政治に従う立場を復活させよ--文科省は自由社差別をやめよ

 育鵬社公民教科書の単元3「国民主権と天皇」を読む


 7月に入り、ようやく他社の公民教科書を読みだした。最初に育鵬社から読み始め、「第二章 私たちの生活と政治」の単元3「国民主権と天皇」まで読み進めた。ここで、気になった記述を見つけた。「国民としての自覚」との小見出しの下、育鵬社は、次のように述べている。


 近代日本の代表的な知識人の福沢諭吉は『学問のすすめ』の中で、「一身独立して一国独立す」とし、独立した個人こそが国を支えるもとであり、こうした人間がおおくなれば、国は栄えていくと説きました。
 民主政治が国民の声に導かれて進むものである以上、私たち国民は国に守られ、国の政治に従うだけではなく、主権者として政治を動かす力をもっていることを忘れてはなりません。同時に、憲法で保障された権利を行使するには、他人や社会への配慮が大切であり、権利や自由には必ず義務と責任がともなうとの認識も必要です。     42頁


 国民の「政治に従う」立場に関するダブルスタンダード

 この記述を見て、私は、『新しい公民教科書』の単元10「国家と私たち国民」の検定のことを思い出した。平成22年度検定を受けた現行版も今回の検定申請本も、『新しい公民教科書』はこの単元で➀「政治に参加する立場」②「政治に従う立場」➂「政治から利益を受ける立場」④「政治から自由な自主独立の立場」という4つの立場を書いていた。しかし、検定の結果、理由は全くわからないが、②「政治に従う立場」が削除されてしまった。

 にもかかわらず、育鵬社の上記記述を見てほしい。ここには、まず第一段落で④にあたることが書かれ、第二段落で「国に守られ、国の政治に従うだけではなく、……政治を動かす力をもっている」と書かれている。「国に守られ」は自由社の➂に当たるし、「政治を動かす力をもっている」は➀に当たるるし、「国の政治に従う」はストレートに②に当たる。

 ところが、育鵬社のこの単元には全く意見はつかず、自由社にだけ意見が付き、②「政治に従う立場」が削除されてしまったのである。明確にダブルスタンダードである。私は、今回の一連の事態の本質は保守派差別というよりも自由社差別だと何回か前の記事で指摘したが、その点がここにも表れているわけである。


 しかし、かかるダブルスタンダードは許されない。いや、それ以前に、国民の「政治に従う立場」を否定する検定は、不当であり、非常識極まりないものである。文科省は、『新しい公民教科書』に、「政治に従う立場」を復活させるべきであろう。


  転載自由




 

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