「文科省教科書検定の不正行為を糾弾し不合格処分の撤回を求める声明」を発表 --つくる会FAX通信より
「つくる会」が支援する自由社の『新しい歴史教科書』が、昨年12月25日に検定不合格処分を通告されていた。「つくる会」は2月21日、その通告を公表し、文部科学大臣あてに申し入れを行った。そのことを知らせる「つくる会」FAX通信を転載する。
(一社)新 し い 歴 史 教 科 書 を つ く る 会
つくる会FAX通信
第424号 令和2年(2020年)2月21日(金)
「文科省教科書検定の不正行為を糾弾し
不合格処分の撤回を求める声明」を発表
『新しい歴史教科書』(自由社)の検定結果を受けて
文部科学大臣宛申し入れと記者会見を開催
昨年12月25日、昨春より文科省の教科書検定中であった令和3年度使用開始の中学校用教科書『新しい歴史教科書』(自由社)が、「不合格」の通告を受けました。
この度の不合格通知は、万を持してこの度の検定に臨んでいた当会としては全く信じられないことであり、関連資料を見れば一目瞭然な、あまりに理不尽・不当と言わざるを得ません。もはや文科行政の大スキャンダルと言っても過言ではありません。自由社の教科書を推進してきた当会としてはこれを絶対受け入れることはできません。
よって本日2月21日午前、藤岡信勝副会長(『新しい歴史教科書』代表執筆者)ならびに越後俊太郎事務局長は文部科学省を訪れ、萩生田光一文科大臣宛に本件に関する公式声明を手交し、適切な処理を行うよう申し入れを行いました。
また、午後1時より文部科学省記者会において、高池勝彦会長、石原隆夫、岡野俊昭、皿木喜久、藤岡信勝の4副会長、荒木田修理事が出席のもと、記者会見を行いました。
ここに本日付け公式声明を公開いたします。また、公式HPに「教科書不正検定の病巣〜つくる会教科書はなぜ不合格とされたのか〜」の特別ページを作成しました。今後は随時、HPで情報を公開してまいります。ぜひご覧ください。
国民の皆様におかれましては、この度の事態について、何卒ご理解の上、今後の展開について注視いただきますよう、お願い申し上げます。
文科省教科書検定の不正行為を糾弾し不合格処分の撤回を求める声明
−『新しい歴史教科書』(自由社)の検定結果について−
令和2年(2020年)2月21日
新しい歴史教科書をつくる会
(1)私たち、一般社団法人「新しい歴史教科書をつくる会」が推進し、株式会社自由社から発行予定の、新学習指導要領(平成29年告示)に基づく『中学社会 新しい歴史教科書』は、昨年4月に文部科学省に検定申請をしましたが、12月25日、文科省より「不合格」の通告を受けました。これにより今年度内に検定を通って来年度の採択に臨む可能性は閉ざされた形となりました。
しかし、この度の自由社歴史教科書に対する検定は、「ともかくこの教科書を不合格にする」という初めに結論ありきの異常なものでした。教科書調査官は、まともな検定意見の他に、無理筋の検定意見を強引に絞り出し、「欠陥箇所」の烙印をおして不合格処分を下したものであり、到底容認することはできません。
私たちは、文科省によって「不合格」とされた経過を公表し、その不当・不正な実態を暴露し、侵害された権利の回復のためにたたかいます。
(2)文科省が『新しい歴史教科書』を「不合格」とした根拠は、「1ページあたり1.2個以上の検定意見がついた場合、年度内は不合格とする」という、文科省の「教科用図書検定調査審議会」(略称・教科書検定審議会)が定めた基準によるものです。検定申請図書(白表紙本)は314ページありますので、377箇所以上検定意見がつくと、「検定意見」は「欠陥箇所」とみなされ、「不合格」とされる仕組みです。実際にはこの基準を29箇上回る405件の欠陥箇所が申し渡されました。このようにして、新たに設けられたこのボーダー・ラインによって、年度内合格の道が断たれた形になったのです。
(3)しかし、405件の「欠陥箇所」の検定基準ごとの内訳を見ると、誤記・誤植や事実の間違いなどの単純ミスは比較的少数で、「生徒が理解し難い表現である」「生徒が誤解するおそれのある表現である」といった、教科書調査官の主観的な趣味や思い込み、価値観が入り込みやすい検定基準が292件で、全体の72パーセントを占めています。
さらに、個々の欠陥箇所とされた内容を子細に見ると、教科書調査官の独断と偏見による決めつけ、教育的配慮による工夫を無視した切り捨て、勝手なルールを定めた上でそれに合わない箇所を欠陥に仕立て上げるものなど、指摘として不適切なものが多数目につきます。
また、日本の伝統の否定や、日本の歴史を悪逆非道に描き出す一方、共産主義の悪を書かせないなど傾向もハッキリ見て取れます。
さらに許しがたいのは、前回の検定で合格した記述を新たに欠陥箇所にしたり、他者の教科書では認められている記述が自由社であるが故に欠陥とされるなどのケースがあることです。揚げ足取り、こじつけ、重箱のスミをつつく姑息さも目につきます。そして、極めつきは新元号令和の政府による発表時期が予定より遅れたため、検定申請図書の印刷が間に合わず記号を仮に入れたケースについてまで、それを欠陥箇所に算入していることです。
(4)これらのことから、この度の自由社に対してなされた教科書検定では、初めから落とす意図をもって強引に欠陥箇所を絞り出し、水増しする不正行為が行われたと断じざるを得ません。特定の出版社の教科書を差別し、攻撃することは、教科書調査官による職権乱用であり、憲法第15条の「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」という規定にも明白に違反します。また、国家公務員法の規定にも反しています。これは驚くべき不祥事であり、文科省におけるかつてない大スキャンダルです。
(5)私たちは、公務員の行為によって権利を奪われた被害者として、正当な権利の回復を要求します。そのため、今回の検定結果をまずは撤回し、反論書の再審査を行い、特例措置をもって年度内合格の道を開くことを要求します。
また、その前提として、事実の究明のため国会に特別委員会を設置し、関係者を喚問して調査することを求めます。さらに、私たちは自由社の歴史教科書に関わる検定資料を公開し、「文科省の教科書検定」を検定する国民的な行動を呼びかけます。
このようにして、私たちの権利を回復するとともに、これらの不正行為に関与した者は厳しく処罰されなければなりません。
(6)さらに、今回のような不祥事が二度と起こらないようにするためには、教科書検定制度の抜本的な見直しと改善が必要です。それは、少なくとも次の項目を含む必要があります。
教科書検定はそもそも何のために存在するのかという本質論を確立する必要があります。教科書検定は民間の教科書会社がつくった教科書をよりよくすることで国民に奉仕するものであり、特定の教科書会社を恣意的に倒産させる道具ではありません。
そこで、「検定意見」の数を「欠陥箇所」に読み替える現行の制度は見直しが必要です。検定意見自体を、強制力のある「修正意見」と、教科書改善のアドバイスとしての性格を持ち採否は出版社に委ねられる「改善意見」とに分けるかつての区分を復活します。そして、粗悪教科書の排除のための不合格措置は、修正意見のみを基準にするよう制度を変更すべきです。
(7)「新しい歴史教科書をつくる会」は、教科書界に横行していた自虐史観を克服し、「誇りある日本人をつくる」ことを目指して結成されました。この間、教科書採択の成果は微々たるものに留まっていますが、教科書全体の傾向に大きな刺激を与える役割を果たすとともに、聖徳太子や坂本龍馬を抹殺する動きを食い止めました。
教科書の前提となる歴史の検証自体を進めるとともに、教室での授業づくりにも取り組み成果をあげてきました。今後もこの目的を達成するため、何をなすべきかを検討し、多くの国民の皆様の期待に応えて参ります。変わらぬご支援とご理解をお願いいたします。
以上
<文科省の不当な検定制度を糾弾する緊急決起集会>(仮)開催のご案内!
■日時3月11日(水)18時30分 星陵会館大ホール
■参加費1,000円(事前申し込み不要)
■登壇者現在調整中
■問い合わせ:緊急決起集会実行委員会 03−6912−0047
皆様奮ってご参加ください! 以上
(一社)新 し い 歴 史 教 科 書 を つ く る 会
つくる会FAX通信
第424号 令和2年(2020年)2月21日(金)
「文科省教科書検定の不正行為を糾弾し
不合格処分の撤回を求める声明」を発表
『新しい歴史教科書』(自由社)の検定結果を受けて
文部科学大臣宛申し入れと記者会見を開催
昨年12月25日、昨春より文科省の教科書検定中であった令和3年度使用開始の中学校用教科書『新しい歴史教科書』(自由社)が、「不合格」の通告を受けました。
この度の不合格通知は、万を持してこの度の検定に臨んでいた当会としては全く信じられないことであり、関連資料を見れば一目瞭然な、あまりに理不尽・不当と言わざるを得ません。もはや文科行政の大スキャンダルと言っても過言ではありません。自由社の教科書を推進してきた当会としてはこれを絶対受け入れることはできません。
よって本日2月21日午前、藤岡信勝副会長(『新しい歴史教科書』代表執筆者)ならびに越後俊太郎事務局長は文部科学省を訪れ、萩生田光一文科大臣宛に本件に関する公式声明を手交し、適切な処理を行うよう申し入れを行いました。
また、午後1時より文部科学省記者会において、高池勝彦会長、石原隆夫、岡野俊昭、皿木喜久、藤岡信勝の4副会長、荒木田修理事が出席のもと、記者会見を行いました。
ここに本日付け公式声明を公開いたします。また、公式HPに「教科書不正検定の病巣〜つくる会教科書はなぜ不合格とされたのか〜」の特別ページを作成しました。今後は随時、HPで情報を公開してまいります。ぜひご覧ください。
国民の皆様におかれましては、この度の事態について、何卒ご理解の上、今後の展開について注視いただきますよう、お願い申し上げます。
文科省教科書検定の不正行為を糾弾し不合格処分の撤回を求める声明
−『新しい歴史教科書』(自由社)の検定結果について−
令和2年(2020年)2月21日
新しい歴史教科書をつくる会
(1)私たち、一般社団法人「新しい歴史教科書をつくる会」が推進し、株式会社自由社から発行予定の、新学習指導要領(平成29年告示)に基づく『中学社会 新しい歴史教科書』は、昨年4月に文部科学省に検定申請をしましたが、12月25日、文科省より「不合格」の通告を受けました。これにより今年度内に検定を通って来年度の採択に臨む可能性は閉ざされた形となりました。
しかし、この度の自由社歴史教科書に対する検定は、「ともかくこの教科書を不合格にする」という初めに結論ありきの異常なものでした。教科書調査官は、まともな検定意見の他に、無理筋の検定意見を強引に絞り出し、「欠陥箇所」の烙印をおして不合格処分を下したものであり、到底容認することはできません。
私たちは、文科省によって「不合格」とされた経過を公表し、その不当・不正な実態を暴露し、侵害された権利の回復のためにたたかいます。
(2)文科省が『新しい歴史教科書』を「不合格」とした根拠は、「1ページあたり1.2個以上の検定意見がついた場合、年度内は不合格とする」という、文科省の「教科用図書検定調査審議会」(略称・教科書検定審議会)が定めた基準によるものです。検定申請図書(白表紙本)は314ページありますので、377箇所以上検定意見がつくと、「検定意見」は「欠陥箇所」とみなされ、「不合格」とされる仕組みです。実際にはこの基準を29箇上回る405件の欠陥箇所が申し渡されました。このようにして、新たに設けられたこのボーダー・ラインによって、年度内合格の道が断たれた形になったのです。
(3)しかし、405件の「欠陥箇所」の検定基準ごとの内訳を見ると、誤記・誤植や事実の間違いなどの単純ミスは比較的少数で、「生徒が理解し難い表現である」「生徒が誤解するおそれのある表現である」といった、教科書調査官の主観的な趣味や思い込み、価値観が入り込みやすい検定基準が292件で、全体の72パーセントを占めています。
