マスコミの誤導に迷わされるな---改憲派は死滅し、改悪派だけが残った

 9条②項削除を言う政党は皆無であることに注意せよ

 昨日、衆院議員選挙が行なわれ、自民党が圧勝した。そして、マスコミ言うところの改憲派が3分の2を超えた、いや4分の3に達するという報道が行なわれている。

 しかし、本日の読売新聞朝刊は、「各党が憲法改正項目として挙げているテーマ」と題して、各党の憲法改正問題に対する態度を次のように整理している。

・自衛隊の明記
 自民、維新
・教育無償化
 自民、維新、希望
・災害などの緊急事態で特例 
自民、希望、公明
・参院の合区解消
 自民
・地方自治の強化 
希望、維新、公明
・知る権利の明記 
希望、立憲民主


 この整理によれば、9条②項削除を唱える政党は皆無である。前の記事に対してカンパニュラ氏が寄せてくれたコメントに在る通りである。
 

 全ての党が永久属国化を目指している

 ということはどういうことか。どの党が主導した改憲案であっても、その改憲案が成立すれば、日本は9条②項を追認したことになり、永久属国という立場を受け入れたことになるのである。安倍首相が主導する可能性が高いが、5月に示したスケジュール通り進行すれば、最悪の場合、前に本ブログで紹介したように、次のようになる。

2020年改正「日本国憲法」施行で永久属国化宣言
2022年頃、中国による日本侵入→9条②項が邪魔になり、戦えず屈服する。
   これ以前に、尖閣有事をきっかけに、中国が日本侵入を行う可能性は常に存在する。


 2022年秋は、「中華民族の夢」を語り、世界の覇権を握ろうと唱える習近平総書記の2期目が終わる頃である。本来ダメなはずだが、3期目を目指すとも言われる習近平総書記による日本侵略が行われる可能性は十分にあると言える。

  中国の動向がどうであれ、このまま9条②項護持が行われ、米国が東アジアから手を少しずつ引いていけば、端的に言えば米国が安保条約を更新しないと日本に通告すれば、日本は法的に丸裸状態となる。

 私には、日本が一歩ずつ正確に静かに確実に滅亡に向かっているように見えている。

 自民党圧勝によって、安倍政権が継続し、確かに、当面の北朝鮮危機を乗り切るには一番よい状態が出来上がった。しかし、数年後を視野に入れて考えれば、永久属国化→滅亡の道を確かに歩んでいるのである。

  この道を主導するのが、最も国家意識の確かな首相と信仰されている安倍首相であることによって、永久属国化→滅亡の道が混乱なく進められていくことになるのである。安倍首相よりも右と目され、かなり多数の「日本国憲法」無効論者を抱えていた「次世代の党」のような存在があれば、この道を歩まない可能性も高かったのだが、「次世代の党」は2014年12月の総選挙で安倍首相が潰してしまった。それゆえ、上記滅亡の道を歩む可能性は高いと言えよう。

 かつては、改憲派というからには、9条②項削除は常識であった。それがいつのまにか、「日本国憲法」を変えることを主張すればそれだけで改憲派と位置付けるように歪められてしまった。9条②項削除は改憲派の一丁目一番地ではなかったのか。ところが、9条②項削除もせず、ただ違法な「日本国憲法」を正当化してしまう弊害を招くだけの「日本国憲法」改正路線が、95%ほど定まったことになるのである。それゆえ、この路線は改憲ではない。安倍案からして改憲ではなく改悪だが、他の党の案も改悪である。正確には、憲法改悪派が多数を占めたというのが、今回の選挙結果である。

