資料・平成18~23年度中学校公民教科書(2)―――家族について

 Ⅰ、宗教、家族、経済

(2)家族
  ①社会(政治、経済以外)における家族の叙述の比重
        小見出し他、頁数
  ②家族の定義
  ③夫婦別姓
  ④大人と子供の関係の在り方――指導被指導関係、保護被保護関係
  ⑤個人の尊厳・男女平等に比重があるか、家族の一体性に比重があるか
  ⑥付録「男女共同参画社会」の扱い方……大コラムか小コラムか云々


○日本書籍新社
 ①「第1章 現代社会に生きるわたしたち」「2 個人と社会生活」の節見出しの下、
 「家族とその働き」の大見出しの下、2頁
 ②「人が一生を通じて所属している基礎的な社会集団」(25頁)
 ③「夫婦の姓に関する各国の実態」と題した表(24頁)
 ④なし
 ⑤明らかに、個人の尊厳・男女平等に比重。
 ③④⑤「個人の尊厳と家族」の小見出しの下、「長い人間の歴史と広い地球の中で、君は一人しかいない。また、『人のいのちは地球よりも重い』ともいわれている。こうしたことを個人の尊厳といっている。個人の尊厳は,性や世代の異なる人間によって構成されている家族の共同生活(家庭)においても尊重されなければならない。日本では、『個人の尊厳と両性の本質的平等』(憲法第24条)にもとづいて1947年に新しい民法を定めた。また、『婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本』とすると定められた(第24条)。
  しかし、現実には、就職の際や家庭内の仕事の分担で、男性と女性との間には大きな差別が存在してきた。そこで、この20年ほどの間で、『男は仕事、女は家事・育児』というような性別役割分業観も克服し、両性の平等をさらに進めていこうとする取り組みが女性団体などを中心に、活発におこなわれてきた。そのなかで、男女の婚姻適齢差別問題や夫婦別姓問題など、民法そのものの改正も注目されるようになってきている」(24頁)。
 「家族の働き」の小見出しの下、「家族は、夫婦・親子・兄弟・姉妹などの血縁関係を中心に成り立っていて、人が一生を通じて所属している基礎的な社会集団である。
 家族は住居や食事をともにし、同一の家計で生活しているが、時代や社会の変化によって、その在り方は異なる。現代の多くの家族は、消費生活を中心にしながら、家族の喜びや悲しみを共有したり、なやみを解決したりしながら明日の活力を蓄えている。とくに、家族は子どもを生み育てる最初の人間形成の場として考えられてきた。
 上のグラフを見ると、世帯数がふえていることと、核家族のしめる割合が高いことがわかる。近年、母子世帯、父子世帯、高齢者の単身世帯の増加など、家族形態は多様化している。
 こうした変化につれて、これまで家族が果たしてきた役割の多くは、宅配弁当・ファミリーレストラン・レジャー産業などに取ってかわられている。しかし、育児や介護を、家族とくに女性だけで解決することは困難になっている。そのため、職場の労働条件の改善や保育所・高齢者施設の充実、育児や介護のための有給休暇制度の確立などが必要になってきている。それと同時に、男性の育児・介護への本格的な参加がいっそう求められている」(25頁)。
 ⑥付録「男女共同参画社会」……単語のみ(32頁)
 

