教科用図書検定基準改正に関するパブリックコメントを提出しました、転載歓迎

  ずっと本務が忙しく、教科書検定基準改正問題について考えられなかったが、前記事で述べたように、検討してみると、今回の改正案はとんでもない代物であると言わざるを得ない。いわば、第二の近隣諸国条項制定というべきものである。

  もう一度記すが、今回の改正案が通ると、問題の箇所は以下のような配列となる。

  
(2)未確定な時事的事象について断定的に記述していたり、特定の事柄を強調し過ぎていたり(傍線部は引用者)、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げていたりするところはないこと。
  *現行基準は以下の通り。
(2) 未確定な時事的事象について断定的に記述していたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げていたりするところはないこと。

(3) 近現代の歴史的事象のうち、通説的な見解がない数字などの事項について記述する場合には、通説的な見解がないことが明示されているとともに、児童又は生徒が誤解するおそれのある表現がないこと。
(4) 閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解又は最高裁判所の判例が存在する場合には、それらに基づいた記述がされていること。
(5) 近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること。


このうちの連続する(4)(5)が問題である。両者相俟って自虐史観が大幅に拡大する危険性が高いと言わねばならない。仮に安倍政権の間は大丈夫だとしても、安倍政権が終われば一挙に自虐史観が拡大していくだろう。

  そこで、本日、以下のような教科書検定基準改正に関するパブリックコメントを提出した。以下に掲げることにする。一つの参考にされたい。

     
パブリックコメントの窓口は、以下の通り

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000672


  パブリック・コメント

三点の改正が提案されていますが、一点目、二点目には特に反対しません。これに対して、三点目の「閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解や最高裁判所の判例がある場合には、それらに基づいた記述がされていることを定める。」については、大反対です。

 この規定を新設する目的として喧伝されているものは、領土問題の記述の適正化ということです。確かに、この条項が入れば、適正化のスピードは上がるでしょう。しかし、実は、中学校社会科のケースで言えば、民主党政権下で行なわれた前回の教科書検定(平成22年度検定)でさえも、領土問題の記述は大幅に改善されています。隔世の観があるのです。別にこのような条項を設けなくても、次回検定では更に改善されていくことは目に見えています。

  領土問題の記述についてはプラスであるとしても、多くの点でマイナスであるとしか私には思えません。「閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解又は最高裁判所の判例」という文言を見て、私が真っ先に思い浮かべたのは、河野談話であり、菅談話、村山談話です。

 この規定が新設されれば、河野談話に基づき、「従軍慰安婦」問題の記述が中学校でも復活するでしょう。菅談話に基づき、日韓関係の記述は、日本が韓国を搾取抑圧してきた記述に更になっていくでしょう。村山談話に基づき、侵略戦争史観が拡大し、再び章見出しや節見出しで「日本の中国侵略」といった文字が大きく踊ることになるでしょう。

  しかも、自虐史観を拡大する根源となってきた「 近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること。」(いわゆる近隣諸国条項)という規定はそのまま残っております。ですから、各種政府統一見解や最高裁判例の中では、自虐史観に通ずるものこそ優先されていくことになるでしょう。
 以上をふまえて、二つのことを要望します。

一、「 閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解又は最高裁判所の判例が存在する場合には、それらに基づいた記述がされていること。」を新設しないこと

二、「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること。」を削除すること



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