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zoom RSS 服部剛『先生、日本ってすごいね』をお勧めする

<<   作成日時 : 2016/11/20 18:01   >>

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 一昨日から昨日にかけて、授業づくりJAPAN横浜(中学)代表の服部剛氏の二冊の本を読んだ。『教室の感動を実況中継! 先生、日本ってすごいね――授業づくりJAPANの気概ある日本人が育つ道徳授業』(高木書房、2015年9月)と『感動の日本史 日本が好きになる――気概ある日本人が育つ授業づくりJAPAN』(致知出版、2016年10月)である。

 二つの本を読んで、特に近代日本人の特徴について教えられることが多かったので、まず今回は『先生、日本ってすごいね』について紹介しておきたい。本書の目次は以下のようである。

目次

1「戦場の知事 島田叡〜沖縄の島守」役割と責任
2「やまと心とポーランド魂」恩を忘れない
3「エルトゥールル号事件」感謝の心
4「ぺリリュー島の戦い」崇高な精神
5「焼き場の少年・一片のパン」人間の気高さ
6「海の武士道〜敵兵を救助せよ」生命の尊重
7「日本マラソンの父・金栗四三 三度のオリンピック」努力を続ける
8「佐久間艇長の遺書」役割と責任
9「柴五郎中佐」勇気ある行動
10「上杉鷹山 為せば成る」誠実・責任
11「ユダヤ人を救え 樋口少将と犬塚大佐」差別偏見の克服
12「特攻隊の遺書」先人への敬意と感謝
13【昭和天皇とマッカーサー】強い意志
14「空の武士道」利他の精神・人間の気高さ
15「日本ミツバチの団結力と日本人の美徳」集団生活の向上
16「坂東捕虜収容所 松江豊寿中佐とドイツ人捕虜」寛容の心
17「台湾人に愛された八田與一」公正公平
18「絆の物語〜アーレイ・バーク」日本人の伝統精神と集団生活
19三年間服部道徳を受けて生徒の感想


 
上記のように、『先生、日本ってすごいね』は、18事例の授業実践を紹介している。18の授業実践は、おおよそ、【授業はじめ】→【資料1】→発問→【資料2】→発問→【資料3】→生徒個々人にとって結びを引き出すような発問、という順序で行われている。授業自体はここで終わるようであるが、この後に、これはと思う生徒の感想が抜き出されている。そして、18事例の授業を通じて身に付けてもらうことを目指した徳目を、例えば〈2「やまと心とポーランド魂」恩を忘れない〉〈6「海の武士道〜敵兵を救助せよ」生命の尊重〉と、タイトル名の最後に示している。

2「やまと心とポーランド魂」恩を忘れない
 
  まずは、18テーマの授業実践の中で、私が全く知らないか余り理解していなかったテーマについて紹介しておきたい。2番目の〈「やまと心とポーランド魂」恩を忘れない〉は、日本とポーランドとの絆をテーマにした授業の報告である。両国の絆は、日露戦争における日本の勝利とともにシベリア出兵に遡る。

 シベリア出兵時、1920年から22年にかけて、日本はシベリアの地にいたポーランド人の孤児765名を救出し、日本で体力を回復させた後、ポーランドに送り届けた。日本国内の施設では、看護婦たちが付きっきりで看護した。手遅れと思われていた腸チフスの少女を看護した看護婦松沢フミは、毎晩少女と添い寝し、自己の命と引き換えに、少女を助けたという。

 これから70年以上たった1995年の阪神淡路大震災の時には、ポーランドは、一つのお返しとして、日本への救援活動を行い、日本の被災児をポーランドに招いて激励したという。有名なエルトゥールル号事件を通じたトルコと日本の絆と通ずる話である。
 
4「ぺリリュー島の戦い」崇高な精神 

  〈「ぺリリュー島の戦い」崇高な精神〉を読んだ時、目頭が熱くなった。「ぺリリュー島の戦い」は名前しか知らなくて、初めて戦いの梗概を知ったが、何とも言えない気持ちになった。
 
  1944年9月12日から11月27日にかけて、パラオ諸島のペリリュー島で「日本軍1万人」と「米軍4万8千人」の戦いが行われた。米軍海兵隊は「3日で占領する」と豪語して仕掛けたが、物量兵力共に圧倒的に劣る日本軍に苦戦し、ペリリュー島占領に70日以上要したのである。

 この戦いで日本軍は玉砕したが、ペリリュー島の戦いは住民に一人も犠牲者が出なかったことで知られている。島の住民たちは、日本軍とともに戦おうとしたが、中川州男隊長は大声を上げてひどい言葉で断ったという。この言葉に怒り、住民たちは、パラオ本島に避難していくことになった。その避難時、住民が乗り込んだ船が出港した後、日本兵たちはジャングルの中から走り出てきて、手を振って見送っていたという。中川隊長は、住民の安全を考えて、強く断ったのだという。