 自衛戦力否定、交戦権否認の怖ろしさを研究し、確認せよ 

もう一度言うが、かつては、「日本国憲法」改正というからには、9条②項削除は常識であった。この常識が壊れてしまったことに注意されたい。

しかし、安倍首相の5月の一言で、即ち9条③項加憲案で、一挙に壊れてしまった。なぜ、こんなに簡単に壊れてしまったのであろうか。

 それは、やはり、十分に自衛戦力否定の意味、交戦権否認の意味について研究されてこなかったからであろう。自衛隊も研究してこなかったようである。特に交戦権否認の意味については、自衛隊が政治に関わるのかという非難を怖れて研究してこなかったようである。憲法学者はもちろん、国際法学者も研究してこなかったのである。

 そういう状況を背景に、やはり交戦権否認の怖ろしさなど、御存知ない安倍首相は、9条加憲案を提起してしまったということであろうか。

 だが、この状態を脱しなければならない。ともかく、自衛戦力否定の不都合と恐ろしさを研究すること(これはある程度行われてきた)、交戦権否認の不都合と怖ろしさについて研究することが必要である。

 私は、今月、『自衛戦力と交戦権を肯定せよ』(自由社ブックレット)で自衛隊員の捕虜資格の問題と交戦権否認の問題について論じた。交戦権否認問題の具体的論及は本邦初である。多くのいろいろな人が、この本を読み、これを踏み台にして、自衛戦力否定と交戦権否認の問題について研究され、考えを深められんことを願うものである。特に防衛省・自衛隊関係者と国会議員に望むものである。

 https://www.amazon.co.jp/gp/product/images/4908979073/ref=dp_image_z_0?ie=UTF8&n=465392&s=books

  

補記……ドツボの二つの道が残った

  簡略化すれば、道は5つある。

  独立国家の原則に近いものから並べれば、 ①「日本国憲法」無効確認--臨時措置法の制定、②「日本国憲法」非改正--9条2項解釈の自衛戦力肯定・交戦権肯定説への転換、③「日本国憲法」改正・9条2項削除、④「日本国憲法」改正・9条2項護持、⑤「日本国憲法」を改正せず、9条2項の解釈も転換しない、という5つである。

  20数年前には無効論どころか「日本国憲法」改正さえも政治舞台で言えなかった。その状態から、徐々に「日本国憲法」改正論が唱えられるようになり、14、15年前からは「日本国憲法」無効論も多少とも流布するようになった。

  しかし、2014年に解散総選挙が行われて以来、安倍首相によって、独立国家の原則から近いものから消されていった。最初に2014年の総選挙で次世代の党が大敗北し、①が消された。次いで、2015年の安保法制の中で、9条2項解釈の自衛戦力肯定・交戦権肯定説への転換が行われず、②が消された。そして、今年5月の安倍構想から今回の総選挙によって、③もほぼ消されてしまった。石破茂氏などがよほど腹を据えて頑張らない限り、或いは他の要素が働かない限り、自民党は④を選択していくだろう。

 今回の総選挙で、政界には、④と⑤という二つの選択肢しかなくなった。いずれを選んでも、ドツボの選択である。雰囲気的に、④の方が「日本国憲法」改正だからましではないかと、改憲派であった人達は思い込んでいるだけのことである。

  金持日本を獲物として狩る側から見ると

  以上の過程を日本という獲物を狩る側から見た時には、5つの進路のうち、⑤を共産党などにどんどん言わせて保守派の危機感を煽って焦りを誘い、①②を保守派の頭目と見做された安倍首相に自ら切らせたことになる。これが最初の成功である。日本国民からすれば、2015年以来、③④⑤の道しか、見えないようになった。

 そして、第二段階が、「日本国憲法」を改正したというプラスイメージの名目を餌にして、③を消すとともに、④という⑤と変わらぬ道に日本国民を追い込んだのである。大成功である。もう、⑤でも④でも、どちらでもよい。どっちの道を選んでも、日本は自滅していってくれるからである。今のところ、狩りの大成功である。

  しかし、そうなるわけにはいかない。何とか独立国家にならなければならない。こういう状況の中で、最もスムーズに独立国家の原則を取り戻すには、まずは②の道を追求し続ける事であろう。
  

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