資料・平成18~23年度中学校公民教科書分析(15)―――在日韓国・朝鮮人差別問題

Ⅱ、国内政治編


(15)在日韓国・朝鮮人差別問題


○分析項目
①分量、小見出し扱いかなど
②在日への地方参政権
③地方公務員
④「強制連行」された者の子孫としているか


○日本書籍新社
①分量、小見出し扱いかなど……9行
②在日への地方参政権……国政と地方政治の区別なく、与えないのは差別
③地方公務員……国と地方の区別なく、制限されるのは差別
④「強制連行」された者の子孫としているか……「強制連行」された者の子孫

「第3章 人間尊重と現代の民主政治」「2.基本的人権の尊重」の節見出し下、「差別をなくしていく努力」の単元見出し下、「まだある差別」の小見出し下、在日関係全文引用
 「法の下の平等にもかかわらずなお残っている差別も少なくない。日本で長く生活している韓国人、朝鮮人、中国人など定住外国人への差別はその一例である。彼らのなかには、かつて日本が植民地とした朝鮮、台湾から強制連行などで移住させられた人々の子孫もいて、日本で生活を続けているが、就職などで依然として差別を受けている。また、定住外国人には、選挙権を与えられていないとか公務員になれないなどの制限もある(②)。こうした差別をなくし、制限についてもその実態を検討していく必要がある」(105頁)。
・側注②として「最高裁判所は、日本に永住している外国人の選挙権については、地方自治体の選挙権では肯定的な意見をとっている。なお、公務員の採用については一部の地方自治体で実施されている」(105頁)。

○東京書籍
①分量、小見出し扱いかなど……「①ともに生きる①」の単元では、「在日韓国・朝鮮人への差別撤廃をめざして」の小見出しの下、9行
 他には、「読み物資料」では、0.7頁ほど
②在日への地方参政権……国政と地方政治の区別なく、与えないのは差別
③地方公務員……国と地方の区別なく、制限されるのは差別
④「強制連行」された者の子孫としているか……「日本に連れてこられて、意思に反して働かされた人たちとその子孫」

「第2章 人間の尊重と日本国憲法」「3 人権と共生社会」の節見出し下、「①ともに生きる①」の単元見出し下、「在日韓国・朝鮮人への差別撤廃をめざして」の小見出しの下、全文引用
 「2005年現在、日本には約61万人の在日韓国・朝鮮人が住んでいます。その多くは、1910年の日本の韓国併合以来、移住を余儀なくされた人たちや、また、日本に連れてこられて、意思に反して働かされた人たちとその子孫です。これらの人たちは、民族の誇りを守り、さまざまな分野で活躍しています。しかし、就職などでの差別はなくなっていません。また、選挙権や公務員になることなども制限されています。不当な差別や偏見がなくなるよう、運動が続けられています」(45頁)。
・「旧正月に、民族独自の遊びを楽しむ在日韓国・朝鮮人の子どもたちと日本の子どもたち」の写真。更に「ワンコリアフェスティバル」の写真(45頁)。
・45頁側注欄に「公務員の国籍条項」という一口エピソード
・「読み物資料」として、「友達が教えてくれたこと」(在日コリアン三世の話)(46~47頁)

○大阪書籍
①分量、小見出し扱いかなど……小見出し、16行
②在日への地方参政権……国政と地方政治の区別なく、与えないのは差別
③地方公務員……国と地方の区別なく、制限されるのは差別と考えているようだ。
④「強制連行」された者の子孫としているか……していない