6「海の武士道〜敵兵を救助せよ」生命の尊重 

  本書で紹介されているほとんどあらゆる話に驚かされるが、その中でも一番目か二番目に驚かされたのが、この〈「海の武士道〜敵兵を救助せよ」生命の尊重〉の話である。1942(昭和17)年2月27日、ジャワ島沖で、日本艦隊は、米英欄の連合艦隊に大勝利した。そして、日本海軍の駆逐艦「雷(いかづち)」は、撃沈されたイギリスの巡洋艦エクゼターと駆逐艦エンカウンターの乗組員422名を救助し、オランダの病院船まで送り届けた。この授業では、「雷」艦長工藤俊作と救助されたイギリス人サミュエル・フォールの二人を軸にした物語を扱っている。

 海軍の戦いでは、撃沈した側が撃沈された敵船の乗組員を救助するという例は珍しいものではない。しかし、この事例では、「雷(いかづち)」の乗組員は150名しかおらず、400名以上もの敵兵を救助し、自分の船に乗せるなどという例は聞いたことがない。自分の兵力の2倍以上の敵兵を乗せれば、船を乗っ取られる危険性もある。軍事的合理性の観点からすれば、何とも危なっかしい事例であり、決して模範にしてはならない事例のように思える。しかし、本書は、日本兵によるイギリス兵の救助場面を次のように描いている。

 工藤艦長は、「全員総力をあげて救助に当たれ」と指示しました。縄ばしごやロープ、竹竿などを出し、はい上がらせました。最後の力を振りしぼって泳ぎ着き、日本兵が支える竹竿に触れると安心したのでしょう、イギリス兵たちは力尽きて次々と水中に沈んでいきました。甲板上の日本兵たちは、声をからして「頑張れ!」「頑張れ!」と叫びました。見かねた日本兵の一人が海中に飛び込み、泳ぎながらイギリス兵の体や腕にロープを巻き始めました。それを見るとまた一人、また一人と日本兵が飛び込み、イギリス兵を助けました。もう敵も味方もありませんでした。     (85頁)

 何とも感動的な光景である。工藤艦長と部下たちの崇高な精神を見る思いである。しかし、私はどうしても思ってしまう。「何と人の良い人たちだ、バカがつくほどではないか」。こういう人の良さが、日本の敗戦の背景にあるように思われるし、また、今日の日本人の自虐史観の根底にあるのではないか、とどうしても思ってしまう。

 とはいえ、助けられたイギリス兵の一人サミュエル・フォールは、外交官となり、工藤艦長への恩を忘れず、工藤艦長の功績を武士道の実践として称え続けたという。そして、この感動的な話が、恵隆之介『敵兵を救助せよ!』(草思社)などによって日本人にも知られるようになってきたのである。工藤艦長自身は、この救助劇を決して話そうとしなかったという。

8「佐久間艇長の遺書」役割と責任 

  私にとって一番感動的な話は、〈「佐久間艇長の遺書」役割と責任〉である。明治43年4月15日、山口県新湊沖で、日本海軍の第6潜水艇(佐久間勉艇長)は、訓練中の事故で海底に沈んでいった。この時、佐久間艇長と13人の乗組員は、潜水艇を浮上させるために最後まで手段を尽した。いよいよ「もはやこれまで」と判断した佐久間艇長は、司令塔に留まり続け、小さな手帳に39頁にもわたって沈没原因や沈没後の状況について克明に記録して絶命したという。他の乗組員も、自分の持ち場についた状態のまま、死んでいったという。艇長初め全員が最後まで職務を果たそうとしていたのである。世界の潜水学校では、佐久間艇長は、尊敬すべき潜水艦乗りとして教えられているそうである。

 私が同じ場面に遭遇したら、艇長の立場であれ部下の立場であれ、ジタバタしてしまうのではないかと思う。と同時に、自分が持っている区々たる不満が吹き飛ばされる感覚を持ってしまった。

14「空の武士道」利他の精神・人間の気高さ

 佐久間艇長の話に通ずるのが、〈「空の武士道」利他の精神・人間の気高さ〉の物語である。平成11(1999)年11月22日、航空自衛隊のT33ジェット練習機が、埼玉県狭山市の入間川河川敷に墜落した。その折、操縦していた中川尋史と門屋義廣の両自衛官は、狭山ニュータウンの住宅街に墜落しないようにギリギリまで脱出せず、殉職した。この二人の精神とはどういうものか探った授業報告である。

 しかし、自治体も新聞社なども、二人がなぜ殉職したかという理由を全く報告しなかった。今日の日本でも、このように職務に命をかける、利他の精神を持った人たちが居ることに一種の意外さと頼もしさを感じた。他国の軍隊に比べての自衛隊員の質の高さがつとに指摘されるが、それはこのような点にも現れているのであろうか。

15「日本ミツバチの団結力と日本人の美徳」集団生活の向上 

  一番興味深く、面白く読んだのが、〈「日本ミツバチの団結力と日本人の美徳」集団生活の向上〉の話である。ミツバチには蜂蜜をとるために飼われている西洋ミツバチと日本古来の日本ミツバチがいるが、西洋ミツバチは決して野生化できないという。それは、ミツバチの天敵であるスズメバチに全て殺されてしまうからであると言う。
 これに対して、日本ミツバチは野生で生きていけるという。スズメバチと戦ってこれを殺してしまうからだという。その戦い方が面白い。引用しよう。