さらに、個々の欠陥箇所とされた内容を子細に見ると、教科書調査官の独断と偏見による決めつけ、教育的配慮による工夫を無視した切り捨て、勝手なルールを定めた上でそれに合わない箇所を欠陥に仕立て上げるものなど、指摘として不適切なものが多数目につきます。
また、日本の伝統の否定や、日本の歴史を悪逆非道に描き出す一方、共産主義の悪を書かせないなど傾向もハッキリ見て取れます。
さらに許しがたいのは、前回の検定で合格した記述を新たに欠陥箇所にしたり、他者の教科書では認められている記述が自由社であるが故に欠陥とされるなどのケースがあることです。揚げ足取り、こじつけ、重箱のスミをつつく姑息さも目につきます。そして、極めつきは新元号令和の政府による発表時期が予定より遅れたため、検定申請図書の印刷が間に合わず記号を仮に入れたケースについてまで、それを欠陥箇所に算入していることです。
(4)これらのことから、この度の自由社に対してなされた教科書検定では、初めから落とす意図をもって強引に欠陥箇所を絞り出し、水増しする不正行為が行われたと断じざるを得ません。特定の出版社の教科書を差別し、攻撃することは、教科書調査官による職権乱用であり、憲法第15条の「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」という規定にも明白に違反します。また、国家公務員法の規定にも反しています。これは驚くべき不祥事であり、文科省におけるかつてない大スキャンダルです。
(5)私たちは、公務員の行為によって権利を奪われた被害者として、正当な権利の回復を要求します。そのため、今回の検定結果をまずは撤回し、反論書の再審査を行い、特例措置をもって年度内合格の道を開くことを要求します。
また、その前提として、事実の究明のため国会に特別委員会を設置し、関係者を喚問して調査することを求めます。さらに、私たちは自由社の歴史教科書に関わる検定資料を公開し、「文科省の教科書検定」を検定する国民的な行動を呼びかけます。
このようにして、私たちの権利を回復するとともに、これらの不正行為に関与した者は厳しく処罰されなければなりません。
(6)さらに、今回のような不祥事が二度と起こらないようにするためには、教科書検定制度の抜本的な見直しと改善が必要です。それは、少なくとも次の項目を含む必要があります。
教科書検定はそもそも何のために存在するのかという本質論を確立する必要があります。教科書検定は民間の教科書会社がつくった教科書をよりよくすることで国民に奉仕するものであり、特定の教科書会社を恣意的に倒産させる道具ではありません。
そこで、「検定意見」の数を「欠陥箇所」に読み替える現行の制度は見直しが必要です。検定意見自体を、強制力のある「修正意見」と、教科書改善のアドバイスとしての性格を持ち採否は出版社に委ねられる「改善意見」とに分けるかつての区分を復活します。そして、粗悪教科書の排除のための不合格措置は、修正意見のみを基準にするよう制度を変更すべきです。
(7)「新しい歴史教科書をつくる会」は、教科書界に横行していた自虐史観を克服し、「誇りある日本人をつくる」ことを目指して結成されました。この間、教科書採択の成果は微々たるものに留まっていますが、教科書全体の傾向に大きな刺激を与える役割を果たすとともに、聖徳太子や坂本龍馬を抹殺する動きを食い止めました。
教科書の前提となる歴史の検証自体を進めるとともに、教室での授業づくりにも取り組み成果をあげてきました。今後もこの目的を達成するため、何をなすべきかを検討し、多くの国民の皆様の期待に応えて参ります。変わらぬご支援とご理解をお願いいたします。
以上
<文科省の不当な検定制度を糾弾する緊急決起集会>(仮)開催のご案内!
■日時3月11日(水)18時30分 星陵会館大ホール
■参加費1,000円(事前申し込み不要)
■登壇者現在調整中
■問い合わせ:緊急決起集会実行委員会 03−6912−0047
皆様奮ってご参加ください! 以上
この記事へのコメント