育鵬社の出鱈目証拠乙45号の作り方(2)「47湾岸戦争」のケース

 前回記事では、「45 ベトナム戦争」のケースを取り上げ、大幅削除の例を紹介した。大幅削除の例は他にもあるけれども、今回は、逆のケース、即ち入れてはいけないものを盛ったケースを紹介しよう。その例としては、「47 湾岸戦争」のケースがある。

 「47 湾岸戦争」のケースでは、被告側は、扶桑社版2つと育鵬社を除く延べ22社分のうち8社に湾岸戦争の記述があるという形で、乙45号証を作成していた。其の8社を挙げれば、平成8年版の帝国書院と日本書籍及び清水書院、平成13年版の教育出版と日本書籍、平成17年版の教育出版、平成23年版の東京書籍と教育出版である。

 しかし、ここには盛っていけないものが何点か盛られている。まず、「47 湾岸戦争」のケースだけではないが、平成23年版の2社は入れてはいけないものである。なぜなら、焦点である扶桑社平成17年版の創作性を判断するのに23年版の教科書記述を云々するのは不公正だからである。

  湾岸戦争を扱っていない教科書を入れる出鱈目

 次いで、平成8年版の帝国書院は入れるべきではない。帝国書院は、第9章2節単元3【現代の世界】の「あらたな世界秩序への模索」の下、「1990年のイラクによるクウェートヘの武力侵攻のようなできごとや各地の民族紛争はあとを絶ちません。」とのみ記していた。湾岸戦争の前段のことは記していても、湾岸戦争自体については全く触れていない。それゆえ、本来は斜線を引くべき教科書である。ところが、ともかく湾岸戦争に触れている教科書の数を増やそうと、無理やり入れ込んでいるのである。

 写真キャプションを入れる

 さらにひどいのが、平成8年の清水書院の例である。清水書院は、第10章3節単元【世界と日本の課題】で「多発する民族紛争」の小見出しの下、単元本文では次のように記すだけであった。

 1991年、イラクと多国籍軍とのあいだに湾岸戦争がおこったが、その原因は、イラクが石油資源にからむ領土の拡張をめざしてクウェートに侵攻したことにあった。


 余りにも簡単な記述なので、育鵬社は、本来入れてはならない次のキャプションを入れることにした。

〔キャプシヨン〕イラクのクウェート侵略に対し、1991年、国連決議に従った多国籍軍(アメリカ軍中心)がイラクを敗北させた。高度な科学兵器が使われた現代戦争であった。


 何とも一貫しない出鱈目な態度である。前回取り上げた「45 ベトナム戦争」のケースでは、「枯葉剤による被害」というキャプションを取り上げなかったのに対し、ここでは「湾岸戦争」という写真のキャプションとして上記文章を引用しているのである。本当にダブルスタンダードもいいところである。


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