 世界で唯一、スズメバチを撃退してしまうミツバチがいます。そう、それが、あのかわいらしい日本ミツバチです。
 どうやって撃退するのでしょうか。これが実に日本的な戦い方なのです。日本ミツバチの戦いは、お尻の毒針を用いません。集団でスズメバチにとりつき、「熱死」させるという方法で、スズメバチをやっつけてしまうのです。 (223〜224頁)
 

 〈集団でスズメバチにとりつき、「熱死」させるという方法〉がなぜ効果があるのか。日本ミツバチは、スズメバチに侵入されたら、あっという間にスズメバチに飛び掛かり、直径5cmほどの「蜂球」を作る。蜂球の内部では温度が上昇し、45度前後の高温が20分ほど続くことになる。スズメバチの致死温度は45度から47度くらい、日本ミツバチの致死温度は50度だという。致死温度の差で、スズメバチは小さな日本ミツバチに撃退されるのである。蜂球が解かれた後には、大きな一つのスズメバチの死骸と数匹の小さな日本ミツバチの死骸が残されることになる。
 強くて大きな相手に集団で挑む日本ミツバチの戦い方は、何と日本人の戦い方に似ていることであろうか。生徒の感想文の中にも、次のようなものがあった。
 
 ミツバチと日本人の団結力は同じように素晴らしいなと思った。日本人だけでなく、日本固有の動物にも日本のいいところが出ているのかなって思った。このようなことを自主的にできる日本人ってすごいんだな。これからも続けていきたい。 (237頁) 

  傍線部は、平成25年7月22日午前9時15分頃、JR南浦和駅京浜東北線ホームでホームと車両の間に落ちて腰のあたりを挟まれた女性乗客を、乗客や駅員40名ほどが車両を押して空間を広げて救出したエピソードを指す。この女性救出劇は、海外でも大きく報道され、日本人の集団行動力に称賛の声が上がった。この授業では、この救出劇と海外の反応が資料3で紹介されている。

18「絆の物語〜アーレイ・バーク」日本人の伝統精神と集団生活 

  米国は本当に日本に対してひどいことを行った。無理やり戦争に引きずり込み、原爆を落とし、偽憲法を押し付け、偽裁判で事後法を以て日本のリーダーを裁いた。無法の極みである。しかし、日米は敗者と勝者でありながら、両者の間には、〈2「やまと心とポーランド魂」恩を忘れない〉や〈3「エルトゥールル号事件」感謝の心〉の話と通ずる一種の絆もあるようだ。〈18「絆の物語〜アーレイ・バーク」日本人の伝統精神と集団生活〉は、そういうことを多少とも感じさせる物語である。

 東日本大震災の折、トモダチ作戦で最初に被災地に駆け付けたのが、原子力空母ロナルド・レーガンであった。ロナルド・レーガンは韓国に向かう途中であったが、トム・バーク艦長の独断で日本の救援に向かったという。この艦長の祖父が海上自衛隊の創設に貢献したアーレイ・バーク大将であった。バーク大将は駆逐艦乗りで、ソロモン沖海戦を戦った孟将であり反日家であったが、占領軍の一員として日本にきて親日家に変わっていったという。バーク大将を変えたのは、帝国ホテルの女性従業員であった。彼女は、バークの部屋を担当していたが、自分の給料の中から花を買い、バークの部屋に花を活け続けた。バークは女性従業員を呼び出し、なぜこのようなことをするのか問い詰めて、花の代金を払おうとするが、断られる。その後、この女性の身の上話を聞いて、バークは驚いたという。引用しよう。

  彼女は戦争未亡人で、夫はアメリカとの戦いで命を落としていたのです。しかも、彼女の亡き夫も駆逐艦の艦長で、ソロモン沖海戦で乗艦と運命を共にしたのでした。
 バークは、「あなたのご主人を殺したのは私かもしれない」と彼女に謝りました。
 ところが、彼女は毅然としてこう言ったのです。
 「提督。提督と夫が戦い、提督が何もしなかったら提督が戦死していたでしょう。誰も悪いわけではありません。強いて言えば、戦争が悪かったのです」
 バークは考え込みました。
 「自分は日本人を毛嫌いしているというのに彼女はできる限りのもてなしをしている。この違いは、いったい何なんだ!?」  (274頁)


  この後を読み進めると、1991年に亡くなったバーク大将は、多くの国から多数の勲章をもらっていたにもかかわらず、葬儀の時に日本の勲章だけを付けていたという。これは大将の遺言に基づくものであった。

  以上、私が余り知らない物語について紹介してきたが、他の物語も極めて心を打つものがあった。例えば、〈5「焼き場の少年・一片のパン」人間の気高さ〉の物語に、目頭が熱くならざるを得なかった。ともあれ、日本人の特性を知るうえで、道徳授業の教材として有意義な18の物語であった。本書をお勧めするものである。特に自虐史観に陥っている人達、左翼の人達にお勧めするものである。

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