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zoom RSS 不公正・出鱈目な手続きで可決されたヘイト法……参院法務委員会議事録等を読む(1)

<<   作成日時 : 2016/09/18 11:20   >>

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 対日ヘイト法により、警察と軍隊が日本人弾圧機関となる危険性

 本年6月3日、対日ヘイト法(本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律)が公布・施行された。この法律が定着していけば、今後、平成20(2008)年4月の北京オリンピック長野聖火リレーにおける中国人による無法状態が日常になっていく危険性がある。

 また、仮に「日本国憲法」改正で自衛隊が軍隊に昇格できたとしても、その軍隊が、治安出動した場合にも、日本国民ではなく、外国人のために動く危険性も出てきたということであろう。

 自衛隊のことはともかくとして、ヘイト法が成立したことにより、警察は、日本国民と在日韓国朝鮮人とが衝突した場合には、非が在日側に在ろうとも、ほとんどの場合、在日側の味方を行う可能性が飛躍的に高まったことは確実である。

 従って、このヘイト法がどのような過程を踏んで成立したのか、検証することはとても重要なことと思われる。

 ヘイト法審議の議事録を読んだ 

  そのような次第で、対日ヘイト法に関する議事録を読んだ。6月1日に閉会した第190国会の議事録が読めるようになったからである。この議事録を読んでいろいろ分かったことがあるので、報告しておきたい。

 簡単に審議経過を紹介すれば、審議は参院法務委員会から始まった。参院法務委員会には、前国会からの継続案件である「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案(第百八十九回国会小川敏夫君外六名発議)」がかけられていた。この法律案の審議が始まったのが3月22日であった。そして、この旧民主党案に対する対案として、4月8日、自公両党は、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」を提案し、4月19日から3回の審議で法務委員会を通過させた。後は、ほとんど議論もなく、5月24日に衆院本会議を通過し、法律として成立したのである。

 まずは、簡単に経過を年表で示しておこう。

(1)参院法務委員会

平成28年3月22日 第4回参院法務委員会、「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案」審議……4人の参考人が出席し、意見を述べる。
  大東文化大学大学院法務研究科教授 浅野 善治君 
  外国法事務弁護士 スティーブン・ギブンズ君
   龍谷大学法科大学院教授 金 尚均君 
  社会福祉法人青丘社川崎市ふれあい館職員 崔 江以子君

平成28年3月23日 第5回参院法務委員会、政府参考人から意見聴取……3月20日JR川崎駅前暴力事件など
意見を述べた政府参考人は以下の通り
  警察庁長官官房審議官 斉藤 実君
  法務省刑事局長    林  眞琴君
  法務省人権擁護局長  岡村 和美君

平成28年3月31日 有田芳生、西田昌司、矢倉克夫等の理事が、川崎の桜本地区を視察。
  
平成28年4月5日 第6回参院法務委員会、「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案」審議、政府参考人から意見聴取……3月20日JR川崎駅前暴力事件など
 意見を述べた政府参考人は以下の通り
  警察庁長官官房審議官   斉藤  実君
  法務省人権擁護局長    岡村 和美君
  文部科学大臣官房審議官  浅田 和伸君

平成28年4月8日 「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案(愛知治郎君外二名発議)」提出

平成28年4月13日 参院法務委員会付託
  
平成28年4月19日 第8回参院法務委員会、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案(愛知治郎君外二名発議)」審議
意見を述べた政府参考人は以下の通り
  最高裁判所長官代理者最高裁判所事務総局民事局長兼最高裁判所事務総局行政局長 菅野 雅之君
  法務大臣官房司法法制部長 萩本 修君
       
平成28年4月26日 第10回参院法務委員会、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案(愛知治郎君外二名発議)」審議
意見を述べた政府参考人
  厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長 藤井 康弘君

平成28年5月12日 第13回参院法務委員会、民進党案「人種等を理由とする差別の撤廃のための施策の推進に関する法律案」と自公案「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」の審議……民進党案否決、自公案の可決
 意見を述べた政府参考人
  法務省人権擁護局長  岡村 和美君


