軍事費GDP比2%を実現し、9条解釈を自衛戦力・交戦権肯定説へ転換せよ―――アメリカ大統領選挙の混乱を見て―――

 この4日間、アメリカ大統領選挙を気にし続けてきた。11月4日の夜には、トランプ大統領の勝利だと思って眠った。ところが、朝早く起きたら、ミシガンとウィスコンシンで突然バイデン氏の票だけが伸びて逆転していた。その後、バイデン票だけが異常に伸び続け、とりあえず、バイデン政権の誕生となる公算が高くなったようである。不正選挙が行われた感じであるが、裁判でその点をトランプ氏側が立証できなければ、民主党政権誕生となる。

 これは、日本にとって、ヤバいことである。バイデン勝利となると、アメリカでも日本でもポリティカル・コレクトネスと自虐史観が更に勢いを増すだろう。アメリカの自虐史観は、アメリカより悪い国として日本を位置付けたいという願望をアメリカ人の中に強めることになり、日本の自虐史観の復活拡大を後押しすることになるだろう。ドイツが韓国の反日思想に飛びついた構図と同じである。

 自衛戦力と交戦権を肯定せよ

 しかし、もっと短期的に、緊急に危ないのは、安全保障問題である。アメリカの混乱が続けば、ましてバイデン政権が誕生すれば、中国による侵略が現実のものになる危険性が格段に高まるからだ。私は、3年前、『自衛戦力と交戦権を肯定せよ』(自由社)を著し、9条②項を護持して自衛隊を警察として固定化し正式に交戦権を否定する安倍改憲構想を批判した。この中で、次のように書いた。

 ⅳの第二項護持改正策の怖ろしさ

 なお、安倍改憲案のような案でも一度「日本国憲法」改正を行えば、改正癖がついてプラスではないかという意見を聞く。だが、自虐史観の完全定着という歴史戦におけるマイナス面に目をつぶるとしても、安倍案を含むⅳ策は、時期的問題から言って、極めて危険な、国を滅ぼす道であることを指摘しておかねばならない。

 安倍改憲構想からすれば、前述のように、二〇一九年に改正「日本国憲法」公布、二〇二〇年に改正「日本国憲法」施行、二〇二一年に安倍首相退陣、というふうに流れていく。もしも、➀安倍首相が退陣した後の二〇二〇年代前半に中国による侵略があったらどうなるか。②その時、正式に「日本国憲法」改正によって軍隊を否定し交戦権を否定したばかりの日本が、侵略をはねのけられるであろうか。➂日本は戦うこともできず、屈服するのではないだろうか。④その時のアメリカ大統領が民主党出身であれば、なおさら、その公算が強くなるであろう。               97~98頁


 バイデン氏が勝つかもしれないという話を聞いて、この本の、この記述のことを思い出した。バイデン政権となれば、中国から資金を得てきたと言われるバイデンの政権は中国に強く出れないどころか、屈服するかもしれない。また、そのことよりも、民主党政権は中東関与政策を強めると言われるから、東アジアに構っておれなくなるだろうとも予想される。つまり、①の中国による侵略の危険は、④の実現によって一挙に高まるだろうと考えられるわけである。私が記した2020年代前半の中でも、2021年といった早期に、台湾か日本、あるいは両者を侵略する可能性が高まるように思われるのである。

 ②の安倍偽改憲は幸い実現していないが、現在の9条②項解釈では基本的に自衛隊は警察でしかないから、侵略があった時、戦うこともできず屈服する可能性はかなり高い(➂)。ただし、やはり、この本の中で指摘したように、本当に侵略が迫った危険な時には、「日本国憲法」という権威のない法に煩わされずに、国家として当然持っている自衛権を行使し、自衛隊を軍隊として使用することも可能となるかもしれない。その場合には、後からでも、9条2項の解釈を自衛戦力肯定説と交戦権肯定説に転換すればよいわけである。私は、3年前、同様のことを述べている。

  現状の「日本国憲法」がアメリカ人が作ったことは広く知られてしまっているから、いざ本当に危険な時には、「日本国憲法」など関係なく、国家として普通にやるべきこととされる国際標準のことをこなしていけるかもしれない。つまり、少ない可能性ではあるが、度胸があり弁舌能力の高い指導者が現れれば、危機的な状況において、第九条第二項を完全に無視するか、あるいは第九条第二項の解釈変更を行うことができるかもしれない。そうすれば、明確に有事に対応できよう。 92~93頁

 「度胸があり弁舌能力の高い指導者」と書いているが、もう一点、国家防衛の強い意志が必要である。菅首相には弁舌能力はないが、度胸は比較的ありそうである。三点目の国家防衛の強い意思があるかは、よくわからない。本質的にグローバリストだから、国家防衛に命をかけることは考えられないともいえる。

 いずれであれ、日本の権力の中心が、国民に対して、中国による侵略の危機が迫っていることに注意を喚起するとともに、国防のためには自衛戦力と交戦権が必要だということを大胆に訴えることが必要であろう。トランプ政権が続行する場合も、日本の本質的な危機は変わらないから、同じことが必要である。だから、

 自衛戦力と交戦権を肯定せよ

と日本政府に対して強く訴えるものである。

軍事費GDP比2%の実現、財政拡大路線へ転換せよ

  更に望みたいのは、軍事費の増加である。トランプ政権は軍事費GDP比2%の実現を同盟国に対して要求しているが、これを一つの目安として、少なくとも2%まで軍事費を増大させることを要求したい。うまく法制整備ができたとしても、予算があまりにも少なく撃つ弾がないとも言われる自衛隊は、その点でも中国軍に対して劣勢となっているからである。

 もう一点要求したいのは、財政拡大主義への転換である。経済に関してはよくわからないが、このまま緊縮財政を続けていたのでは各種生産能力を失うとともに、通貨発行権の能力も縮小し、其の果てには、せっかく持っている通貨発行権そのものを失っていくのではないか。緊縮財政主義により日本の生産諸力を縮小させてきた財務省の目的とは、意図していないだろうが、生産諸力の破壊と通貨発行権の喪失なのではないかとも思われるほどである。

 通貨発行権の問題はともかくとして、財政拡大主義への転換がなければ、軍事費増大は困難であろう。また、安全保障のためには、狭い意味の軍事費だけではなく、道路やダムなどインフラ整備のための予算拡大も必要であろう。そのためには、せっかく持っている通貨発行権を生かして、積極財政主義への転換が求められよう。


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