平成24公民教科書資料Ⅰ(3)男女共同参画社会の書き方

               Ⅰ、共同社会

           (3)男女共同参画社会の書き方


   この部分に関しては、育鵬社は、検定意見を受けてかなり修正させられた。自由社は、原形をとどめないほどに全面修正させられた。保守派の考え方が最も否定される部分かもしれない。


○分析項目
  ①女権論的すぎないか……家事育児を社会的活動よりも低く見ていないか
  ②男女の違いを否定していないか
  ③扱い方……分量・小見出しなど


○東京書籍
①第2章2節「人権と共生社会」下、単元2「平等権と共生社会」下、「男女平等をめざして」の小見出し下、「女性差別はなかなかなくなりません。『男性は仕事、女性は家事と育児』という固定した性別役割分担の考えがまだ残っています。仕事では、採用や昇給、昇進などで男性よりも不利にあつかわれがちです。性的ないやがらせ(セクシュアル・ハラスメント)もなくなりません。女性は、実際に家事や育児、介護を引き受けることが多く、そのため社会に出ていくことが難しくなっています。
 女性差別をなくすために、1,985年に男女雇用機会均等法が、1999年には男女共同参画社会基本法がそれぞれ制定され、女性が男性と対等に参加し活動できる社会をつくることが求められています。そのためには、育児休業や保育所の整備など、女性が働きやすい環境を整えていくことが必要です。また、管理職や専門職についている女性の割合を高めていくことも必要です」(44頁)
  *前回は、「女性が男性と対等に参加し活動できる社会……」以下の部分は、「男女の区別なく、個人として能力を生かすことができる社会づくりが進んできています。男女共同参画社会の実現には、保育サービスの多様化、子育てや介護のための休暇制度の充実など、仕事と子育て・介護が両立できる環境づくりが必要になっています。
 わたしたち一人ひとりにも、性別にとらわれない生き方が求められています」(31頁)となっていた。

○日本文教出版
①②第2編第1章2節単元「3 等しく生きる権利①」下、「男女共同参画社会をめざして」の小見出し下、「わが国は、1985年に女子差別撤廃条約を批准し、女性差別をなくす取り組みをしてきました。しかし、管理職や専門職についている女性の割合や、女性議員など、国や地方公共団体の政策決定にかかわっている女性の割合は、世界的にみても、いちじるしく低い水準にとどまっています。
 わが国には、『男性は外で働き、女性は家庭を守る』という、男女の固定的な役割分担意識が根強く残っています。そのため、女性が社会で能力を生かそうと思っても、家事や育児や介護などの家庭生活との両立が女性の社会参加をさまたげています。そこで、1999年に男女共同参画社会基本法が制定されました。これは、男女がともに、家庭生活を含めたあらゆる分野で責任を担い協力する社会(男女共同参画社会)をつくろうとするものです。性別にかかわらず、その個性と能力が発揮される社会が求められています」(50~51頁)。
①家事育児の意義を全く考えていない
②男女の違いに対する配慮なし
③「男女共同参画社会をめざして」の小見出し下、15行


○教育出版
  ①女権論的すぎないか……
  ②男女の違いを否定していないか
  ③扱い方……小見出しなし、3行
第2章2節単元3「法の下の平等とは 平等権」の下、「男女の平等」の小見出し下、「職場や地域社会で女性が活躍し、役割を果たすのは当然のことです。しかし、『男性は仕事、女性は家事・育児』という考え方が、根強く存在していることもあって、女性が社会で活躍するうえで難しい面も残っています。1979年に、国連で女子差別撤廃条約が採択されたことを受けて、日本でも、1985年に男女雇用機会均等法が制定されました。……女性にとっても男性にとっても働きやすい、職場内のこうした環境整備が重要です。さらに、1999年に制定された男女共同参画社会基本法は、家庭や地域などの社会のあらゆる場面で、男女がともに責任をもって役割を担っていくことを求めています。」(44~45頁)

○清水書院……
  ①女権論的すぎないか……家事育児を社会的活動よりも低く見ていないか
  ②男女の違いを否定していないか
  ③扱い方……分量・小見出しなど
第1章第2節単元3「平等権(1)」下、「男女の平等」の小見出し下、「国は男女雇用機会均等法や育児・介護休業法などを制定し、女性への差別の解消に努力してきた。しかし、現実には就職の機会や職種・賃金・昇進などにおいて、男女のあいだには格差がある。家庭でも、女性が家事や育児、介護などの負担をになうばあいが多く、しごととの両立に悩む人もいる。
男女共同参画社会基本法では、職業だけでなく、家庭生活においても男女が協力しあい、性別にかかわらず個性や能力を発揮して、ともに活躍できる社会がめざされている。」(37頁)