(2)参院本会議

平成28年5月13日 参院本会議、可決(押しボタン式)
  投票総数 228   賛成票 221   反対票 7
 反対票7の内訳は以下の通り
  日本を元気にする会(4名) 山田太郎 
  日本の心を大切にする党(3名) 中野正志、中山恭子、和田正宗
  生活の党と山太郎となかまたち(3名) 山本太郎
  社民党・護憲連合(3名) 福島みずほ、又市征治


(3)衆院法務委員会

平成28年5月18日 衆院法務委員会付託
平成28年5月20日 衆院法務委員会通過……審議放棄に等しい


(4)衆院本会議

平成28年5月24日 衆院本会議通過(起立多数)

(5)ヘイト法施行

平成28年6月3日 「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」公布施行

  
 手抜き、拙速審議――参院委員会で3回、衆院委員会で1回の審議   
           
 審議経過の年表を作成するだけで、ヘイト法審議の問題点が二点見て取れる。第一の点は、余りにも手抜きの拙速審議で、自由主義社会で最も重視すべき表現の自由を抑圧する法律を、しかも日本人を理念的に被差別民族と位置づける法律を通してしまったことである。何しろ、対日ヘイト法の審議は、参院法務委員会で4月19日、26日、5月12日の3回、行われただけである。参院法務委員会では、旧民主党案について3月22日、23日、4月5日と3回審議されているが、この3回を加えても6回の審議である。参院で通過した後、衆院に送られているが、衆院法務委員会ではたった1回審議されただけである。衆院に於ける審議の不十分さについては、おおさか維新の会の木下智彦委員が、次のように嘆いている。

 議院っていいなと。私たち、きょうこれだけなんですよ。きょうは何分でしたっけ、全部合わせても一時間ですよね。本来であれば、これは私たち、こちらの衆議院の委員にやはり言いたいと思うんですけれども、こういう審議時間をとって、このことは、まあ、これは早期に可決していかなければならないけれども、やはりこうやって言われたら、衆議院議員側はしっかりこれを考えなきゃいけないと思うんです。ということを最後につけ加えさせていただきまして、終了とさせていただきます。

 傍線部に注目されたい。参議院とて、決して十分な審議時間をとったわけではないが、衆院ではわずか一回、それもわずか1時間の審議で委員会を通過したわけである。衆院本会議では全く審議は行われていないから、衆院全体で1時間の審議でヘイト法が成立してしまったことになる。衆参両院でみても、4月8日に提案されてから、わずか46日間の審議で、この危険極まりない法律を通してしまったのである。3月22日の旧民主党案の審議入りから数えても、わずか63日間で通してしまった計算となる。この手抜きぶり、拙速さには、改めてまことに驚かされた次第である。
 
 不公正な審議手続き――「反ヘイトピーチ」運動側からのみ聴取 

  この拙速さ、手抜きぶりと関連するが、第二の問題点は、反「ヘイトスピーチ」運動側に圧倒的に有利な、それゆえ極めて不公正な審議手続きが採られたことである。まずすぐに目に付くのは、3月22日の参考人の選び方が不公正であることである。参考人四人のうち大東文化大学大学院法務研究科教授の浅野善治氏と外国法事務弁護士のスティーブン・ギブンズ氏は、表現の自由とヘイトスピーチに関する法律専門家の立場から選ばれた人たちである。

 これに対して、龍谷大学法科大学院教授の金尚均氏は、刑法学者であると同時に、「ヘイトスピーチ」問題で常に引き合いに出される京都朝鮮第一初級学校襲撃事件の際の保護者であり、当事者ともいえる人である。また、社会福祉法人青丘社川崎市ふれあい館職員の崔江以子氏も、「ヘイトスピーチ」問題の当事者である。
 金氏と崔氏を参考人として呼ぶことは結構であるが、物事を公平に判断するには、「ヘイトスピーチ」運動側の意見も聴取しなければならないだろう。ところが、「反ヘイトスピーチ」運動側の人物からのみ聴取しているのである。きわめて不公正な手続きと言うべきであろう。

 しかも、3月31日には、委員会理事である有田芳生(民進党)、西田昌司(自民党)、矢倉克夫(公明党)と仁比聡平(共産党)といった委員が、川崎の桜本地区を視察し、崔氏らからいろいろ話を聞いてきている。このような聞き取りをすることは当然でもあろうが、ならば、在特会などの「ヘイトスピーチ」運動側の意見聴取も行うべきであったろう。ともかく、反「ヘイトスピーチ」運動側、在日韓国朝鮮人側に偏った意見聴取を行ったと言えよう。きわめて不公正な手続きと言わねばならない。

 不公正な法務委員配置図

 さらに指摘すべきは、ヘイト法を成立させるべく最も精力的に動いた有田芳生氏、それに衆院法務委員会で積極的に発言していた共産党の畑野君枝氏は、完全に反「ヘイトスピーチ」運動側、在日韓国朝鮮人側の人物であり、彼らが言うところの反「ヘイトスピーチ」運動にも参加している人達である。有田氏に至っては、道路に座り込んだりなどして、彼ら言うところの「ヘイトデモ」へのカウンター攻撃を行っている人物である。道路への座り込みや寝転びは、道交法違反であり、完全に違法行為である。違法行為を率先して行う国会議員が、ヘイト法を成立させるうえで大きな力を発揮したのである。彼らは、「反ヘイト」というお題目を唱えれば何でも許されると思っているようである。中国の「愛国無罪」に通ずる考え方をしているようである。彼らの言う「反ヘイト」には、「日本人に対する憎悪」「日本人に対するヘイト」が籠っていると言えよう。

 これに対して、「ヘイトスピーチ」運動側、日本人側を代弁するような議員は、少なくとも衆参の法務委員会の中では一人も存在しない。参考人をめぐる人物配置図、議員をめぐる人物配置図からして、公正な審議など望むべくもなかったと言えるのかもしれない。
 しかし、公正な審議の為には、反「ヘイトスピーチ」運動のデモに加わるような議員は、ヘイト法又はヘイトスピーチ規制法の審議から排除すべきだったと言えよう。そのような習慣はないのだろうが。

 人種差別撤廃条約第4条abの留保はどうなったのか 

  以上、手抜き及び拙速、不公正さの二点の問題点を指摘してきたが、更に審議手続きとしておかしいと思う第三、第四の問題点がある。

 第三の問題点は、日本が人種差別撤廃条約第4条abを留保しているにもかかわらず、ヘイトスピーチ規制法を作れるのかという点について議論しなかったことである。人種差別撤廃条約第4条(a)と(b)は、次のように規定している。

第4条
 締約国は、一の人種の優越性若しくは一の皮膚の色若しくは種族的出身の人の集団の優越性の思想若しくは理論に基づくあらゆる宣伝及び団体又は人種的憎悪及び人種差別(形態のいかんを問わない。)を正当化し若しくは助長することを企てるあらゆる宣伝及び団体を非難し、また、このような差別のあらゆる扇動又は行為を根絶することを目的とする迅速かつ積極的な措置をとることを約束する。このため、締約国は、世界人権宣言に具現された原則及び次条に明示的に定める権利に十分な考慮を払って、特に次のことを行う。

(a)@人種的優越又は憎悪に基づく思想のあらゆる流布、A人種差別の扇動、いかなる人種若しくは皮膚の色若しくは種族的出身を異にする人の集団に対するものであるかを問わずBすべての暴力行為又はCその行為の扇動及びD人種主義に基づく活動に対する資金援助を含むいかなる援助の提供も、法律で処罰すべき犯罪であることを宣言すること。

(b)人種差別を助長し及び扇動する団体及び組織的宣伝活動その他のすべての宣伝活動を違法であるとして禁止するものとし、このような団体又は活動への参加が法律で処罰すべき犯罪であることを認めること。

 
  傍線と番号は私が付したものである。この第4条aとbの趣旨からすれば、いわゆるヘイトスピーチは少なくとも@Aに該当し、犯罪として禁止されることになる。しかし、日本は、米国などと同じく、集会・結社・表現の自由等が不当に制約されないように、aとbの受け入れについて特に留保を付けている。これまで自民党がヘイトスピーチ規制法について消極的だったのは、一つにはこの留保があるからだと思われる。それゆえ、ヘイトスピーチ規制法をつくるならば、第4条aとbの留保がなぜ行われているのか、この留保とヘイト法制定は矛盾しないのか、といった問題についての議論が当然必要であったと言えよう。しかし、少なくとも、第190国会では全く議論されなかったのである。何ともおかしなことである。
  *この段落は文章を修正した。文意は変わらない。……2016年11月19日記