「第1章 個人の尊重と日本国憲法」「2 日本国憲法と基本的人権」の節見出し下、「等しく生きる権利②」の単元見出し下、「在日韓国・朝鮮人差別」の小見出し下、全文引用
 「わが国にはさまざまな国の人たちがくらしています。そのなかで、もっとも多いのが韓国・朝鮮の人たちです。わが国は、第二次世界大戦が終わるまで朝鮮半島を植民地支配していました。その朝鮮から移住してきた人々が、民族の誇りを守りながら、その子孫もふくめて多く住んでいます。
これらの人々は経済やスポーツなど多くの分野で活躍しています。しかし、公務員への門戸は広がりつつあるものの、選挙権はなお制限されています。また、入居や就職などでの差別も残っています。これらの人々の人権保障については、日本で生まれ生活していることや、歴史的な事情が考慮されなければなりません。
わが国にあるさまざまな差別の問題を解決するためには、わたしたち一人一人が基本的人権を理解し、多様な文化や社会を認めて、就職や結婚などの市民的権利を保障していくことがたいせつです」(45頁)。
・「全国高校ラグビー大会に初出場した大阪朝鮮高校」の写真(45頁)

○教育出版
①分量、小見出し扱いかなど……小見出し、9行
②在日への地方参政権……国政と地方政治の区別なく、与えないのは差別
③地方公務員……国と地方の区別なく、制限されるのは差別
④「強制連行」された者の子孫としているか……「日本が植民地としていた朝鮮から連れてこられた人々や、その子孫」

「第2章 わたしたちの暮らしと民主政治」「1 暮らしのなかに生きる憲法」の節見出し下、「⑥平等な社会を創る 差別からの解放」の単元見出し下、「定住外国人への差別」の小見出し下、全文引用
 「また、日本の各地には、多くの在日韓国・朝鮮人が暮らしています。それらの人々の中には、第二次世界大戦中に、日本が植民地としていた朝鮮から連れてこられた人々や、その子孫も少なくありません。
  現在、日本に住む外国人には、選挙権や被選挙権、公務員になることなどに制限があります。定住外国人らに対する偏見や差別をなくしていくことは、これからの重要な課題です」(41頁)。
 ・「韓国籍の女性が教員採用試験に合格したことを伝える新聞」の写真(41頁)。

○清水書院
①分量、小見出し扱いかなど……小見出し、15行
②在日への地方参政権……国政と地方政治の区別なく、与えないのは差別
③地方公務員……国と地方の区別なく、制限されるのは差別
④「強制連行」された者の子孫としているか……している

「第1編 私たちの生活と政治」「第1章 人権の尊重と日本国憲法」「2 基本的人権の保障」の節見出し下、「平等権(2)」の単元見出し下、「差別のない社会の実現」の小見出し下、
 「日本には現在およそ180万人の外国人が住んでいます。在日外国人の約30%と多くを占めるのは韓国・朝鮮籍の人びとである。
 そのなかには、日本による植民地支配後、やむをえず日本へ移住してきた人びとの子孫も少なくない。民族の誇りをもって日本社会で活躍する在日韓国・朝鮮人も多いが、学校生活や就職にあたっての差別をさけるため、本名を名のれず、日本名でくらしてきた人びともいる。
 日本でともに生活しながら、日本国籍をもたない在日韓国・朝鮮人には、納税の義務はあっても選挙権はなく、公務員になる権利や福祉を受ける権利にもきびしい制約がある。 
  こうした問題には改善の努力も続けられているが、多様な文化と共生しながら、外国人にも平等な人権を保障する制度があらためて求められている」(47頁)。
 側注④として「1910年に日本政府は『韓国併合』を行い、第二次世界大戦中には、多くの韓国人を強制労働のために日本に連行した」(47頁)。
・「『コリアタウン』のようす」の写真(47頁)

○帝国書院
①分量、小見出し扱いかなど……小見出し、20行
②在日への地方参政権……国政と地方政治の区別なく、与えないのは差別
③地方公務員……国と地方の区別なく、制限されるのは差別
④「強制連行」された者の子孫としているか……していぬ

