不正検定問題検討15――マゼランの出航地

 今回15回目は、欠陥箇所189番の件である。『新しい歴史教科書』は、単元31【ヨーロッパ人の世界進出】で、「④地球を二分しようとしたポルトガ ルとスペイン」という図を置き、マゼランの出航地をリスボンとしていた(105頁)。

 また、同じ頁で、「⑤ヨーロッパ人による新航路の開拓」という表を置き、 「1522 マゼラン(ス)」と記していたが、(ス)とはスペインのことである。

 つまり、全体としては、ポルトガルのリスボンからスペインのマゼランが出航したということになる。これでは生徒が誤解するではないかと考えたのであろうが、次のような指摘があり、欠陥箇所とされた。

 生徒が誤解するおそれのある図である。 (同ページ表「⑤ヨーロッパ人による新航路の開拓 (ス)はスペイン、(ポ)はポルトガル」中, 「1522 マゼラン(ス)」に照らして,マゼランの出港地を誤解する。)

 そこで、他社を検討してみると、自由社と同じく、スペインのマゼランがポルトガルのリスボンを出航地としたとしているのが、日本文教出版、教育出版、育鵬社と3社も存在した。3社のうち、日本文教出版にだけ検定意見が付いた。だが、教育出版と育鵬社には意見が付かなかったのである。

 これもダブルスタンダードであり、不当な検定と言えよう。

 なお、リスボンを出航地とするのは不正確なようだが、調査官はそのことを問題にしたのではない。あくまで、出航地と出航者の国が異なるから、「生徒が誤解するおそれ」があるとしたのである。


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