  「ヘイトスピーチ」の原因論議の欠如 

  第四の問題点は、「ヘイトスピーチ」の原因論議の欠如である。物事には全て原因がある。原因を除かなければ問題はなくならない。それゆえ、問題処理の為には、原因論議が必要である。ところが、自公案の審議でも旧民主党案の審議でも、原因論議が全く行われなかったのである。原因論議を行わないということは、実は問題解決の意思はないということであろう。原因を除去しない限り、「ヘイトスピーチ」はなくならないし、法律で抑えても、別の所でもっと大きな対立を在日韓国朝鮮人と日本国民との間で生み出してしまうからである。

  私なりに「ヘイトスピーチ」の原因を探れば、いや常識的に言えば、最大の原因は、韓国の反日政策である。また、それに次ぐ原因は、在日特権の存在である。

  しかし、韓国の反日政策については全く触れられない。在日特権云々についても、二度出てきただけである。一度目は、3月22日、崔参考人が次のように述べている。

 彼らの路上でのあのヘイトスピーチを聞いて、いわゆるサイレントマジョリティーの方々、自分としては特にネガティブな感情を今まで持っていなかったけれども、大きな声で毎回毎回あんなふうにこう言っているから、ひょっとしたら在日には特権があるのかなとか、そんなふうに扇動されてしまう方々が出てきてしまうのも大変脅威を感じています 

  崔氏は、在日特権など存在しないという虚構の中に生きているようだ。それはともかく、崔氏の発言の後、在日特権があるのかないのか、在日特権が存在しているとの考え方が「ヘイトスピーチ」に結びついているのか否かといった議論が全く行われないのである。原因論など、委員の先生方は全く興味がないようである。

 二度目は、5月20日の衆院法務委員会での國重徹理事(公明党)の発言である。

 よく、在日特権とか、こういったものを振りかざして誹謗中傷するような言動がありますけれども、こういう荒唐無稽なものが原因で新たな憎悪とか偏見とか差別意識といったものが生み出されないような取り組みをぜひよろしくお願いいたします。

 國重氏は、在日特権を荒唐無稽と言う。とんでもない発言である。とはいえ、せっかく氏が、在日特権というような「荒唐無稽なものが原因で新たな憎悪とか偏見とか差別意識といったものが生み出されないような取り組み」というわけだから、在日特権があるという認識が荒唐無稽かどうか、在日特権があるという言論がどのように「憎悪とか偏見とか差別意識」を生み出すのか、といったことについて議論すべきであろう。

  しかし、在日特権が存在するか否か、全く議論されないまま、ヘイト法の審議が行われたのである。韓国の反日政策と在日特権という二つの原因について、全く議論されないまま、ヘイト法が成立してしまったのである。
 しかし、もう一度言おう。原因論なしに問題解決策など出てこない。恐らくは、議員たちは、ヘイトスピーチ問題の解決など、本気では考えていないということであろう。
 
  ともあれ、ヘイト法審議の手続き問題として、以上四点の問題を指摘しておこう。


  2016年9月22日補記……2016年1月26日公開の下記動画では、西田昌司氏は、ヘイトスピーチを許されないことと述べ、その原因論については無視しているが、ヘイトスピーチに対する法規制については、明確に反対している。なぜ、いつ変化したのか、気になるところである。ただし、原因論を黙殺すれば、西田氏の様に日本人差別法推進者になってしまう危険性は、誰にもあるということであろうか。

「大阪市でヘイトスピーチ規制の条例が可決。何をもってヘイトスピーチですか?」週刊西田一問一答
.
https://youtu.be/rkwtcMVr4Cs



なお、国会議事録については、以下の国会会議録検索システム詳細検索見ることができる。


  http://kokkai.ndl.go.jp/cgi-bin/KENSAKU/swk_login.cgi?MODE=2


転載歓迎








 

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