資料・平成18~23年度中学校公民教科書分析(4)―――国家、政治権力

  Ⅱ、国内政治編

  (4)国家、政治権力

○分析項目
①国家の定義、目的・役割
②日本国家の特色
③政治権力の必要性
④主権国家(国際編)……主権平等の原則他、記述有りや。三要素説有りや。
⑤愛国心…… 


○日本書籍新社
①国家の定義、目的・役割……なし
②日本国家の特色……なし
③政治権力の必要性……なし
④国際編における国家の定義……三要素説(領土、国民、主権)
⑤愛国心……なし

④「第4章 世界平和と人類の共生を求めて」「1.世界平和の実現」の節見出し下、「国際社会と主家の尊重」の大見出し下、「主権国家」の小見出し下、「社会には会社や学校などさまざまな集団があるが、国家はいずれともちがう最高の強制力をもつ集団である。また、国家は、国外に対しては独立で、他国に支配されない権力(主権)をもっている。そうした主権国家が基本的な構成単位となっている社会が国際社会である」(148頁)。
 囲み記事で、「国家の三要素」と題して、「国家が成立していくためには、①固有の領土(領海・領空をふくむ)をもつこと、②固有の人口をもつこと、③対外的に主権をもつこと、が必要である。これが国家の三要素である」(149頁)。


○東京書籍
①国家の定義、目的・役割……なし
②日本国家の特色……なし
③政治権力の必要性……なし
④主権国家(国際編)……主権平等の原則他、記述有り
            しかし、三要素説もかかれず。
⑤愛国心……なし

①②③「第2章 人間の尊重と日本国憲法」「第3章 現代の民主政治と社会」の章見出しの下、全く出てこない。
④「第5章 地球社会とわたしたち」「1 国際問題と地球市民」に続いて、「2 国際社会と世界平和」の節見出しの下、「1 主権国家と国際社会」の項見出し(大見出し)下、「主権国家」の小見出し下、「世界には190ほどの国があり、それぞれの国は主権をもっています。主権は、ある国が他国に支配されたり、干渉されたりしない権利(内政不干渉の原則)や、他の国々と対等である権利(主権平等の原則)からなっています。
 国際社会は、主権をもつ国々(主権国家)によって構成されており、国家の主権がおよぶ範囲を領域といいます」(154頁)。

○大阪書籍
①国家の定義、目的・役割……なし
②日本国家の特色……なし
③政治権力の必要性……有り
④主権国家(国際編)……主権平等の原則他、記述有り
            三要素説も有り。
⑤愛国心……なし

③「第2編 わたしたちの生活と政治」「第1章 個人の尊重と日本国憲法」「1 法に基づく政治と日本国憲法」の節見出し下、「法に基づく政治」の小見出し下、
「社会で生活するわたしたちの希望をみたしながら、社会の秩序を守り、安心できる生活を維持していくはたらきを、政治といいます。政治には、ルールに反する行為をとりしまり、利害を調整し、命令し強制する力が必要です。この力を政治権力といいます。
  政治権力は、ヨーロッパの絶対王政のころのように、権力者の思いのままに使われることがありました。そこで、ロックをはじめとする思想家たちは、……」(32頁)。
④「第4編 現代の国際社会」「第1章 国際社会と人類の課題」「1節 国家と国際社会」の節見出し下、「国際社会と主権国家」の大見出し下、
 「国際関係の成り立ち」の小見出し下、「……今では、国の数は190をこえました。それらの国々は、国土の大小、歴史、文化、言語、宗教、経済的・社会的発展などの相違はあっても、平等な独立国です」(158頁)。
 続いて「国家と主権」の小見出し下、「国家が成り立つためには、一定の領土と、そこに居住する人々(国民)、そして、それらを統治する権力が必要です。国内で統治権をもち、外から支配を受けずに独立を保つ国家を、主権国家といいます。すべての国の主権を平等に尊重し合うことが、国際社会のたいせつな原則です。国旗・国歌を……」(158頁)。

○教育出版
①国家の定義、目的・役割……なし
②日本国家の特色……なし
③政治権力の必要性……有り。しかし、法や立憲主義と関連付けず。
④主権国家(国際編)……主権平等の原則他、記述有り
            三要素説を明確に言わないが、三要素説とも一応言える?
⑤愛国心……なし

①②③「第2章 わたしたちの暮らしと民主政治」「1 暮らしのなかにいきる憲法」の節見出し下、「① 法にもとづく政治」の大見出し下、「法のはたす役割」→「民主政治の発達」の小見出しの下、どちらでも、政治権力の必要性さえ書かれず。
「法のはたす役割」で法について述べた後、「民主政治の発達」を、いきなり「かつては、国王が強大な権力をもち、国王自身がすべての法をつくり、人々の意思を無視した政治をおこなっていました。このような政治を専制政治といいます。……」(31頁)。
・ただし、第2章の「2 暮らしとつながる政治」の節見出し下、「①国民の代表者による政治」の大見出し下、「多数決と少数意見」の小見出し下、「議会での決定には、反対意見の人も従わせる強制力があります。このような力を権力といいます。民主主義でも権力は存在しますし、必要でもあります」(53頁)。
④「第4章 地球社会とわたしたち」「1 世界平和の実現に向けて」「① 国際社会のしくみ」の大見出し下、「主権国家」の小見出し下、「現在、地球上には200近くの独立国家があります。それらの国々は、すべて、他国に支配されたり干渉されたりしないで、国内の政治や外交について自ら決定する権利をもっています。その権利を主権といいます。主権には、他国の侵略などから自国を守るための自衛権が含まれています。国際社会は主権国家によって構成されています。国家は領土と国民をもち、大きな国も小さな国も主権を有することにおいて平等であり、これを主権平等の原則といいます」(132頁)。

○清水書院
①国家の定義、目的・役割……全社の中で唯一、国内編でも国家を説明。
三要素説を明確に言わないが、三要素説と言える?
②日本国家の特色……なし
③政治権力の必要性……有り
④主権国家(国際編)……主権平等の原則他、記述有り
⑤愛国心……なし

①②③「第1編 私たちの生活と政治」「第1章 人権の尊重と日本国憲法」「1 民主政治の成立」の節見出し下、「政治のはたらき」の小見出し下、「政治の場としての国」という小見出しの下、
「国(国家)とは何だろうか。国はそれぞれきまった範囲をもち、そこで生活する国民から成り立っている。
国は、対外的には独立を保ち、国内では秩序を維持し、国民の安全を守るとともに、経済、福祉、教育などさまざまの分野で国民が健康で快適な生活をおくることができるように支援することが重要な役割と考えられている。
  その役割をになうのが、国会や行政機関、裁判所など国の機関である。
国民のあいだには、さまざまな考えや利害・欲求があり、そこには対立や争いがおこることもある。そこで、国民相互の意思を調整し、協力し合えるようにまとまりをつくりあげることが必要である。
  しかし、多様な意見の調整につとめても、対立がなくなるとはかぎらない。それをかぎられた時間で調整し、効率よく実行しようとすれば、国家権力による強制もさけられない。
  このように、国には協力しあう国民の集まりという顔と、強制力をもった権力機関という、もうひとつの顔がある」(35頁)。
④「第3編 国際社会を生きる」「第1章 こんにちの国際社会」「1 国際社会のしくみ」の節見出し下、「国際政治と法」の大見出し下、「独立国(主権国家)」の小見出し下、
 「これまで学習したように、それぞれの国の政治のありかたを最終的に決定するのは、その国の国民である。このことは同時に、その国の政治のありかたについて、他の国からの支配や干渉は許されないということでもある。
 このように、国家が対外的に独立を保つ権利を主権という。主権の確立している国が独立国(主権国家)であり、主権国家はどの国も平等に扱われる(主権平等の原則)。
 ……現在、地球上には約190の独立国がある」(160頁)。

○帝国書院
①国家の定義、目的・役割……なし
②日本国家の特色……なし
③政治権力の必要性……なし
④主権国家(国際編)……主権平等の原則他、記述有り
           三要素説。
⑤愛国心……なし

④「第4部 地球市民として生きる」「1章 世界平和の実現をめざして」「①国家と国際社会」の大見出し下、「国家とは何か」の小見出し下、「国家とは何か」の小見出し下、全文引用
 「ある領土と、そこに住む人々があり、その領土と人々を支配する政府が存在するとき、国家が成立します。その国家がほかの国家によって認められていれば、外国に対して国家としての権利を主張することができます。つまり、国家は、領土、人口、主権という、三つの条件から成り立っています。
 主権とは、ほかの国がおかすことのできない、それぞれの国のもつ権利のことです。国際法の考え方では、主権国家は外国に対して、自国の領土や国民の安全を、国の権利として主張することが認められています。
  沖ノ鳥島が沈まないようにすることで、日本は領土を守り、国家主権を主張しているのです。現在の世界は、このように、おたがいに平等な主権を認め合う、主権国家によって構成されています」(152頁)

○日本文教出版
①国家の定義、目的・役割……なし
②日本国家の特色……なし
③政治権力の必要性……なし
④主権国家(国際編)……主権平等の原則他、記述有り。三要素説なし。
⑤愛国心……なし

①②③「第4章 民主政治と政治参加」の下、「1 民主政治をになう国の機関」との節見出しを置きながら、全くなし。
④「第7章 かけがえのない地球と人類の共生」「1 国際政治の動向と日本」の節見出し下、「国家と主権」の大見出し下、「主権国家」の小見出し下、
「国際社会では、どの国も、他国から支配されない権利(独立権)、平等にとりあつかわれる権利(平等権)をもっている。
 独立権と平等権をもつ国を、主権国家とよび、国際社会は、こうした主権国家からなり立っている」(147頁)。

○扶桑社
①国家の定義、目的・役割……なし
②日本国家の特色……なし
③政治権力の必要性……有り
④主権国家(国際編)……主権平等の原則他、記述有り
           三要素説なし。
⑤愛国心……少々、愛国心的な記述

④「第3章 現代の民主政治とこれからの社会」「第1節 日本国憲法の基本的原則」の節見出し下、「なぜ法は必要なのだろう」の小見出し下、法が必要であることを述べた上で、「法を守る意志と力」の小見出し下、
「法だけが制定されてもじゅうぶんとはいえない。実際に法が守られるためには、まず人々がその法を知っていなければならず、さまざまな機会と手段をとおして、法の内容や意義の説明が必要である。法を守ろうとしない人々に対しては、警察や裁判所などの強制的な力をともなうしくみが必要となる」(68~69頁)。
④「第4章 世界平和と人類の福祉の増大」「44 主権国家」の大見出し下、「主権国家とは」の小見出し下、
 「現在、世界には約190の国家があり、国家にはその大小にかかわらず主権がある。主権とは、他の国から支配や干渉されない権利であり、同時に各国はたがいに対等の権利があることをいう」(128頁)。
⑤「44 主権国家」の大見出し下、「国旗・国歌」の小見出し下、
 「自分の国を愛することで、はじめてほかの国を理解することもできる」(129頁)。

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