帝国書院……
①②③……単元5「平等権について考えよう」下、「男女平等はいま」の小見出し下、
「これまで男性の職場と考えられていたところにも女性が進出し、現在では働く人の約4割が女性です。職場での男女平等を実現するために、1986(昭和61)年には男女雇用機会均等法が施行されました。この当時は差別をなくす努力を求めるだけでしたが、97(平成9)年の改正によって、募集や採用、昇進などにおいて男女を差別することは禁止されました。さらに、社会のあらゆる活動に男女が共に参加し、責任を担う社会をめざして、99年に男女共同参画基本法が施行されました。
しかし、不況になると女性が男性より就職で不利に扱われることがあるなど、実質的な平等の実現にはいまだに課題が残されています。男女には性別によって仕事の能力などに差があるわけではありません。立法にとどまらず、積極的に平等の実現をはかっていく必要があります」(43頁)。

○育鵬社
  ①女権論的すぎないか……家事育児を社会的活動よりも低く見ていない
  ②男女の違いを否定していないか……否定していない。
                 ただし、明確にそうだとはいえない。
  ③扱い方……大コラム下、0.8頁ほど
第2章第2節単元1「平等権」下、「男女の平等」の小見出し下、「今日では男女雇用機会均等法や育児・介護休業法、男女共同参画社会基本法に見られるように、男女の役割分担をこえ、個人の能力に基づいて自己を生かしていこうとする傾向が見られます。
 しかし、同時に男女の性差を認めた上で、それぞれの役割を尊重しようとする態度も大切です。」(53頁)。
 側注①「2005(平成17)年12月に閣議決定された男女共同参画基本計画(第2次)では、『「ジェンダー・フリー」という用語を使用して、性差を否定したり、男らしさ、女らしさや男女の区別をなくして人間の中性化を目指すこと、また、家族やひな祭り等の伝統文化を否定することは、国民が求める男女共同参画社会とは異なる。』と明記されました。
『ジェンダー・フリー』という用語は、性差には遺伝的・生物学的な性別以外に、歴史的に形成された社会的・文化的な性別(gender)があると考え、それからの解放をめざすという意味で、日本では使われています」(53頁)。
・「男女の平等と家族の価値」の大コラム下、「男女共同参画社会の課題」の小見出し下、
 「日本では男女の地位に関してはまだまだ平等と思われていない部分があります。この原因の主要なひとつが、社会的・文化的に形成されてきた性別(ジェンダー)に基づいた役割分担意識であるといわれています。
 急激に進む少子高齢社会に対応するためにも、女性の労働力が注目されてきています。そのため、男女共同参画の必要性は強く意識されてきており、多くの自治体では、これを進めるための条例や制度を整備しています。
 一方で、これらの条例に対して『性差と男女差別を混同し、男らしさ・女らしさや日本の伝統的な価値観まで否定している』『女性の社会進出を強調するあまり、とにかく働くべきだという考えをおしつけ、子育てなどで社会に貢献している専業主婦の役割を軽視している』という反対の声も上がっています。」(54頁)
・同大コラム下、「はきちがえられた男女共同参画」(54頁)

○自由社
  ①女権論的すぎないか……家事育児を社会的活動よりも低く見ていない
  ②男女の違いを否定していないか……否定していない。
              ただし、明確にそうだとも言えない。
  ③扱い方……分量・小見出しなど
「もっと知りたい 男女共同参画社会を考えよう」の大コラム下、2頁(26~27頁)
同大コラム下、「豊かな社会生活をめざして」の小見出し下、「ところが、『男の子には青系、女の子には赤系の服』『桃の節句は女の子の祭り、端午の節句は男の子の祭り』『男らしさ・女らしさ』などの例は、人間が社会的、文化的、歴史的につくり出した性差(ジェンダー)であって廃止していかなければならないという主張がある。
 その考え方によって入口の男女の識別色を同じ色にしたトイレが出現したこともある。
 男女共同参画社会とは、このような男女のちがいをいっさい無視して、男女を画一的に取り扱うことを目指すものではない。子供が生まれるのには、男女は生物的に異なる役割をはたす。
 また、近年では脳科学の研究が進み、脳の構造やはたらきの一部に男女のちがいがあることが分かってきた。
 男女にはこのように生物的なちがいはあるけれども、しかしそのことが、社会生活において男女のちがった生き方を押しつける根拠にはならない。男女共同参画社会とは、この
ような男女のちがいとはかかわりなく、男女が互いに個人として尊重され、平等に参画する社会のことである。男女はたがいにちがいを認めて、尊重し合い、協調して、両性ともに平等な社会生活をしていかなければならない。
 男女はたがいに理解し合い、支え合い、助け合うことにより、たがいにより豊かな充実した人生を送ることができるのではないだろうか。」(27頁)。



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