときの様子を描いた絵画の写真を掲載した。この絵画は多くの教科書が掲載しているものであるが、自由社は「ペリー神奈川上陸図」という名称を付けて掲載した。だが、これに対して、「…
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不正検定問題の検討2――臥薪嘗胆の説明文をめぐって

 2回目は、三国干渉を受けて、日本が合言葉とした「臥薪嘗胆」に関する記述をめぐってである。「臥薪嘗胆」という用語を使っているのは自由社と育鵬社の二社だけである。二社とも本文で「臥薪嘗胆」という言葉を用い、側注でその説明を行っている。そして、自由社の記述は欠陥箇所とされ、育鵬社の記述には何の意見も付かず検定合格した。二社の説明文を引用しよ…
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不正検定問題の検討1――坂本龍馬をめぐるダブルスタンダード

 10日ほど前から、歴史教科書不正検定問題を私なりに検討し始めた。とはいっても、検討の観点はただ一つ。『新しい歴史教科書』に対する検定と東書などの他社教科書に対する検定で二重基準(ダブルスタンダード)があるかどうかという一点である。  この観点から、まずは「つくる会」が『教科書抹殺』(飛鳥新社、2020年)で取り上げた100件につ…
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真実の「日本国憲法」成立過程史の教育を――現在の公民教育の第一目的は「日本国憲法」を憲法に偽造することである

他社記述の歴史偽造……議会審議に対する統制を書かない  前述のように7月には他社の公民教科書を検討した。当然、他社の「日本国憲法」成立過程史も検討した。特に、帝国議会の審議過程についてどのように記しているかということに注目して検討した。まずは、他社の記述を引用しよう。 ・東京書籍  改正案は帝国議会で審議され、一…
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全社が政治権力の必要性を認めるようになった

全社が政治権力の必要性を認めるようになった  ここまで最近の公民教科書について悪い点ばかり指摘してきた。ただし、前回及び今回、改善された点がなかったわけではない。特に、領土問題又は領土をめぐる問題に関する記述は格段に良くなった。もっとも、これは、政府肝いりで改善された点である。 これに対して、特に政府が力を入れたわけ…
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グローバリズムによるナショナリズム狩り―――『新しい公民教科書』に対する検閲の本質的な意義

 3月以来、『新しい公民教科書』に対する検定が過酷であり、検閲とも言えるものだったことを記してきた。特に、中国関係の記述に対する検定が厳しかったから、中国に忖度した検定だということを強調してきた。  また、何回も前の記事で、7月に入ってから、令和元年度検定を通過した自由社以外の他社公民教科書の検討を行ったことを記した。検討を行う中…
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自衛戦力と交戦権を肯定せよ(三度目)

南シナ海または東シナ海有事に備えるために  前回の記事を認めて改めて考えたことがある。米中新冷戦が「米中戦争」になった場合、あるいは中国が尖閣を占領しそうになった場合乃至は占領した場合に備えた法的整備を一刻も早くしておかなければならないのではないかということだ。何よりもしなければならないことは、自衛戦力と交戦権を肯定しておくことだ…
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『新しい公民教科書』の描く米中新冷戦――「米中戦争」の状況を前にして

『新しい公民教科書』は「米中新冷戦」を描いた  5月以来、基本的に体を休めながら、『新しい公民教科書』のことを考え続けてきた。また、6月7月とのんびりと他社教科書を検討した。そして6月末以来、何度か『新しい公民教科書』について話をさせていただく機会があった。特に7月26日には、戦後レジームとの関連で『新しい公民教科書』についてまと…
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