○東京書籍
  ①社会(政治、経済以外)における家族の叙述の比重……項(大)見出し、4頁
  ②家族の定義……「わたしたちが最初に出会う最も身近な社会集団」
  ③夫婦別姓……夫婦別姓に関するアンケートを1996年と2001年の分を載せる。
  ④大人と子供の関係の在り方……親権でて来る。
  ⑤個人の尊厳・男女平等に比重、更に言えば「ジェンダー・フリー」。
  ⑥付録「男女共同参画社会」……小見出し
 ②「1 家族と社会」の下、「多様化する家族」→「家族についての原則と法律」→「男女共同参画社会に向けて」の小見出し
 ・「多様化する家族」の小見出し下、「家族は、わたしたちが最初に出会う最も身近な社会集団で、夫婦、親子、きょうだいなどから構成されています。そのなかでわたしたちは安らぎを得、支え合い、成長し、社会生活に必要な基本的ルールを身につけていきます。しかし、人々が家族に求めるものは時代によって変化してきており、今日、家族の多様化が進んできています。
 例えば、家族の形態について見ると、かつて日本では、大家族が多く見られましたが、今日では、親とまだ結婚していない子どもだけ、および夫婦のみの核家族世帯が全体の約6割をしめています。また、一人だけで生活している一人世態も増えてきています」(30頁)。
③④⑤
 ・「家族についての原則と法律」の小見出し下、「家族についての基本的な原則は、「個人の尊厳と両性の本質的平等」です(日本国憲法第24条)。家族はおたがいに助け合っていかなければなりませんが、その場合でも、家族一人ひとりの人格と自主性を尊重することが大切です。民法では家族について、夫婦はたがいに協力し、子どもに親権を行使するということが明文化されています」(31頁)。
③④⑤⑥
「男女共同参画社会に向けて」の小見出し下、「戦前の日本は、個人よりも『家』を重んじる制度(家制度)をとっていました。戦後、日本国憲法と改正された民法などによって、法律の上では男女平等が実現しました。しかし、今日においても、『男は外で仕事、女は家で家事、育児』といった伝統的な性別役割分担の意識が、多くの人々に残っていることも事実です。
 そのようななかで、男女雇用機会均等法が改正され、さらに男女共同参画社会基本法が施行(1999年)され、男女の区別なく、個人として能力を生かすことができる社会づくりが進んできています。男女共同参画社会の実現には、保育サービスの多様化、子育てや介護のための休暇制度の充実など、仕事と子育て・介護が両立できる環境づくりが必要になっています。
 わたしたち一人ひとりにも、性別にとらわれない生き方が求められています」(31頁)。


○大阪書籍
  ①社会(政治、経済以外)における家族の叙述の比重
        小見出し2つ、1.4頁
  ②家族の定義……「最も小さな、基礎的な集団」
  ③夫婦別姓なし
  ④大人と子供の関係の在り方……なし
  ⑤個人の尊厳・男女平等に比重があるか、家族の一体性に比重があるか
   ……前者に比重
  ⑥付録「男女共同参画社会」……「等しく生きる権利①」の大見出し下、「男女共同参画社会をめざして」の小見出し

 ②③④⑤「一人の人間としてのわたしたち」の大見出し下、「家族と社会」→「法と家族」の小見出し……本文全文引用
 ・「家族と社会」の小見出しの下、「家族は、社会集団のなかでも、愛情と信頼で結ばれた、最も小さな、基礎的な集団です。家族は、休息ややすらぎの場であり、家族のなかで、生命のたいせつさを教わり、人間らしく自立して生きることや、たがいに個人として尊重し協力し合って生きていくことを学びます。家族は、このようにして、個人と社会を結びつける重要な役割を果たしています。また、家族は、経済生活の単位であり、働き手の得た収入を家族が消費して、くらしを維持しています。
 家族の生活は、地域社会とのかかわりのなかで営まれます。核家族が増え、高齢社会をむかえた今日では、地域の人々がたがいに助け合うことがたいせつです。病院や保育施設、講演や道路などが整備された住みやすい環境のなかで、人々がたがいに手を取り合ってくらしていくことは、家族生活をより豊かなものにしていきます」(20~21頁)。
 ・「法と家族」の小見出しの下、「家族に関するルールをどのようにするのかは、個人にとっても、国家にとっても重要な問題です。日本国憲法は、婚姻が『両性の合意のみに基づいて』成立し、夫婦は同等の権利をもってたがいに協力することを定めました。家族生活を夫婦が相互に協力して維持していくことは、男女がともにあらゆる分野に参画していく社会(男女共同参画社会)の基礎になります」(21頁)。
 ・「家族の平等」の小コラムの下、「個人の尊厳と両性の本質的平等」、均分相続など(21頁)


○教育出版
  ①社会(政治、経済以外)における家族の叙述の比重
       項(大)見出し、5頁
  ②家族の定義……「家族は最も身近な社会集団」
  ③夫婦別姓有りや……有り
  ④大人と子供の関係の在り方……なし
  ⑤個人の尊厳・男女平等に比重があるか、家族の一体性に比重があるか……前者
  ⑥付録「男女共同参画社会」……大コラム
 ・「1 変わる家族」の大見出しの下、「日本の人口の移り変わり」→「変わる家族のかたち」→「家族のはたらきと暮らしの変化」の小見出し
  「家族のはたらきと暮らしの変化」の小見出しの下、「家族は最も身近な社会集団であり、人間形成の場、いこいと休息の場、消費生活の場、養育・扶養・介護の場などのはたらきがあります。これらは本来、家族がともに暮らすなかで機能するともいえます。しかし現在では、家族の暮らしもしだいに変わってきています。家族の生活時間がそれぞれ異なるようになると、家族が別々に食事をする機会がふえるなど、各自の都合や好みに合わせて暮らすことが多くなりました。
 家族のかたちや暮らしにはさまざまな変化がおこるなかで、わたしたちは新しい課題に直面しています」(23頁)。
 ・「2 家族と地域社会で支え合い」の大見出し下、「家族を支えるしくみ」の小見出し
 ・「3 家族の一員として 家族のはたす役割」の大見出し下、「家族のなかで、男性と女性が対等な役割をはたすには、どのようにすればいいのでしょうか」のリード文。
  「家族の生活と男女平等」→「社会のなかで生きる」の小見出し
 ・「家族のはたらきと暮らしの変化」の小見出しの下、「わたしたちが毎日の家庭生活を楽しく快適に過ごしていくことは、家族のメンバーにとっても、社会全体にとっても大切です。そこで、家庭生活をおくるうえでのルールが必要になります。『男は仕事・女は家事』という男女の役割分担は、これまでの家族の考え方でした。しかし、女性の社会進出がすすむ中で、こうした考え方を見直そうと考える人々がふえてきました。女性でも、男性でも自分の能力や個性を生かしたいという願いは同じだからです。まわりをみまわすと、家事や育児を分担する男性が少しずつふえています。わたしたちは、変化する社会にふさわしい新しいルールをつくることができるのです」(26~27頁)。
 ・「夫婦別姓」の小コラム下、「現在では、結婚したときに名のる姓は夫か妻のいずれかの姓となっています。ところが、実際は男性側の姓を名のることが多くなっています。それが、女性にとって不利な場合があるという主張があります。そこで、結婚してもそれまでの姓を使用できるよう、法律を改正するかどうかについて、さまざまな議論がされています」(27頁)。
⑥付録「男女共同参画社会」……「男女共同参画社会の実現を目指して」の大見出し下、「性別にとらわれることなく」の小見出しの下、「生まれたときに決まっていた男・女という区別は、生物学的な性別とよばれます。しかし、人は生まれたときのままの男・女でいるわけではありません。人は、まわりの人々が『男にふさわしい行動・女にふさわしい行動』と考えている文化を身につけていきます。このように後天的につくられた男・女のちがいを社会的性別といいます。……
  このように、大切なのは、社会的につくられた男・女の役割分担などは、変えられるということです。わたしたちは、あたりまえと思い込んでいる『男はこう、女はこう』という固定した考え方にとらわれることなく、それぞれの個性や能力を十分に発揮しながら、自分らしく自由に生きられる社会を築いていけるのです」(82頁)。
 *検定申請本……「ジェンダー・フリーの社会へ」と題して見開き二頁を費やし、「ジェンダーにかかわりなく」の小見出しを掲げ、「生まれたときに決まっていた男・女という区別は、生物学的な性別とよばれます。しかし、人は生まれたときのままの男・女でいるのではありません。人は、まわりの人々が『男にふさわしい行動・女にふさわしい行動』と考えている文化を身につけていきます。このように社会的・文化的に『つくられた性別』をジェンダーといいます。……大切なのは、ジェンダーが生まれついたものではなく、社会的につくられたもので、変えられるということです。わたしたちは、あたりまえと思い込んでいる『男はこう、女はこう』というしばりから自由(フリー)になり、自分らしく生きられる社会をつくっていけるのです。ジェンダー・フリーの社会は、社会のあらゆる分野で男女が性別にかかわりなく、個性と能力をじゅうぶんに発揮できる男女共同参画社会でもあります」。


○清水書院
  ①社会(政治、経済以外)における家族の叙述の比重
   ……「2 私たちと家族」との大(項)見出し下、2頁
  ②家族の定義……「家族は心の通う共同体」
  ③「個人の尊厳と両性の本質的平等」の強調度合い、夫婦別姓
  ④大人と子供の関係の在り方――指導被指導関係、保護被保護関係
  ⑤個人の尊厳・男女平等に比重があるか、家族の一体性に比重があるか
    ……どちらとも言えぬ。ただ、教科書にしては、後者に比重。
  ⑥付録「男女共同参画社会」
 ②③④⑤……本文を全文引用。
 ・「家族とは何か」→「家族の変化」→「家族にとってたいせつなこと」の小見出し
 ・「家族とは何か」の小見出し下、「家族は私たちが誕生して、初めて出会う小さな社会である。困難やもめごとがあっても、家族は支えあう。家族の人間関係のなかで、私たちは保護され、生活のしかたを学び、性格をも形づくって、世のなかにでるさまざまな練習をする。
 家族にはさまざまな機能があるが、もっとも基本的なことはともに生活し、助けあうという面だろう。家族は「役に立つ・立たない」という視線で人を見がちな他の社会集団とちがい、乳幼児や病人など弱いものほどたいせつにいたわる。ときに対立することはあっても、家族は心の通う共同体として、人々に安らぎやはげましをあたえるのである」(10頁)。
 ・「家族の変化」の小見出しの下、「家族は社会を支え、社会に支えられながら、社会の変化とともにそのかたちや役割をかえていく。
 かつて家族は、農業や商工業などの家業を営む生産の単位でもあった。それは、家長を中心に構成される多人数の大家族であるばあいが多かった。家事に多くの時間と人手が必要だった時代には、子どもをふくむ家族の協力がなくては生活が成り立ちにくかった。
 現代では、核家族とよばれる夫婦と子どもだけの小家族が多くなり、家族の生活は、家庭電化製品の普及によって便利で快適になった。また、食事のしたくや洗濯などの家事労働をいろいろな店にたのむことが多くなり、子どもの教育や高齢者の介護なども学校や病院・施設などにゆだねることが多くなった。こうした変化のなか、家族における個人の自立と自由が大きく拡大するいっぽう、家族の役割もかわってきている。
 さらに、現在の日本は、世界一の長寿国になるとともに、子どもの出生数が減り、少子高齢社会をむかえている。年金の保障や高齢者の介護など福祉の充実が求められるが、少ない若者層でどう支えていくのか、時代は困難な課題に直面している。
 結婚や子育てを安心して行えるように、高齢者も健康で働けるように、そして家族がゆとりをもっていっしょにくらせるように、職場や社会の環境づくりが求められている」(10~11頁)。
 ・「家族にとってたいせつなこと」の小見出し下、「『家族はバラバラでいい。だいじなことはひとつだけ』と、脚本家の山田太一さんはいう。それぞれの生きかたでいながら、ともに生きているという感情をもちつづけられたら、それだけでいいと彼は言う。
 家族について考えることは、人間としての生きかたや社会のありかたを考えることでもある。子どもを生み育てることが喜びであるように、長く生きることが幸せであるように、これからの社会や家族のありかたを、視野を広げ、自分の問題として考えてみよう」(11頁)。
⑥付録「男女共同参画社会」……「平等権(1)」の箇所で単語有り(45頁)。