「第3部 私たちの民主政治」「2章 人権について考えよう」「④現代社会に残る差別(2)」の単元見出し下、「在日外国人への差別」の小見出し下、全文引用
 「現在、日本に最も多く住んでいる外国人は在日韓国・朝鮮人です。第二次世界大戦が終わったとき、植民地政策などで約200万人の朝鮮人が日本にいました。おおくの人々は戦後すぐに祖国へ帰国しましたが、仕事や家族のことで日本の残る人もいました。彼らの子孫をふくめ、現在、日本に住む外国人の3割以上をしめています。
 在日韓国・朝鮮人に対しては、戦前からあった朝鮮の人々への蔑視から、就職や結婚での差別、いじめなどが残っています。また、日本国籍がないため、日本に永住し、納税の義務をはたしても参政権はありません。職種によっては公務員になれず、社会保障も十分に受けられません。日本の学校で普通教育を受けられますが、在日韓国・朝鮮人の子弟のための学校を卒業しても、大学入学の資格などは日本の学校と同じではありません
 最近は、アジアや中東諸国、欧米から日本にやってきて仕事をする外国人労働者も増えています。世界では、外国人も定住していれば、地方自治への参政権を認める国も増えてきています。日本でも、日本人と同様に教育の機会を保障し、社会保険料を支払えば、十分な社会保障が受けられる方向で努力がなされています。日本国憲法が認める人権を外国人にも保障するよう、制度を整備することが急務です」(102~103頁)。
 ・「苦渋のチマ・チョゴリ隠し」の写真(102頁)
 ・「全国大会出場を喜ぶ大阪朝鮮高級学校の選手たち」の写真(102頁)

○日本文教出版
①分量、小見出し扱いかなど……小見出し、14行
②在日への地方参政権……国政と地方政治の区別なく、与えないのは差別
        ただし、地方選挙権に重点
③地方公務員……記述なし
④「強制連行」された者の子孫としているか……している

「第3章 人間の尊重と日本国憲法」「③共生の社会と人間尊重」の節見出し下、「外国人問題にみる日本」の小見出し(56頁)。続いて「差別の根絶をめざそう」の大見出し下、「外国人居住者の人権」の小見出し下、全文引用
 「基本的人権をもつのは、日本に滞在する外国人の場合も同様である。右上の図のように、日本に在留する外国人のうち、韓国・朝鮮の人々の占めている割合は高い。この人々の中には、第二次世界大戦中に、強制連行などで移住させられた人々やその子孫がふくまれている
 そうした人々には、納税の義務はあるけれども、選挙権などの権利が保障されていない。就職に際しても、不利な場合もあるなど、解決すべき課題は多い。外国人の定住者については、地域社会と密接な関係をもつため、地方公共団体において、選挙権を認めようとする動きがある。
 国際化がすすむ社会で、日本の社会で生きていこうとする外国人もふえてきている。外国人をどのように受け入れていくべきか、制度と心構えの両方から考えてみよう」(57頁)。
 ・57頁側注①として、「①2004年9月末現在、定住外国人に対する地方参政権の付与を求める決議がおこなわれた地方公共団体は、都道府県32、政令指定都市12など全国で1226団体に達している」。
・「韓国・朝鮮の人々が多く生活する地域」の写真(57頁)。
 
○扶桑社
①分量、小見出し扱いかなど……サブ小見出し、8行
②在日への地方参政権……
③地方公務員……
④「強制連行」された者の子孫としているか……していぬ

「第3章 現代の民主政治とこれからの社会」「第1節 日本国憲法の基本原則」の節見出し下、「32 私たちの社会に潜む差別」の単元見出し(90~91頁)下、「外国人」のサブ小見出し下、全文引用
 「国際化が進んだり、わが国が朝鮮半島や台湾を領土としていた歴史的経緯から、今日、わが国には多くの外国人が住んでいる。外国人にも日本国民と等しく基本的には人権が保障されるが、その性質から保障されない権利もある。例えば、選挙権や公務員になる権利は、現在、人権尊重の立場から制約撤廃が主張され、一部に制約が解かれているものの、国家の意思を形成するという主権にかかわる権利であるため、外国籍の人には保障されないという意見もあり、議論が続いている」(91頁)。

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