平成24公民教科書資料Ⅲ(11)アイヌ差別

              Ⅲ、立憲主義か全体主義か


         (11)アイヌ差別


    今回の大きな特徴は、アイヌに関する記述が大きく増加したことだ。アイヌ差別問題は、今や、最大の花形となった。自虐5社は、全て、アイヌ先住民族説という出鱈目極まりない学説を採用した。在日=被強制連行者子孫説のコピー版である。これまで、朝鮮人強制連行説の神話が拉致問題の顕在化を妨げるなど、日本の国益を大きく毀損してきた。この神話はあまり通用しなくなりつつあるから、反日左翼にとっては、利用し甲斐がなくなりつつある。そこで、アイヌ先住民族説という虚構に飛びつくことになる。今後は、この虚構が、ウタリ協会による多額の賠償金請求などの形で、日本国家を痛めつけるために活躍することになろう。(その意味では、2008年にほとんど議論もしないで「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を行った国会の軽率な行為は、弾劾されてしかるべぎだろう。)

   こういう出鱈目な記述がまかり通る思想的背景としては、法学的には平等権論、政治思想的には1970年代の辺境革命論あるいはアイヌ革命論が存在する。この理論に影響されて1970年代に東アジア反日武装戦線が生まれる。そして、彼らの反日原理主義思想が、1980年代以降、共産党と社民党、そして民主党の多数派と自民党の少数派によって受け継がれ、歴史教科書に続いて公民教科書を席巻し、今日に至っているのである。

  以下、各社がアイヌ問題についてどのような記述をしているか、比較資料を掲げよう。


○分析項目
①分量、小見出し
②アイヌの位置づけ……「先住民族」、「先住民」としていないか
③北海道旧土人保護法などの政策


○東京書籍
①第1章2節、単元3下、「琉球とアイヌの文化」の小見出し下、「アイヌ文化は、……先住民族アイヌによってになわれてきた文化です。アイヌの人たちは、身の回りの自然などを「カムイ(神)」としてうやまう独自の文化を持ち、現在では継承のための努力が行われています」(19頁)。……4行
・更に第2章2節単元2下、「アイヌ民族への差別撤廃をめざして」の小見出しの下、11行
②アイヌの位置づけ……先住民族
③備考……韓国・朝鮮人に関する物語のコピーという感じ。他社もそうか。
第2章2節単元2下、「アイヌ民族への差別撤廃をめざして」の小見出しの下、全文引用
 「アイヌ民族は古くから北海道、サハリン、千島列島を中心に、独自の言葉と文化を持って生活してきました。明治政府は、北海道開拓にあたって、アイヌの人たちの土地をうばい、『日本人』化(同化)を強制して、アイヌ固有の言語と文化を否定しました。この過程でアイヌの人たちへの差別が強められ、民族としての誇りがふみにじられたのです。 現在、アイヌの人たちは、自分たちの文化の継承、民族としての教育などをめざしています。1997年に制定されたアイヌ文化振興法では、アイヌ文化を振興し、アイヌの伝統を尊重することが求められています。2008年に国会は、『アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議』を行いました」(43頁)。
・42頁上部に「アイヌ語ラジオ講座」の写真

○日本文教出版①分量、小見出し……小見出し、10行
②アイヌの位置づけ……「先住民族」としている
③備考……これまでなかった「わが国は、単一民族、単一言語の国ではなく」が加わる。
第1章2節、単元「5 等しく生きる権利②」の単元見出し下、「アイヌ民族への差別」の小見出し下、全文引用
 「わが国は、単一民族、単一言語の国ではなく、アイヌ民族が、主として北海道に先住していました。明治政府が北海道を領土として組み入れてから、アイヌ民族固有の言語と文化や宗教がうばわれました。民族としての尊厳がふみにじられたばかりでなく、国があたえた土地にしばられて居住や職業選択の自由も制限されてきました。2007年に国連で採択された『先住民族の権利に関する国際連合宣言』を受けて、国会はアイヌ民族がわが国の先住民族であることを認め、アイヌ民族の名誉と尊厳を守り、その文化と誇りを継承していく政策を推進していくことを決議しました」 (54~55頁)。
・側注欄に資料③「『アイヌの碑』」の写真(54頁)

○教育出版
①分量、小見出し……小見出し、9行
②アイヌの位置づけ……「民族」、「先住民」としている
2章2節単元「4 差別をしない、させない」下、「アイヌ民族への差別」の小見出し下、全文引用
 「アイヌ民族は、北海道や樺太(サハリン)、千島列島を居住地として、長い間、独自の文化と歴史を築きあげてきました。かつて明治政府は、北海道旧土人保護法を制定して、アイヌ民族の土地を奪い、アイヌ文化を否定し、同化策を強制しました。1997年にようやく、アイヌの人々の民族としての誇りを尊重し、アイヌ文化の振興とアイヌの伝統を普及することを目的とした、アイヌ文化振興法が制定されました。さらに2008年には、政府に対し『アイヌ民族を先住民とすることを求める決議』が、国会で採択されました。一方で、いまだに暮らしのなかに残るさまざまな差別は十分に解消されたとはいえず、今後に課題が残されています」(46~47頁)。
・「アイヌの古式舞踊を披露する人たち」の写真(47頁)
・第2章扉に「マリモを湖に戻すアイヌの長老」の写真(31頁)、さらに山本多助『カムイ・ユーカラ』より引用文(31頁)

○清水書院
①分量、小見出し……11行、実質9行程度
②アイヌの位置づけ……「先住民族」、「少数民族」としている
③備考……他社も同じだが、ものすごい偏った歴史観。。
第1章2節、「平等権(2)」の単元見出し下、「差別の撤廃を求めて」の小見出し下、
 「少数民族であるアイヌへの差別もつづいている。明治以降、アイヌ民族は狩猟や漁業などの生業が規制され、生活の場を追われて貧窮していった。また『和人』への同化を強制され、固有のことばや文化もうばわれてきた。
 アイヌ民族の長いあいだの訴えにもとづき、1997年にアイヌを国内の少数民族として認めるアイヌ文化振興法が制定された。また、2008年には、国会ではじめて『アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議』が全会一致で採択され、その生活や権利の向上を推進することが確認された」(38~39頁)。
・側注③で、「蝦夷地(北海道)を中心に、狩猟や漁業で生活を営む先住民族。明治政府は開拓をすすめて移民政策をとり、農耕を強制するいっぽう、北海道旧土人法の制定によってアイヌの土地をうばった」(39頁)
・「『アイヌ新法』の制定を要求するデモ」の写真(38頁)。
・「ミニFM局によるアイヌ語放送」の写真(38頁)。

○帝国書院
①分量、小見出し……小見出し、17行
②アイヌの位置づけ……「民族」「先住民」
③備考……
①②第2部2章単元6「現代社会に残る差別(1)」の下、「アイヌの人々への差別」の小見出し下、全文引用
 「アイヌの人々は、かつて北海道やサハリン、千島列島を中心に、固有の文化や言葉をもって暮らしていました。しかし、江戸時代には、蝦夷地(北海道)の一部を支配した松前藩がアイヌの人々への弾圧をくり返しました。明治になると、政府は蝦夷地を北海道と改称し、開拓使をおき、本州からの移民を進める政策をとりました。1899(明治32)年には北海道旧土人保護法が制定され、アイヌの人々はせまいあれ地に追いやられるとともに、アイヌ民族としての暮らしや文化を否定されました。アイヌの人々は本州などから移住してきた人々との間に格差を設けられただけでなく、固有の文化や言葉を保つことが難しくなっていきました。
 アイヌの人々の伝統文化を取りもどし、振興させるため、1997(平成9)年にアイヌ文化振興法が施行されました。2008年には、アイヌの人々を先住民族とすることを求める国会決議がなされました。私たち一人ひとりも、アイヌの人々に対する差別をなくすとともに、アイヌの人々の伝統や文化、民族としてのほこりを尊重していくことが必要です」(45頁)。
・「アイヌ語への思い」の写真(45頁)。
・側注②で、「決議は日本政府に対し、アイヌの人々を日本列島の北部周辺に先住し、独自の言語、宗教や文化をもつ先住民として認めること、そして、アイヌ人々の尊厳回復などの政策をさらに推進することを求めました」(45頁)。

○育鵬社
①分量、小見出し……1行+「『ともに生きる』ために尽くした先人」の大コラム下、知里幸恵の話(68頁)
②アイヌの位置づけ……「民族」としていない。
第2章第2節単元2「ともに生きるために」下、「障害者差別」の小見出し下、
 「このほか、アイヌの人々への差別」(57頁)。

○自由社
①②③……記述なし


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