○帝国書院
①社会(政治、経済以外)における家族の叙述の比重
    大(項)見出し、本文2頁+大コラム「深めよう~親族の関係」1頁
  ②家族の定義……「最も身近で基礎的な社会集団」
  ③夫婦別姓……なし
  ④大人と子供の関係の在り方……大コラムで、民法を紹介し、親権にふれる。
  ⑤個人の尊厳・男女平等に比重があるか、家族の一体性に比重があるか
  ⑥付録「男女共同参画社会」の扱い方……単語のみ
     「性別に関係なく」の言い方
 ②③④⑤……本文を全文引用
・「家族の役割」→「家族と私」→「男女が協力し合う社会」の小見出し
 ・「家族の役割」の小見出し下、「家族は、私たちにとって、最も身近で基礎的な社会集団です。家族は夫婦を中心に、親子・兄弟・姉妹などの人間関係によってつくられます。
 私たちにとって、家族の役割は何でしょうか。私たちは、家族が生活する場である家庭に対し、図②のように『家族団らんの場』『休息・安らぎの場』を求めています。心身のつかれをいやしたり、おたがいに助け合ったりすることは、家庭の大切な役割の一つです。また、家庭には子どもがことばや生活習慣を学び、人間としての生き方や社会のルールを身につける、人間形成の場としての役割もあります。さらに、子どもを育てることや高齢者を介護することも、家庭の大きな役割です」(24頁)。
     *図②とは、「家庭の役割」に関する意識調査
 ・「家族と私」の小見出し下、「あなたのクラスの人たちの家族が、それぞれ異なるように、家族の形はさまざまです。しかし、家族の形や、そこに求めるものが人により異なっても、家族が「かけがえのない存在」であることは共通しています。なぜなら、家族は、それぞれがよりよい人生をおくれるよう、おたがいに助け合い、はげまし合い、成長していくからです。
 家庭においては、家族の一人ひとりには自分の自由な世界がありますが、同時に、生活のなかで分担しなければならないルールもあります。あなたも家庭における自分の役割や、自分にできることを考えてみましょう」(24~25頁)。
⑥付録「男女共同参画社会」の扱い方……「男女が協力し合う社会」の小見出しの下、「今日では、『男性は外で仕事、女性は家で家事・育児』という役割意識をもつ人が減り、女性が外で仕事をするのは当然だと思う人が増えています。だれもが型にはめられず、のびやかに活躍できるためには、家庭のなかでも男女がおたがいの立場を理解し協力し合うことが必要です。1999年に男女共同参画社会基本法が施行され、性別に関係なく個性や能力を発揮できる社会がめざされています」(25頁)。
 

○日本文教出版
  ①社会(政治、経済以外)における家族の叙述の比重
        節見出し、本文5頁+大コラム「家族の中の女性」2頁
  ②家族の定義……「もっとも身近な、基礎的な社会集団」
  ③夫婦別姓……28頁で選択的夫婦別姓論紹介。
「3 共生の社会と人間尊重」の節見出し下、「夫婦別姓をめぐって」の大見出し下、1頁にわたって紹介する。
  ④大人と子供の関係の在り方……なし
  ⑤個人の尊厳・男女平等に明確に比重がある
 ②③④⑤……「1 わたしたちと家族生活」の節見出し下、「家族のはたらきとその変化」の大見出し下「家族の役割」の小見出し→「家族のルール」の大見出し下、「家族と憲法・民法」「高齢社会」の小見出し……27頁から29頁、本文を全文引用
 ・「家族の役割」の小見出しの下、「家族は、結婚による夫婦の関係や、出生による親子の関係を基本に成り立っており、もっとも身近な、基礎的な社会集団である。わたしたちはその中でやすらぎを得、支え合い、成長し、社会生活に必要なルールの基本を身につけていく。わたしたちは、家族の一員として生まれね育てられてきた。
 かつて家族は、一家で家業をもりたてるという共同生産のはたらき、先祖代々の知恵をもとに生活のしかたなどを教える教育のはたらき、老人や病弱者を保護する生活保護のはたらきなどが大きかった。そのため、多くの人が住居と生活をともにする大家族もふつうに見られた。
しかし、社会の変化にともなって、家族のはたらきも大きく変わってきた。現在の核家族では、かつてのはたらきは職場、学校、社会保障制度などにかなりゆずりわたされ、家族のはたらきの中心は、愛情の交流や精神的やすらぎの確保と、子どもの養育などになってきている」(27頁)。
・「家族のルール」の大見出し下、「家族と憲法・民法」の小見出し下、
 「第二次世界大戦後、日本国憲法の成立にともない、民法が大改正され、社会や経済の状態も変化して、家族のありかたは、大きく変わった。
 日本国憲法は、『個人の尊厳』と『両性の本質的な平等』を家族生活の基本的な原則としている。そして、婚姻については『両性の合意のみにもとづいて』成立する、としている(憲法24条)。
 この考えにもとづき、民法では、家族生活についてのよりくわしい規定を定めている。基本的な考え方としては、家族は、個人個人との結びつきである夫婦を中心になり立ち、一人一人を個人として尊重するというものであり、性別や子どもの出生順位による権利の差は認めていない」(28頁)。
 ・「高齢社会」の小見出し下、「わが国は、世界でもほかに例のないほど高齢化の進行がはやい。そのため、家族だけではじゅうぶんな対応が難しく、老人のくらしに対する社会的な支援が必要となっているが、制度が完備していないのが現状である」(29頁)。
  次いでポイントを落として、「家族は個人の尊重、男女の平等が基本であり、そのはたらきは、愛情の交流や子どもの養育が中心である。高齢者の支援は、家族だけではなく、社会全体でもおこなうことが必要である」(29頁)。
 ⑥付録「男女共同参画社会」の扱い方……大コラム「家族の中の女性」の中の「男女共同参画社会をめざして」の小見出し(34頁)。
 ・「3 共生の社会と人間尊重」の節見出し下、「夫婦別姓をめぐって」の大見出し下、「男女の役割分担の見なおし」の小見出し下、単語有り。


○扶桑社
  ①社会(政治、経済以外)における家族の叙述の比重
    大(項)見出し、2頁
  ②家族の定義
  ③夫婦別姓……なし
  ④大人と子供の関係の在り方……なし
  ⑤個人の尊厳・男女平等、家族の一体性……両者にバランス
  ⑥付録「男女共同参画社会」の扱い方……「働く意義と労働環境」の大見出し下、単語(49頁)、「私たちの社会に潜む差別」の大(項)見出し下、単語(90頁)
 ②③④⑤「家族の意義を考えてみよう」の大(項)見出し下、「家族の役割」→「家族の縮小」→「家族と個人」の小見出し……本文を全文引用
 ・「家族の役割」の小見出し下、「今日、家族の危機や崩壊といわれる現象が起きている。これは、家族でいっしょに生活していても、個人の生活が優先され、個室で過ごしたり、食事時間もまちまちになって家族団らんの場がなくなり、単なる共同生活者となっているような状態が増えていることをさしている。また、結婚を望まない人や離婚する人が増加していることは、家族についての考え方が変化してきていることを示している。
家族は、人間にとって最も身近な社会であり、社会の基礎となる単位である。人間は家族の中に生まれ、協力し合いながら生活を営んでいく。大人は働くことによって家族の生活に必要な収入を得る。そして子どもの人格を育み、慣習と文化を伝え、ルールやマナーを身につけさせて社会に送り出す。子どもは成長すれば家族をつくり、新しい子どもを育てていく。また年老いた家族を支え介護することも、その責任である。
 家族は、こうした役割分担を通して、個人に社会的な立場と責任感をあたえ、社会を生活しやすい場にするはたらきを果たしている」(10頁)。
 ・「家族の縮小」の小見出し下、「時代や社会の変化を背景に、家族のあり方も大きく変化してきた。戦前に多かった大家族(子どもたちが結婚後も親と同居している形の家族――三世代世帯)は、都市部だけではなく、地方においても少なくなってきた。現代の家族で最も多いのは、夫婦と子どもからなる核家族世帯である。戦後の社会では、核家族化が進み、さらに子どもをもたない夫婦のみの世帯が増加する傾向にある。最近では核家族が世帯数に占める割合も、減少し始めている。
 こうした動きの中で、単身者からなる単独世帯が増加している。この背景には、結婚をしていない単身者や、独り暮らしの高齢者、離婚による単身者が増えたことなどが考えられる。現代の家族は、その形を多様にしつつ、構成員を少なくしている」(10~11頁)。
 ・「家族と個人」の小見出しの下、「憲法は家族生活における個人の尊厳と両性の本質的平等を定めている(24条)。戦前の家族制度では、祖先から子孫まで含めた『家』という集団の存続が重視された。それに対し、現在の憲法や民法は家族の一人ひとりを個人として尊重し、法の下で平等にあつかうことを明確にしている。
 他方で、個人の人格の形成には、家族というコミュニティー(共同社会)が大きな影響をあたえる。家族が個人の集まりでしかないと考えられたり、個人が家族より優先されるようになると、家族の一体感は失われるおそれがある。家族のきずなの弱まりは社会の基盤を揺るがしかねず、家族というコミュニティーを守ろうとする努力が必要である」(11頁)。
 ・「家事は無償の労働か」の小コラム(11頁)

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