千葉麗子『さよならパヨク』を読んで―――ヘイトスピーチ規制法は共産党の大勝利

 最近、千葉麗子『さよならパヨク』(青林堂)を読んだ。千葉氏の行動の振幅の大きさと行動力に驚かされたが、そのことよりも、共産党と「しばき隊」との関係性の深さに驚かされた。左翼マスコミ社会における注目株として、反原発運動→「しばき隊」→シールズという流れが存在することは何となく知っていたし、反原発運動やシールズの背後に共産党が存在することも何となく知っていた。

 だが、特に平成23(2011)年に育鵬社歴史教科書盗作事件が発生した関係上、この問題のトレースに追われた私は、平成18~23年度版中学校歴史教科書を中心にした各社教科書とにらめっこする日々を4年半も過ごしてきた。そのためもあり、私には、本書は新鮮なものだった。特に、ヘイトスピーチ規制法審議と重なったから、反ヘイトスピーチ運動を中心的に担ったとされる「しばき隊」に関する情報は興味深かった。

 まず、本書の目次を掲げよう。

第1章 さよならパヨク
 第Ⅰ部 福島への思いから街頭へ
 第Ⅱ部 さよならパヨク
第2章 パヨク しばき隊
第3章 ぱよぱよちーん
第4章 日本人として、母親として
特別対談 千葉麗子&はすみとしこ



 「パヨク」という言葉 

  本書の題名にもなっている「パヨク」という言葉は初めて聞くものであったが、すぐに劣化左翼の意味だということは語感から分かった。かつて「サヨク」という言葉が使われた時代があった。「サヨク」もある意味劣化左翼の意味合いがあったが、いい意味でも悪い意味でも軽い左翼を意味する言葉だった。それゆえ、「サヨク」は、重い、息苦しい左翼とは異なり、ある意味、その軽さからして開放的なプラスの意味合いも持っていたように思える。しかし、左翼の劣化はこの10年以上で更に進んだせいか、「パヨク」という言葉にはプラスの意味合いは全く存在しないようである。

反原発運動団体から「しばき隊」へ 

  それはともかく、本書の中で最も興味深かったのは、しばき隊(フルネームはレイシストをしばき隊、現在はC.R.A.C)について記した第2章である。第2章の最初、「しばき隊の中に見慣れた顔?」の小見出しの下、次のように記されている。

 平成25年の春、突如として現れたしばき隊(現C.R.A.C.)ですが、かなりの確率で、首都圏反原発連合のコアメンバーが、そのまましばき隊でもコアメンバーになったのではないかと思います。 (58頁)
 

 また、「同じマークを貼ったトラメガが……」の小見出しの下、次のように記されている。

 しばき隊が使っていたトラメガやその他機材が、首都圏反原発連合と同じだったりするのです。

 それを誰が用意し、持って行ったかを考えれば、首都圏反原発連合がそのまましばき隊になったと受け取られるのも当然です。……何よりそのマークのシールを貼ったトラメガを持って、首都圏反原発連合のコアメンバーが「原発やめろ」の時と同じく「差別やめろ」ってやっているのですから。 (60~61頁)


 このように、千葉氏によれば、首都圏反原発連合のメンバーがそのまま「しばき隊」になっていったという。そして、首都圏反原発連合と「しばき隊」の背後には日本共産党がいるという。「しばき隊NYを中心に考えるとわかりやすい」の小見出しの下、氏は次のように述べている。

 首都圏反原発連合が、結局中身は共産党、そして反原発に行き詰ったらしばき隊。今彼らをあらためて俯瞰して見てみると、共産党が黒幕(と言っても何もかもバレバレですが)というより、ある人物がこの動きの中心にいて、人を動かし、それを共産党が利用していると見た方がすっきりするように思います。 

 しばき隊リーダーのNYという人物は、首都圏反原発連合でもコアメンバーだったようですが、いずれ運動が頭打ちになると予測していたのか、次の目標を探っていたのかもしれません。
 (64頁)


 このNYという人物は有名人らしいからイニシャルでなくフルネームで表記してもよいと思われるが、ネットでいろいろ検索してみると、私の中では、その暴力性と主体性意識の強さからして、1960年代末に活躍した日本共産党の暴力部隊を指揮した宮崎学氏とイメージ的に重なるものがある。両者とも共産党のために暴力的に働き、共産党に使われながらも共産党から精神的に自立しているという感じを受けたからである。

 反原発、反安保、反ヘイトの3つの運動の中心に共産党がいる 

  NY氏への人物評はともかくとして、さて、上記引用文のある64頁の左にある65頁には、反原発、反安保、反ヘイト、の3つの運動の中心にNY及び共産党がいることを示す図が描かれている。この2章と3章を読むと、共産党が3つの運動の中心にいることがよくわかる。共産党は、暴力革命を捨てているかいないかは分からないが、戦前から一貫しているのは外国勢力を引き入れて日本を解体しようとするところである。日本解体にとって、「外国人様」を日本国民の上に位置づけ、日本国民を被差別民化する今回の「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」ほど、強力な武器はないといえよう。

ヘイトスピーチ規制問題は安全保障問題である 

  ともかく、本書によって、共産党が日本破壊活動の一環として3つの運動を推進してきたことが良く分かった。反原発はまだ自然発生的な面も大きくあるが、後の二つは完全に共産党によって仕掛けられたものだと捉えられよう。反安保の星だったシールズも、反ヘイトの「レイシストをしばき隊」も、共産党が作ったものであることがよくわかる。反ヘイト運動というのは、反安保運動とともに、中韓の勢力を引きいれて日本を破壊(=革命)しようとする共産党の破壊活動の重要な一翼を担うものであるということである。つまり、反ヘイト問題とは安全保障問題又は治安問題だということである。

 というようなことを、この本を読んで強烈に感じた。共産党の池内さおり氏、民進党の有田芳生氏といった現職の国会議員が「しばき隊」に加担していることも、本書に触れられている。

 ヘイト問題というのは安全保障問題及び治安問題であるということは、以下に掲げる「坂東忠信 太陽にほえたい!」の記事を読むと良く分かる。

 http://s.ameblo.jp/japangard/entry-12160898719.html

 ところが、間違いなく、ヘイトスピーチ規制法が法律として成立する。しかも自民党の「保守」系議員が主導して成立する。これからは「外国人様」は日本人に対してどのようにヘイト(憎悪)を込めた表現を行おうと許される。そして外国人犯罪の増加につながろう。同じように、有田氏や池内氏のような反日日本人による日本人に対するヘイト表現も放置されていくことになる。

 安倍政権は、共産党や有田氏に完敗したのである。恐らく、完敗とは思っていないのだろうが。

18歳投票権で9条改憲は困難となる

 ヘイト問題との絡みでの本書に対する感想は以上であるが、憲法改正問題又は九条問題との絡みでは、第4章の「SEALDsと18歳投票」の部分が興味深かった。千葉氏は次のように述べている。長くなるが、引用しておこう。

 SEALDs福岡の大学生が「もし中国や韓国が攻めてくるなら、僕が九州の玄関口で、とことん話して、酒を飲んで、遊んで食い止めます。それが本当の抑止力でしょう?」とツイッターで発言し、話題になったことがあります。本気で言っているのかと笑う大人も多かったのですが、私は笑い事ではないと思います。

 若い頃というのは誰でも理想に走りやすく、一見平和と感じる言葉に酔いしれるものです。この発言を笑う前に、「素敵だ」「格好いい」と思って聞いている若者がいるかもしれないということを考えておく必要があります。

 そして平成28年夏の参議院選挙から投票が18歳以上になります。20代の若者ですら理想に流されやすいのに、10代ともなるとなおのことだと思います。教師など身近な大人から受ける影響も大きいので、親は自分の子どもが学校でどんなことを教わっているかをきちんと把握しておく必要があります。教師がパヨクだった場合、その子を守るのは親にしかできません


 SEALDs福岡の学生の言葉は、私も笑い事ではないと思う。話し合えばすべては平和に丸く収まる、日本さえ悪いことをしなければ世界、特にアジアは平和なのだという世界観は、歴史教育、いやそれ以上に公民教育で日本の児童、生徒、学生に叩き込まれてきた。優等生ほど、このお花畑世界観に染まって大人になっていく(拙著『安部談話と歴史・公民教科書』自由社、その他)。大人になって現実の社会に触れれば、ある程度このお花畑世界観から脱却していくが、18歳という年齢では、学校教育で叩き込まれたお花畑世界観は完全に生き残っている。

 このお花畑世界観からすれば、「日本の心」や自民党は支持できない政党となる。新たに投票権を得る18歳から20歳の人たちの票は、民進党や公明党、社民党、共産党といった「護憲」派に流れる公算が高いのではないだろうか。

 振り返れば、2年前の衆院解散選挙以来、安倍首相は、九条改正及び安全保障の目的のためだとして、歴史観や国家の名誉にかかわる問題を犠牲にして(次世代の党を壊滅させた衆院解散の断行、学び舎検定合格、日韓合意、ヘイトスピーチ規制法制定その他)きたけれども、衆参両院で3分の2をとることができなくなるのではないか。仮に3分の2をとれたとしても、九条改正は国民投票で否決されるのではないだろうか。いや、その前に改憲案を詰めていく中で公明党その他に譲歩に譲歩を重ね、九条改正以外はとんでもない条項が並ぶ「日本国憲法」改正案が作られていくのではないか。

  ともあれ、既に読まれているかもしれないが、本書を特に自民党幹部諸氏に、そして安倍首相にお勧めするものである。


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