平成24公民教科書資料Ⅱ(5)戦前日本の位置づけと東アジア共同体構想

         Ⅱ、国家主権

          (5)戦前日本の位置づけと東アジア共同体構想


   国際社会の競争的側面を無視する公民教科書は、国家防衛という意識を生徒に抱かせないために、戦前日本を悪者として描く。そればかりか、東アジア共同体構想を紹介している教科書さえ存在する。国家主権を中国に譲り渡していくお先棒を担ごうとしているのである。

   以下、7社の記述を掲げておこう。


○分析項目
 ①戦前日本の位置づけ
 ②東アジア共同体の構想

 
○東京書籍
①戦前日本の位置づけ……第5章2節、単元「5 世界の中の日本」の下、「近隣諸国との関係」の小見出し下、「東アジア諸国との関係では、東アジアでEUのような共同体を構築するという東アジア共同体の構想を打ち出すなど、関係強化を進めています。その際、日本が過去に植民地支配を行い、東アジアや東南アジアにたえがたい苦しみをもたらしたことを忘れてはなりません」(171頁)。
②東アジア共同体の構想……第5章1節単元「4 地域主義の動き」下、有り(155頁)

○日本文教出版
①戦前日本の位置づけ……国際社会編では特になし。
・国内政治編では、第2編第1章3節下、「侵略」云々。
②特になし

○教育出版
①戦前日本の位置づけ……否定的
 第6章3節単元1「日本が世界にできること 日本の国際貢献」下、「アジアの一員として」の小見出し下、「かつて日本とアジアの国々との間では、戰爭という不幸なできごとが生じました。戦争によって、日本がアジアの人々にもたらした被害については、深く反省し、今後も引き続き、近隣諸国との良好な関係を強めていく必要があります。これまでにも、特にアジアの国々に対しては、大規模な経済援助を提供してきました。2005年に起きた、インドネシア・スマトラ沖での大規模地震後の津波被害や、2008年の中国・四川大地震の際にも、積極的に支援活動を行いました。日本のこうした支援は、国際社会で評価されています。
 一方で、さらに日本の国際貢献を求める声もあります。核廃絶に向けて、より強いリーダーシップを発揮していくことや、経済や技術、教育などの分野で、現地の人々の立場に立って協力すること、国連のPKOへの参加など、世界の平和と安定に向けた、幅広い日本の活動が今後も期待されています」(203頁)
 ・側注②「1995年に、当時の村山首相による談話などで、日本政府として公式に謝罪を行ったのも、このような考え方によるものです。しかし、戦争時に日本の軍や企業による行為で被害を受けた人々からは、現在でも補償を求める動きが続いています」(203頁)。
②第6章2節単元3「結びつきを強める国際社会」下、「アジアにおける地域統合と日本」の小見出し下、「一方で、日本と中国、韓国との間では、貿易面でのつながりが強まるなか、3か国による首脳会談も定期的に行われるようになってきています」(199頁)。
 ・その側注で「②『東アジア共同体』設立への提案はありますが、東アジア各国の政治体制や、経済発展の段階に差があること、主導権を争う日本と中国との間で考え方に違いがあること、などの指摘があります」(199頁)。

○清水書院
①戦前日本の位置づけ……
第3章1節単元3「世界平和と日本の役割」の下、「諸外国との友好」の小見出し下、
「日本は、アジア諸国との関係においては、戰爭や植民地支配といった歴史的事実を謙虚に受けとめることが求められてきた。隣国の大韓民国(韓国)とは、長い交渉のすえ日韓基本条約……。しかし、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)とは国交がなく、日本人の拉致問題など未解決の課題もあり、国交正常化が難航している」(90頁)。
 ・側注①「1998年の日韓共同宣言において、日本の首相は、過去における日本の植民地支配に対し、『痛切な反省と心からのお詫び』を述べた。韓国大統領はこれを評価し、両国が『未来志向的な関係を発展させる』よう努力すべきとした」(90頁)。
②東アジア共同体の構想……第3章1節単元3「世界平和と日本の役割」の下、「東アジアの一員として」の小見出し下、「世界的な不況がつづくなか、シベリアなど極東ロシアもふくめた東アジアを大きな共同体として、資源や市場、技術や労働力を活用しあい、ともに繁栄と平和をきずく道がさぐられている。日本には、東アジアの一員として、そのための新たな役割と努力が期待されている」(91頁)。

○帝国書院
①戦前日本の位置づけ
第4部第1章「⑦国際社会における日本の役割」の単元見出し下、「日本の国際協力」の小見出し下、
 「国際平和を実現するために、日本はどのような役割をはたせばよいのでしょう。第二次世界大戦の悲惨な経験から学んで、戦後の日本では、軍事力にたよるのではなく、国際協力によって信頼できる国際関係をつくっていこうという考えが強くなりました。外交では、世界各国との合意を大切にする多国間協力と国連重視、武力にたよらない貢献をめざす非軍事協力という三つの原則をかかげています。防衛については、アメリカとの間で日米安全保障条約を結びました。
 しかし、世界では今も紛争が続いています。そこで日本は、紛争の犠牲となった人々が安心できる平和と安定した暮らしを取りもどせるように人間の暮らしから安全保障を考える人間の安全保障を目標にかかげて支援を行ってきました。カンボジアやイラクなどでは、復興支援のために自衛隊も派遣しています。また、政府だけでなく民間による支援も行われています。こうした努力によって、日本は、かつては日本が占領した東南アジア諸国などをふくめ、世界各国から信頼されるようになってきました。」(184~185頁)。
②特になし


○育鵬社
①戦前日本の位置づけ……特になし
②東アジア共同体構想……なし

○自由社
①戦前日本の位置づけ……特に悪くない
②東アジア共同体の構想……なし

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