資料・平成18~23年度中学校公民教科書分析(3)―――経済と国防、治安

  Ⅰ、宗教、家族、経済

(3)経済と国防、治安

経済と治安、国防は実は密接な関連がある。軍隊・国防は、公共財の一番目に挙げられるものであるし、警察・治安も重要な公共財の1つである。では、公民教科書は、経済編の箇所で軍隊・国防や警察・治安を扱っているだろうか。扱っている場合には、どのように扱っているだろうか。

①経済編の中で、警察・治安を扱っているか
1、警察・治安を公共財として扱っているか
2、警察・治安を行政サービスの1つとして扱っているか
②経済編の中で、自衛隊・軍事を扱っているか
1、自衛隊・軍事を公共財として扱っているか
2、自衛隊・軍事を行政サービスとして扱っているか


○日本書籍新社……①②警察・治安、自衛隊・国防とも無視

○東京書籍……①②警察・治安、自衛隊・国防とも無視

○大阪書籍……①警察・治安を「公共的なサービス」と位置付ける。
          ②自衛隊・国防は無視

・「第3編 わたしたちの生活と経済」「第3章 財政と国民の福祉」「1 政府の仕事と財政」の節見出し下、「財政のはたらき」の単元で、「経済の循環」の図を描き、家計、企業、政府の三者の循環図を記す。(138頁)
・「生活の向上を支える財政」の小見出し下、「わたしたちの生活は、家計の収入が増えても、道路や住宅・上下水道、学校・図書館・博物館・病院・公園などの公共的な施設が充実していなければ、本当に豊かなものとなりません。わたしたちが安心して文化的な生活を送るためには、警察・消防、教育・科学振興、保健衛生などの公共的なサービスが不可欠です」(138頁)。


○教育出版……①②警察・治安、自衛隊・国防とも出てこず

○清水書院……①②「国防・警察」を「公的サービス」とする。

・「第2編 わたしたちの生活と経済」「第3章 政府の役割と国民福祉」「1 私たちのくらしと財政」の節見出し下、「財政のはたらき」の単元で「政府の経済活動」→「財政の三つのはたらき」の小見出し。
 「政府の経済活動」の小見出し下、「家を建てるときに水道をひく。家の前の道を舗装する。家に泥棒がはいらないように、警備員を雇っておく。働く親たちが子どもの保育をたのむ施設をつくる。
  もし、これらの費用をすべて個人で負担することになったら、その費用は莫大なものになるし、他の人と重複すれば、社会全体からみると大きなむだが生じることになる。
  これらの事業やサービスは、現在、国や地方公共団体(政府)によって行われている。政府の行う経済活動を財政という。この財政を支えているのが国民の政府に支払う税金である。
  「財政の三つのはたらき」の小見出し下、「財政のはたらきは、まず第一に、公共事業や公的サービスを行うことである。つまり、利潤の追求を目的とする民間企業ではむずかしい学校・公園などの整備や国防・警察・消防などのしごとをしたり、水道の供給など、国民に広くサービスを提供することである」(124~125頁)。
・家計、企業、政府の三者の循環図を記す。(124頁)

○帝国書院…………①警察・治安を「公共的なサービス」と位置付ける。
             ②自衛隊・国防は無視

・「第2部 私たちのくらしと経済」「第4章 納税者として国の経済を考えよう」「①私たちの生活と財政」の単元で、「私たちの生活と財政」の小見出し下、「私たちがものを買ったり外食したりするとき、ものやサービスを提供しているのは民間の企業です。しかし私たちの生活を見わたすと、政府(国や地方公共団体など)によって提供されているものやサービスもたくさんあります。道路・ごみの収集・警察・消防、上の図のような公立の学校などは代表的な例です」(72頁)。
・「経済の循環」の図。家計、企業、政府の三者の循環(73頁)

○日本文教出版
①警察を行政サービスの1つとして扱っている。
②国防・自衛隊は出てこず

「第5章 わたしたちのくらしと経済」「1 日常生活と経済」の節見出し下、「経済活動のむすびつき」の大見出し下、「三つの経済主体」の小見出し下、「家庭を単位としてみた経済を家計という。一国の経済は、家計と企業、政府という三つの経済主体が、たがいに深く結びつついてなり立っている。
 家計は……
 企業は……
 政府は、家計や企業が納める税金などを財源として、家計から人を人を雇い、行政サービスを家計や企業に提供する。このとき、どうしたら経済活動が効率的に運営されるか、一方で、不平等が正せるか、福祉が向上するか、そのためには、限られた財源をどう使うかを考えなくてはならない。それを決めるのが、政治の重要な仕事である」(97頁)。
 「経済の三主体」の機構図の中で、行政サービスの例として、学校、警察、消防、公共事業が挙げられている。(97頁)

○扶桑社
 ①公共財の1つとして警察
 ②国防・自衛隊は出てこず

・「第2章 国民生活と経済」「第1節 私たちの生活と経済」「8 経済活動と家計」の下、「経済活動の意義」の小見出し下、家計、企業と書いてきて、「そして政府は、家計や企業が納める税金などを収入として、社会保障などの公共サービスや産業に役立つ公共事業などを、家計や企業に提供している」(29頁)。
・「第2節 国民生活と福祉」「17 政府の経済活動と社会資本の整備」で、「公共財と私的財」の小コラムを置き、以下の記述。
 「道路や公園、公衆衛生や上下水道、警察や消防など、人々が共同で使用できる財やサービスは、個人が希望して購入できるものではない。あるいは個人から料金を徴収することはむずかしい。しかし、このような財やサービスは人々の暮らしにとって、積極的に供給されることが望ましいので、国や地方公共団体が供給することになる。このような財やサービスを公共財という。これに対して、個人が代金を払って手に入れる財やサービスを私的財という」(52頁)。

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