資料・平成18~23年度中学校公民教科書分析を載せて---総合的にいえること

 平成18~23年度中学校公民教科書を25項目について比較分析検討し、22回にわたって掲載した。大雑把ではあるが、この作業で分かったこと、思ったことを箇条書きで簡単にまとめておきたい。

①分析項目(1)~(8)の総論的な部分について

前にも記したように、この部分では、清水書院、大阪書籍、扶桑社の三社が比較的立憲主義的な記述をしている。これに対して、日本書籍新社、東京書籍、教育出版の三社は全体主義的傾向が強い。しかし、東京書籍らで採択率75%ほどとなる。
あえて比較的評価できる三社を順位づければ、清水書院、大阪書籍、扶桑社となる。扶桑社の教科書は、前述のように、2002年から2004年3月までの教科書作成過程において、原理的部分で思想的に後退していったといえよう。

②分析項目(9)~(17)――国内政治編

しかし、予想通り、具体的・各論的な部分では扶桑社の記述は、不十分ではあるが、他社より相当大きくすぐれていた。そしてまた、初版より改悪されたわけではない。ただし、「日本国憲法」三原則説を採用しているかのような記述は、初版よりも改悪されているといえる。
  国内政治編では、扶桑社VS他社という対立関係となる。国内政治編では、清水書院や大阪書籍の記述は、東京書籍などと基本的に変わらない。扶桑社以外の教科書は、平等主義に偏向し、全体主義的な傾向が強い。

③分析項目(18)~(25)――国際社会編

   国際社会編の記述を比較検討してみると、扶桑社、清水書院と大阪書籍、東京書籍等5社の三グループに分けることができる。東京書籍等5社は、地球市民あるいは地球社会という捉え方をしており、国際社会を競争社会とは捉えず、日本国家を国際社会に拝跪、埋没させる思想で書かれている。しかし、この5社で採択率82.4%に達するわけだから、憂慮すべき事態である。
   これに対して、扶桑社、清水書院と大阪書籍は、少しは国際社会を競争社会あるいは国家間の対立のある社会として捉えているようである。
   三社の中で最も優れた記述をしているのは扶桑社である。唯一、国益という思想を表明し、敵国条項について記している。それに、拉致問題や領土問題、国旗国歌問題等では、他社とは比べ物にならない、まともな記述をしている。

④清水書院について

   今回、検討してみて、優れた記述だなと思う部分が最も多かったのは、扶桑社ではなく、清水書院の教科書である。前に述べた国家論の記述、経済における国防の位置づけの記述(国防=公共サービス)がその例だが、国際法に関する説明も一番端的にわかりやすい説明となっている。清水書院は、具体的個別的な問題では東京書籍などの多数派とあまり変わらないが、理論的な部分に関しては一番すぐれた説明をしているように思われる。この点をどう考えたらよいのだろうか。
 
⑤東京書籍について

   東京書籍の採択率は、歴史教科書について50%を超え、公民教科書については60%をこえている。歴史教科書は、対中韓隷属史観の点ではひどいが、トータルではましな方の教科書である。 
   しかし、公民教科書については、総論部分、国内政治編、国際社会編のいずれでも一番評価できないグループに属することがわかった。このグループには、日本書籍新社、教育出版、東京書籍の三社が属する。もう少し個別に詰めていかないと確言できないが、三社のひどさには、あまり差がない。日本書籍新社は教科書市場からの撤退が決まったから、東京書籍の公民教科書は、方針を大きく変えない限り、最左翼の教科書となっていくと言えよう。

⑥8社全体について

  いずれ、もう少しきちんと書きたいが、全体的に言えば、公民教科書と比較すれば、歴史教科書は随分ましな内容である。公民教科書は、扶桑社以外は社民党や共産党のパンフレットのような感がある。アイヌや在日、人権や国民主権、平和主義について記す箇所では特にそうである。
 歴史教科書よりも、はるかに公民教科書こそが問題である。



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