平成24公民教科書資料Ⅰ(1)宗教

       Ⅰ、共同社会

  公民教科書については、まずは、Ⅰ、共同社会を維持する思想から書かれているか、破壊していく思想から書かれているか、という問題に関連する比較資料をまとめていきたい。

  戦後60年間以上の公民教科書を追いかけてきた私の感覚からすれば、昭和20年代には国家という共同社会が破壊された。そして、30年ほど前から家族の破壊が進行してきた。今回、一挙に家族に関する教育が、地域社会に関する教育に続いて、かなりの教科書でなくなってしまった。公民教科書上で、国家、地域社会、家族という共同社会の思想が破壊され続けてきたのである。この破壊の進行は、学習指導要領で家族と地域社会が消えたことに由来する。つまり、単に左翼的な教科書執筆者が共同社会を破壊してきたのではなく、文科省もある程度グルになっているのである。何とも、恐ろしい事態が進行していることに留意されたい。まずは、新学習指導要領で重視された宗教に関する記述から見ていこう。
                         
                      (1)宗教

  清水書院以外は、すべて宗教について記した。30年間もの間、宗教教育が消えていたから、まずは評価しておきたい。しかし、日本の民族信仰である神道を紹介しない教科書も3社ある。ここにも、昭和20年代以来の反日主義が現れているとみなすこともできよう。


○分析項目
  ①分量
  ②三大宗教、仏教、キリスト教、イスラム教他の扱い方
  ③神道


東京書籍……
①第1章2節単元「1 現代社会における文化の意義」下、「科学・宗教・芸術」の小見出し下、4行(15頁)
②同小見出し下、「一方、人間は日々の生活の中でなやみや不安をかかえて生きています。そのような不安からのがれ、心のいやしを願い、生きる意味を求めて、神や仏などの聖なるものへの信仰を生み出してきました。それが宗教です」(15頁)
  ・第5章2節「国際問題とわたしたち」下、「1 文化の多様性」下、「宗教の多様性」下「世界には、キリスト教、イスラム教、仏教の三大宗教のほか、ヒンドゥー教、ユダヤ教などのさまざまな宗教が信仰されています」(163頁)ぐらい
③神道出てこず

○日本文教出版
①分量……「世界の宗教」の大コラム下、1頁(18頁)、国際編で2頁
②三大宗教について簡単に説明する(18頁)
③神道出てはくる(18頁)
「第4編 現代の国際社会」下、単元6「現代世界の政治と宗教」の中で、次のような形で宗教が出てくる。
 ・「現代世界の政治と宗教」の小見出しの下、「世界では、宗教が政治と密接に結びついている国が多くあります。キリスト教徒の多いヨーロッパやアメリカの国々では、「聖書」の教えや教会の活動が人々の日常生活に深く入り込んでいます。イスラム教が信仰される国々では、教典である『クルアーン(コーラン)』の教えが生活の重要な規範で、政治・経済などの国の活動もイスラム教の教えにのっとって行われます。
 宗教は、さまざまな問題をかかえる人間の心に安心をあたえます。歴史的にも、社会福祉に大きな役割を果たしています。いっぽうで、ある一つの宗教的な価値観や正義感を信じることが、ほかの宗教を受け入れない原因になることがあります。こうして、現代の世界では、宗教が、国内あるいは国際政治に大きな影響をあたえる原因の一つになっています」(194~195頁)。

○教育出版……
①②③第1章2節、単元「2 芸術・宗教のもつ力」下、「日本人の宗教観と宗教の持つ意味」の小見出し下、1頁と3行。
「日本では、古くから自然崇拝(アニミズム)や祖先信仰が、神道や仏教などと結びつきながら、暮らしのなかで大切にされてきました。一方で、現代の日本人のなかには、自分の宗教をあまり気にしない人もいて、宗教とのかかわりの深さは、個人によってさまざまです。現代の日本の年中行事やさまざまな儀式をみても、伝統的に行われてきた初詣やお盆の墓参りなどに加え、クリスマスや教会での結婚式など、外国の宗教の影響を受けているのが広まっています。宗教の多様性を認める、日本人の寛容な宗教観の一つの表れともいえます。
 世界にはさまざまな宗教があり、信仰する人々にとっては、生きていくうえでの指針や心の支えになっています。このため、宗教は人々の考え方や行動、さらには社会のあり方にまで大きな影響を及ぼします。……」(16~17頁)。
・第6章「国際社会に生きるわたしたち」の1節「国際社会が抱える課題」下、単元「4 多様性のなかで生きる」の下、「多様な考え方が支える社会」の小見出し下、5行。
特に宗教は、人間の力や自然の力を超えた存在を信じ、それを敬うことで、救いや幸福を得ようという信仰のことで、人々の暮らしに深く根ざしています。そのため、人々の生き方や、社会の変化・発展にも大きな影響を与え、国のあり方や政治とも深くかかわっています」(186頁)。
②なし

○清水書院……出てこず

○帝国書院
 ①分量……第1部2章単元2「私たちの生活と文化(2)」下、「私たちと宗教」→「異なる文化の理解」の小見出し下、1単元2頁(16~17頁)
  ②三大宗教、仏教、キリスト教、イスラム教他の扱い方……単語のみ出てくる(16頁)
 ③神道……なし

○育鵬社 
 ①分量……第1章で小見出し下、11行。第5章で2頁
  ②三大宗教、仏教、キリスト教、イスラム教他の扱い方
  第5章第1節大コラム「現代の国際社会と宗教」で、「世界の三大宗教」の小見出し下、ほぼ単語のみ。(174頁)
③神道……有り(8頁)
第1章第1節単元1「文化の意義と影響」下、「私たちの生活と宗教」の小見出し下、「宗教も文化の中で大切な位置を占めています。日本人の多くは、子どもが生まれると無事の成長を願って神社にお宮参りをし、宗教的行事として葬式を行うなど、人生の節目で、神道や仏教と深くかかわりをもつ独特な儀礼を行います。また、クリスマスを祝った数日後に神社や寺院に初もうでに行く人が見られるように、宗教への寛容性、多様性をもっています。」(8頁)

○自由社
 ①分量……2頁強
 ②三大宗教、仏教、キリスト教、イスラム教他の扱い方……一応、簡単な説明
 ③神道……有り
大コラム「もっと知りたい 宗教とは何だろう」下、「宗教と真剣な心」→「自然への感謝と願い」→「世界の宗教」→「日本の宗教」の小見出し(16~17頁)

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