「日本国憲法」二題--民主党綱領、橋下氏の96条改正意見

  民主党の全体主義的な「日本国憲法」観

 
  2月24日、民主党大会で、綱領が決定された。綱領の[私たちの目指すもの]では4つの項目が挙げられている。すなわち、「一 共生社会をつくる」「二 正義と公正を貫く」「三 憲法の基本精神を具現化する」「国民とともに歩む」という四項目である。
  
  「三 憲法の基本精神を具現化する」の部分の文章は、以下のように記されている。
  
  私たちは、日本国憲法が掲げる「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義」の基本精神を具現化する。②象徴天皇制のもと、自由と民主主義に立脚した真の立憲主義を確立するため、国民とともに未来志向の憲法を構想していく。

  番号と下線は私が付したものであるが、何度も言ってきたように、①文は虚偽の記述である。本来、 「日本国憲法」の原則は決して国民主権他の三原則だけではない。権威と権力の分離、三権分立といった立憲主義的なものも、「日本国憲法」の原則として挙げなければならない。わざわざ三原則だけを「日本国憲法」の原則と捉えているのは、民主党の全体主義的な思想傾向を現わすものであろう。
http://tamatsunemi.at.webry.info/201004/article_7.html


  ②文は、「象徴天皇制」はいただけないが、これを除くと、まともなことを言っているといえる。しかし、自由と民主主義の矛盾を自覚しているのであろうか。

  そして、①文と②文との関係であるが、両者の矛盾に気付いてるのであろうか。すなわち、全体主義的民主主義を目指す①文の思想と、そうでもない②文の思想との矛盾に民主党は気付いているのであろうか。

  要するに、民主党は、自由主義・立憲主義と民主主義との矛盾に無自覚すぎるのではないだろうか。両者の矛盾に無自覚な例は、民主党だけではなく、これまで見てきた教科書調査官の態度でもあった。

  更に述べるならば、「自由と民主主義に立脚した真の立憲主義を確立する」には、象徴天皇をいただくだけでは無理だということである。権威としての天皇をいただく形であって初めて、自由と民主主義のバランスを取ることができると強調しておこう。つまり、象徴天皇制ではなく、立憲君主制のもとで初めて「自由と民主主義に立脚した真の立憲主義を確立」できるのではないだろうか。

    「日本国憲法」96条改正よりも、占領下の憲法改正禁止条項を

  同日、日本維新の会共同代表の橋下徹氏は、まず、「日本国憲法」96条を改正して、「日本国憲法」改正の発議要件を緩和することを目指すとの考えを明らかにしたという。これは、安倍首相の方針に賛成するものである。

  しかし、発議要件の改正であっても、「日本国憲法」を改正するということは、国内法的にも国際法的にも違法な作られ方をした「日本国憲法」に正当性を与えることになるので、やってはいけないことである。

  最近、日本人は憲法改正を出来るだけのレベルに達していないのではないかとよく思う。憲法改正を行うレベルに達するには、国家論の学習と歴史の回復が何としても必要であると良く思う。

  国家論の学習と歴史の回復が出来て憲法改正を行うレベルに達したならば、無効論の方式で新憲法をつくるべきである。仮に、「日本国憲法」改正方式をとらざるを得なくなったとしても、一番大事なことは、「日本国憲法」の作られ方が違法であったこと、今後同じような作り方をしてはいけないことを新しい憲法の中で明示することである。具体的には、前文で「日本国憲法」成立過程の違法性をうたうこと、被占領下での憲法改正を禁止する条項を入れること、この二点が必要である。特に後者が必要である。でなければ、例えば中国との戦争に敗れたときに再び憲法を押し付けられることを防げないであろう。

  また、上記二点の一つでもなければ、これまで行われてきた「日本国憲法」成立過程の正当化が今後も行われ続けることになる。そして、いかがわしい「日本国憲法」成立過程を正当化するために戦前の日本国家に対する不当な評価が継続することになろう。歴史教育の再建ということを橋下氏や安倍氏は言い続けてきた。しかし、「日本国憲法」改正方式を唱え、更には被占領下での憲法改正を禁止する条項さえも入れないということになれば、歴史教育の再建など不可能になっていくのではないだろうか。

  安倍氏や橋下氏に望む。せめて、被占領下での憲法改正を禁止する条項こそを第一に主張されよ。

転載自由


  

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