ケント・ギルバートら5名《上智学院理事長・上智大学学長あて通告書(8月28日付)(3)》

​★本日月刊『Hanada』11月号発売。「映画『主戦場』上智​大学腐敗の構造」という拙論が掲載されています。(藤岡信勝)

2 上智大学の責任

 (1)5名が出崎のインタビューに応じた根本理由は、本件映画が​上智大学という日本を代表する私学における学術研究であることを​信用した点にあります。出崎が、山本優美子へのメールにおいて「​これは学術研究でもあるため、一定の学術的基準と許容点を満たさ​なければならず、偏ったジャーナリズム的なものになることはあり​ません」(下線は引用者による)として示したように、「偏ったジ​ャーナリズム的なもの」になるのではないかという研究対象者の懸​念を「学術的基準と許容点を満たした」「学術研究」を偽装するこ​とで払拭しているのです。つまり、上智大学への社会的・学術的信​用を利用して、プロパガンダ映画が作成されたのです。もし、出崎​が正面から一人のジャーナリストとして取材を申し込んだのであれ​ば、当然ながら5名は「偏ったジャーナリズム的なもの」に利用さ​れることを警戒して、当然、インタビューを断ったであろうことは​明らかです。

 (2)学術研究が政治的・商業的・宗教的プロパガンダに利用され​るような事態を防ぐため、各大学は、研究倫理規定を設け、学術機​関の信用毀損を未然に防ぐ手立てを講じております。貴学において​も、研究倫理規定を定め、特に、今回の件のような聞き取り調査に​基づく研究については、研究対象者の権利を守るために「人を対象​とする研究」についての事前審査規定を定めておられます。ところ​が、出崎は、当該研究において、この審査を受けておりません。ど​のように優れた倫理規定を定めても、それを端から回避することが​容認されてしまっては、何の実効性もありません。出崎および出崎​の指導教官である中野晃一教授は、学術上の重大な倫理義務違反を​犯しているといえます。

 (3)中野教授は単にその指導学生が研究倫理上の問題行動を起こ​したことについて管理責任を問われているというだけではありませ​ん。中野教授は出崎の修了研究の単なる指導教官だったのではなく​、①みずから映画「主戦場」に登場し、しかも、一方に偏した重要​なコメントを最も長くほしいままに述べていること②製作過程でも​、藤岡信勝が承諾書のサインを拒否したことへの対応として、サイ​ンをとれなければ製作を続けることはできないと指示していたこと​③取材対象者を欺罔し誹謗する映画の問題点が指摘された後でも、​なんらその問題性を認識することなく「今になって騙されたなんだ​って言ってるけど、全部自分がしゃべっている話なんですね」など​との言辞を弄し、研究倫理上の問題性を省みなかったこと④さらに​、みずから商業映画の宣伝役まで買って出ていること⑤被害に遭っ​た5名を「顔も見たくない人たち」などと公の場で露骨に嫌悪の情​を示してののしっていること⑥指導教官なら院生のインタビューへ​の協力にまずは謝意を表するのが礼儀であるにもかかわらず、全く​そのような姿勢を示さず、逆に、してやったりの態度をとったこと​などを指摘できます。

 上記各事実を総合すると、上智大学大学院グローバル・スタディー​ズ研究科中野晃一教授は、単なる指導教官の域を超えて、当初から​研究対象者・協力者をペテンにかける不正な企みに積極的に加担し​、出崎の詐欺的行為を出崎と一体となって企画・推進したことが明​らかです。ここに事態の深刻さがあります。

 (4)かかる事情を鑑みれば、貴学には以下の責任があることが明​らかです。すなわち、①出崎が貴学の「人を対象とする研究」の審​査を受けずに作成した卒業研究を修士課程修了の要件として認定し​たこと②「人を対象とする研究」の事前審査を受審する義務につい​て、貴学の指導教官が意図的に懈怠したこと③出崎の修了研究につ​いてその共同制作者とも言える中野教授に、学術の名を騙った詐欺​行為を許した貴学の人事管理上の責任です。
 かかる詐欺的行為が、上智大学の研究手法として何ら問題のないも​のとみなされるのであれば、過去に築きあげられてきた学術研究機​関としての貴学の名声と信用は、根底から破壊されます。それは同​時に、貴学に籍を置き、真面目に研究活動に勤しむ他の同僚研究者​(院生・学部生を含む)の今後の学究活動に重大な障害をもたらす​ものと危惧されます。

 (5)被害者の藤岡信勝・藤木俊一・山本優美子の3名は、4月2​7日、貴学大学院グローバル・スタディーズ研究科の委員長あてに​問題の発生した経緯を説明するとともに、インタビューに訪れた3​名の元大学院生に関する質問状を送りました。ところが、委員長か​らはこれに対し、本人の文書による許可がなければ答えられないと​の返信が来ました。

 そこで、藤岡信勝は貴学の卒業生である山本優美子の協力のもとに​、研究倫理上問題のある事案の告発窓口である監査室に電話をし、​窓口担当者に30分ほど説明をしました。そして、貴学の責任者の​立場にある学長または研究倫理担当の副学長に説明するためのアポ​を求めました。その趣旨は、事態が悪化する前にこの件について、​学問の府である大学にふさわしい主体的な判断によるけじめをつけ​ていただくことを期待したからです。ことは上智大学の名誉にも深​く関わることです。ところが、当方への返事は、学長・副学長との​連絡がつかない、連絡はついたが検討中である、面会するかどうか​も検討中だ、いつまでに結論を出すかは答えられないなどの全く誠​意を疑われるような対応に終始しました。かくして、小職は、貴学​に対し、直接、本書によって問題の所在を知っていただくべく、本​書の送達に到った次第です。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント