資料・平成18~23年度中学校公民教科書分析(14)―――平等権

Ⅱ、国内政治編

  (14)平等権

○分析項目
 ①平等権という言葉を用いるか
 ②平等権の例
 ③分量
 ④自由権の分量


○日本書籍新社
 ①平等権という言葉を用いるか……用いる
 ②平等権の例……部落差別や民族差別、障害者差別、女性差別、子ども、高齢者、「さまざまな性的志向をもつ人々」
 ③分量……4頁
 ④自由権の分量……2頁

「第3章 人間尊重と現代の民主政治」「2.基本的人権の尊重」の節見出し下、「平等なあつかいを受ける権利」の単元見出し下、「法の下の平等」→「ほんとうの平等を求めて」の小見出し。
・「法の下の平等」の小見出し下、全文引用
 「あなたたのだれもが、差別されることをきらい、平等なあつかいを受けることを求めるだろう。差別は、人間の尊厳を否定するものであり、絶対に許されない。しかし、社会に支配する者とされる者との関係が生まれたときから、さまざまな差別が始まり、それは今でもなくなっていない。人々は、おたがいの尊厳を認めあい、平等な関係を築こうとする努力によって、権力者に対抗し、近代の市民革命を成功させた。これによって、身分の差別や封建的な特権は廃止され、『法の下の平等』という原則が生まれた。
 近代法の下では、だれもが平等なあつかいを受ける権利が保障されている。これは、平等権といわれている。日本国憲法も、『法の下の平等』と『差別されない権利』を次のように定めている。『すべて国民は、法の下に平等であって、人種・信条・性別・社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。』(第14条)。
・「ほんとうの平等を求めて」の小見出しの下、全文引用
 「たしかに、法の下の平等は、人々を古いしばりから解き放した。しかし、近代の市民革命における平等は、大人の男性を中心とする平等であった。それは、家族の間で、とくに男女間の完全な平等を意味するものではなかった。権利を平等に保障されるべき人間として考えられたのは、はじめのころ、土地や商店、工場などをもつ裕福な成年男子だけに限られていた。そのため、この範囲を広げ、すべての人間が平等な扱いを受ける権利を保障する取り組みが、その後も追求されてきた。
 今日の日本では、部落差別や民族差別、障害者差別、女性差別などをどう解決していくかが、引き続き社会全体の大きな課題となっている。さらに、子どもや高齢者の権利やさまざまな性的志向をもつ人々の権利保障なども大きな課題となっている。アメリカ合衆国や北欧諸国など多くの国々では、少数民族や障害者、女性などに対する雇用の割りあて制度の採用など、実際に人々の平等が保障されるようにするための努力が進められている」(101頁)。
・「差別をなくしていく努力」の単元見出し下、「現代社会と差別」(会社での差別が書かれる)→「女性差別」→「障害者差別」→「まだある差別」(在日他)の小見出し→「部落差別」→「アイヌ民族差別」のサブ小見出し(104~105頁)。

○東京書籍
 ①平等権という言葉を用いるか……用いる
 ②平等権の例……部落差別、アイヌ、在日、障害者差別、外国人、女性差別、
 ③分量……6頁
 ④自由権の分量……2頁

「第2章 人間の尊重と日本国憲法」「3 人権と共生社会」の節見出し下、「①ともに生きる①」の単元見出し下、「差別をなくすために」→「部落差別からの解放」→「アイヌ民族への差別撤廃をめざして」→「在日韓国・朝鮮人への差別撤廃をめざして」の小見出し。「差別をなくすために」の小見出し下、全文引用
 「平等権が保障されている今日の社会でも、日本社会に固有の部落差別、アイヌ民族差別、在日韓国・朝鮮人への差別が根強く残っています。これらの差別は、根本的には人間の尊厳の原理に反するものです。このような理由のない不当な差別は、一日も早くなくさなければなりません」(44頁)。
 ・「②ともに生きる②」の単元見出し下、「男女平等をめざして」→「障害者とともに」の小見出し(48~49頁)
 ・「読み物資料」として、「義足の三塁手と義肢装具士」、「友達が教えてくれたこと」(在日コリアン三世の話)、「差別をのりこえて――詩 お姉さんへ」(部落差別)、「アメラジアン」(沖縄の)(46~47頁)

○大阪書籍
 ①平等権という言葉を用いるか……用いる
 ②平等権の例……女性差別、障害者、部落差別、アイヌ、在日
 ③分量……6頁
 ④自由権の分量……2頁
 ⑤備考……ここでは、[国民の基本的人権]の立場

「第1章 個人の尊重と日本国憲法」「2 日本国憲法と基本的人権」の節見出し下、「等しく生きる権利①」の単元見出し下、「平等権とは」→「男女共同参画社会をめざして」→「障害者とともに生きる社会」の小見出し。「平等権とは」の小見出し下、全文引用
 「人にはだれでも個人として尊重され(第13条)、だれもが法律上平等なあつかいを受ける権利(平等権)があります。
 日本国憲法は、すべて国民が、法の下に平等であることを確認して、さらに、人種(民族をふくむ)、信条、性別、社会的身分などを理由にして差別されないと定めています(第14条)。これは、身分上の差別や性別による差別など、歴史上くり返されてきた不当な差別を例にあげて、わたしたちに平等を保障しているのです。人の生まれや、人が生まれつきもっている性別や肌の色、身体の障害などの理由で差別を受け、不利益をこうむることは許されないことです」(42頁)。
・次の単元「等しく生きる権利②」の下、「部落差別をなくすために」→「アイヌ民族への差別」→「在日韓国・朝鮮人への差別」の小見出し(44~45頁)。
・「バリアフリー社会をめざして」の大コラム(46~47頁)。

○教育出版
 ①平等権という言葉を用いるか……用いる
 ②平等権の例……ハンセン病患者、女性差別、障害者、部落差別、アイヌ、在日
 ③分量……4頁
 ④自由権の分量……2頁

「第2章 わたしたちの暮らしと民主政治」「1 暮らしのなかに生きる憲法」の節見出し下、「⑤人間はみな平等」の単元見出し下、「個人の尊厳と法の下の平等」→「男女差別の解消」→「障害者とともに」の小見出し。「個人の尊厳と法の下の平等」の小見出し下、全文引用。
 「個人の自由がそこなわれ差別が残っているとしたら、個人の尊厳が保障されているとはいえません。日本国憲法は、法の下の平等をかかげています。これによって多くの人々が差別や偏見から解放されてきました。近年の例としては、ハンセン病患者に対する差別や偏見の問題がありました。現在、国や地方公共団体では、それらの差別や偏見をなくすために、さまざまな啓蒙活動に取り組んでいます。わたしたちは、これらの差別の実態を見抜き、差別をしない、させないという強い自覚をもつとともに、そのための行動をおこすことが大切です」(38頁)。
・「⑥平等な社会を創る」の単元見出し下、「部落差別からの解放」→「アイヌ民族への差別」→「定住外国人への差別」の小見出し(40~41頁)。

○清水書院
 ①平等権という言葉を用いるか……用いる
 ②平等権の例……部落差別、アイヌ、在日、ハンセン病、女性、高齢者、障害者、いじめ
 ③分量……6頁
 ④自由権の分量……3頁
 ⑤備考……ここでは、[国民の基本的人権]の立場

「第1編 私たちの生活と政治」「第1章 人権の尊重と日本国憲法」「2 基本的人権の保障」の節見出し下、「平等権(1)」の単元見出し下、「平等権とは」の小見出し→「家族生活と人権」のサブ小見出し→「ともに生きる」の小見出し(44~45頁)。「平等権とは」の小見出しの下、全文引用
 「人は、国も民族も、性別も家庭も能力も、自分で選ぶことなく生まれてくる。ひとりひとりがちがう条件をもち、異なった存在である人間にとって、平等とはなんだろうか。
 それは、だれでも人間としての尊厳にちがいはないということであり、それゆえに、すべての人が人間として差別なく平等なあつかいを受ける権利をもつということだろう。
 基本的人権は、すべての国民に平等に保障されなければならない。そのため、日本国憲法は、国民の法の下の平等を宣言している。そこでは、これまでの歴史や現実をふまえ、すべての国民は、人種、思想や宗教、性別、社会的身分や家がらなどのちがいによって、政治的・経済的・社会的関係において差別されないと記されている。
 この憲法の平等権の保障は、その後の法律の制定や社会のしくみをつくる指針となり、差別の撤廃を求める運動をすすめる人びとにとって、大きなよりどころとなっている」(44頁)。
・「ともに生きる」の小見出し下、男女平等、高齢者、病気(ハンセン病患者の例)、障害者(45頁)。
・「平等権(2)」の単元見出し下(46~47頁)、「差別の撤廃を求めて」の小見出し下、部落差別、アイヌ。次いで「差別のない社会の実現」の小見出し下、在日中心。他に、「いじめ」
・「公民ファイル 平等権について考える」(48~49頁)の下、「男女平等をめざして」→「ハンセン病元患者の長いたたかい」→「心の中にある差別」(部落差別)

○帝国書院
 ①平等権という言葉を用いるか……用いる
 ②平等権の例
 ③分量……8頁
 ④自由権の分量……2頁
 ⑤備考……ここでは、[国民の基本的人権]の立場。

「第3部 私たちの民主政治」「2章 人権について考えよう」「①偏見や差別」の単元見出し下、「だれでももちうる偏見」の小見出し下、全文引用
 「あなたは、『女だから』、『外国人だから』、『身体に障害があるから』という理由で、気がつかないうちに、ほかの人に対して偏見をもち、差別していることはありませんか。だれもが気がつかないうちに、偏見をもち、差別していることがあります。学校で問題になるいじめも、ほかの人と異なる個性をもつだけで偏見をもち、差別することから始まることがあります。差別のない社会を実現するためには、人にはだれでも、他人に対して偏見をもち差別をする危険性があることを、自覚する必要があるでしょう」(97頁)。
・「②平等権について考えよう」の単元見出し下、「平等権とは」→「男女平等はいま」の小見出し。「平等権とは」の小見出し下、全文引用
 「すべての国民は、日本国憲法により、1人の人間として尊重され、幸福を追求する権利が保障されています(第13条)。しかし、その原則は差別があっては実現できません。そのため、すべての国民は法のもとに平等とされ、ひとしく生きる権利(平等権)が保障されています。人種、性別、社会的身分や家がらによって、いかなる差別も受けない権利をもっているのです。現在では華族など貴族の制度も認められません(第14条)。家族生活においても、男女は平等です(第24条)。選挙でも平等が保障され(第44条)、選挙区の議員定数の配分も、一票の格差が不合理な程度に達しているときは、違憲であるとされます」(98~99頁)。
・「③現代社会に乗る差別(1)」の単元見出し下、「いまなお残る差別」の小見出し下、部落差別問題。次いで、「アイヌの人々への差別」の小見出し(100~101頁)。
・「④現代社会に乗る差別(2)」の単元見出し下、「在日外国人への差別」の小見出し。続いて「さまざまな偏見・差別」の小見出し下、エイズ、ハンセン病患者、障害者(102~103頁)

○日本文教出版
 ①平等権という言葉を用いるか……用いる
 ②平等権の例……部落差別、アイヌ、エイズ感染者、ハンセン病元患者、女性、「子ども」、いじめ、視線
 ③分量……8頁
 ④自由権の分量……2頁

「第3章 人間の尊重と日本国憲法」「②基本的人権の尊重」の単元見出しの下、
・「人間尊重と平等」の小見出し下、全文引用
 「人間はだれでも、差別されることをきらい、平等なあつかいを求める。日本国憲法でも、すべて国民は法の下に平等であって、人種、思想や宗教、性別、社会的身分、家がらによって差別されないことを求めている(憲法14条)。差別が許されないのは、同じ市民であるにもかかわらず、本人にはどうすることもできない理由で不利益をこうむっているからである。上の元ハンセン病患者の例もその一つである。差別は、個人の尊厳に反している。
 わたしたちの社会に残っている差別の根絶に向けて、どのようなとり組みがなされているか見ていこう」(46頁)。  *「公民資料(13)」でも引用
・「憲法で保障された基本的人権」の大見出し下、「平等権」の小見出し下、全文引用
 「『法の下の平等』(憲法14条)の保障にもかかわらず、現実社会においては、不平等なあつかいや差別に苦しむ人たちがいる。その解決は、わたしたちの社会全体の課題となっている。
 江戸幕府によって制度化された身分差別は、江戸時代の身分制度が解消された明治以後も差別として残った。政府は、1965(昭和40)年に同和対策審議会の答申を受け、部落差別をなくすことは国の責務であり、国民的な課題であると宣言した。これを受けて特別措置法がつくられ、対象地域の人々の生活の改善をはかる事業がおこなわれてきた。
 歴史で学習した、北海道の先住民族であるアイヌの人々への、差別や偏見をなくすことも重要な課題である。
 身体に障害のある人たちは、不自由で不平等な状態におかれやすい。障害者が教育を受ける機会をじゅうぶんに保障し、はたらける場所を確保することが求められている。
 ハンセン病の元患者やエイズ感染者に対する差別のような、病気に対する知識不足からの偏見も、解消されなければならない。
 憲法は、男女同権を定めており(憲法14条・24条)、社会参加の機会の平等や、家族や社会における、より適切な役割分担へ向けた政策がすすめられている。最近では、家庭内での暴力(ドメスティック・バイオレンス)や虐待なども、大きな問題としてあつかわれるようになってきている」(47頁)。
・「③共生の社会と人間尊重」の節見出し下、「差別の根絶をめざそう」の大見出し下「外国人居住者の人権」の小見出し(57頁)
・「夫婦別姓をめぐって」の大見出し(58~59頁)
・「差別のない社会の創造」の大見出しの下、「身近な人権」の小見出し下、「子ども」の人権、「いじめ」(60頁)
・「視線の態度」という読み物が一頁(61頁)

○扶桑社
 ①平等権という言葉を用いるか……用いる
 ②平等権の例……部落差別、男女平等、外国人、障害者、高齢者、アイヌ、ハンセン病元患者、エイズ感染者
 ③分量……3頁
 ④自由権の分量……2頁
 ⑤備考……学説・判例に従い、合理的区別が許されることを書いている。他社は、[国民の人権]的か、[国籍を問わぬ人権]的かで違いがあるが、絶対的平等論である。

「第3章 現代の民主政治とこれからの社会」「第1節 日本国憲法の基本原則」の節見出し「29 基本的人権2(平等権・社会権)」の単元見出し下、「法の下の平等」の小見出し下、全文引用。
 「人間は顔や体格はもちろん、その能力も性格も千差万別である。しかし法はそのようなちがいをこえ、すべての国民に等しく適用されなくてはならない。
 憲法は『すべて国民は、法の下に平等』(14条)であり、人種や性別、社会的身分などによって差別されてはならないと定めている。それは『すべて国民は、個人として尊重される』(13条)という憲法の精神に沿ったものである。
 さらに憲法は、華族などの貴族の制度を否定するとともに、勲章などもあくまで個人の功績を認めるものであり、家柄などにつながるものではないとしている(14条)。
 しかし、平等権は社会を秩序づけている役割分担や、個人の立場までなくそうとしているのではない。
 また、行き過ぎた平等意識はかえって社会を混乱させ、個性をうばってしまう結果になることもある。憲法が保障しているのは、絶対的な平等ではなく、不合理な差別は許さないということである
」(84頁)。
・「32 私たちの社会に潜む差別」の単元見出し(90~91頁)下、「部落差別」→「男女平等」→「外国人」→「障害者」のサブ小見出し(ここで、高齢者、アイヌ、ハンセン病元患者、エイズ感染者も)


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