不正検定問題検討21――海軍軍縮の比率

 今回は、『教科書抹殺』が取り上げた100件の中から、欠陥箇所309番を取り上げる。

 『新しい歴史教科書』は、単元74【世界恐慌とその影響】で、囲み記事「⑧軍縮の時代」を置き、次のように記していた。

米英日の補助艦の比率が10:10:7に定められ     225頁

これに対して「不正確である。(日本の比率)」との指摘があり、欠陥箇所とされた。指摘は、日本の比率は6.975だからそのように端数を入れて書けということである。『教科書抹殺』によれば、高校の教科書や用語集でも「10:10:7」と書くのが一般的である(109~111頁)。中学校教科書に端数を求めるのはおかしな話である。

そこで、他社教科書の記述を調べてみた。すると、補助艦比率に触れているのは日本文教出版と帝国書院だけであった。

日本文教出版は、231頁の「⑦軍備縮小と平和への歩み」という表で、ロンドン海軍軍縮条約(1930年)について「補助艦(主力艦以外)の保有量の割合を米10、英10、日7と定めた」と記していた。自由社が記したものと全く同一の比率である。しかし、この記述に対して、意見は全く付かなかった。

  帝国書院も、216頁の「⓶第一次世界大戦開始から1930年までの動き」という年表で、1930年のところに「ロンドン軍縮会議」という項目を置き、その説明として「米・英・日の補助艦の保有制限が決まる(米10:英10:日7)」と記していた。この記述に対しても、意見は付いていない。ともかく、日本文教出版及び帝国書院との間で、明らかすぎるタブルスタンダードがあったと言えよう。
 
これまで多くのダブルスタンダードの例をみてきたが、自由社落としに対する執念が怖ろしいまでに感じられた。この言葉を以て、今回は終わりたい。

  転載自由


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント