平成24~27年度中学校歴史教科書比較資料Ⅰ(14)韓国併合過程

Ⅰ、中韓隷属史観--近代編     


    (14)韓国併合過程


   韓国併合(日韓合邦)過程については、最も直接的に近隣諸国条項が働いているのか、どの教科書も歴史を歪曲している。何しろ、全社は、一方で韓国側の多数派が追求した合邦運動に触れようとせず、他方で抵抗運動にのみふれているからである。

   
○分析項目
①韓国併合過程……特に、10数万人もの多数の人々による合邦運動に触れているか
②韓国統治……
これについては、もう一つ不正確な検討しかしていないことを注記しておく。気力が出たら、細かく比較検討した資料を掲げたい。また、戦時中の統治については扱っていない。

○東京書籍……
①韓国併合過程……単元「4 韓国と中国」の下、「韓国の植民地化」の小見出し下、
 「日露戦争の最中から、韓国は、日本による植民地化の動きにさらされていきました。日本は、1905(明治38)年に韓国を保護国にして外交権をうばい、……
1907年には皇帝が退位させられて、……抵抗運動が広がり、日本によって解散させられた兵士たちは農民とともに立ち上がりました(義兵運動)。これは日本軍に鎮圧されましたが、日本の支配に対する抵抗はその後も続けられました。
 1910年、日本は韓国を併合し……植民地支配をおし進めました」(166頁)。
  ・抵抗は書かれるが、韓国側の日韓合邦の動きは書かれず。
②同小見出し下、「学校では朝鮮の文化や歴史を教えることを禁じ、日本史や日本語を教え、日本人に同化させる教育を行いました」(166頁)。
 ・第6章2節単元4で、日本語や創氏改名を進める(205頁)。
 ・166頁側注②として「土地制度の近代化を名目として日本が行った土地調査事業では、所有権が明確でないとして多くの朝鮮の農民が土地を失いました。こうした人々は、小作人になったり、日本や満州へ移住しなければならなくなったりしました」(166頁)。

○日本文教出版
①韓国併合過程……韓国側の日韓合邦の動きは書かれず。
単元「3 日本の朝鮮支配と中国の近代化」の下、「韓国併合」の小見出し下、
 「日露戦争後、日本は、朝鮮(韓国)の外交権を奪い、韓国統監府をおき、さらに内政権もにぎって、軍隊を解散させました。解散させられた兵士は、農民とともに日本に抵抗 (義兵運動)し、初代韓国統監だった伊藤博文が民族運動家の安重根に射殺される事件も起こりました。このような動きに対して、日本は、1910年、軍隊の力を背景にして朝鮮を植民地化しました」(192頁)。
②韓国統治……同小見出し下、「朝鮮総督府は、あらゆる政治運動を禁止し、新聞の発行も制限し、学校では、日本語や日本の歴史を強制的に強制的に教えました。このように朝鮮民族の歴史や文化を否定し、日本に同化させる政策を進めましたが、先に植民地となった台湾と同様に、朝鮮でくらす人々には選挙権は認められませんでした。いっぽう、日本の支配に対する朝鮮の人々の抵抗は続けられました」(192頁)。*戦時中については227頁に

○教育出版……
①韓国併合過程……単元11「変わりゆく東アジア」下、「韓国併合」の小見出し下、
 「日本は、ポーツマス条約を結んでまもなく、韓国を保護国としました。……日本は韓国の抵抗をおさえ、1910(明治43)年、韓国を領有して朝鮮と改めました。これを韓国併合といいます。朝鮮には総督府がおかれ、武力を背景に植民地支配が行われました」(174頁)。
 ・合邦運動、書かれず。
②「日本の植民地政策」の小見出し下、「朝鮮では、朝鮮の人々を、天皇や国家に忠誠を誓う日本人と同じようにする、同化政策が進められました。学校では、朝鮮語や朝鮮の歴史より、日本語や日本の歴史、修身が重視されました。一方で、選挙権は認めないなど、朝鮮の人々の権利や自由は制限されました
   また、土地調査事業が行われた結果、近代的な土地所有権が確立されましたが、多くの朝鮮の農民が土地を失うことになりました。これらの人々は、小作人になったり、農村を離れたりしましたが、なかには、生活のために日本や満州に移住する人もいました」(174~175頁)
  
○清水書院……
①②単元「4 日本の植民地統治」の下、「朝鮮の植民地化」の小見出し下、「日露戦争に勝った日本は、韓国の植民地化を進めた。1905年に外交権をうばって統監府をおいて保護国とした。韓国では抵抗運動が広がり、独立運動家の安重根は、初代統監の伊藤博文を中国東北部のハルビンで暗殺した。韓国の皇帝も国際的な世論に訴えようとしたが、欧米の列強に無視された。1910年に日本は韓国併合を強行し、朝鮮総督府をおき、武力によって支配しようとした。総督府は土地調査をおこない、村の共有地などは国有地とした。植民地の人びとも大日本帝国の臣民とされたが、日本人と同等の権利はもてなかった」(195頁)。
  ・韓国側の日韓合邦の動きは書かれず。
  
○帝国書院……
①韓国併合過程……相変わらず、約14万の一進会の運動が書かれず。
 同単元下、「韓国併合」の小見出し下、
 「1905年、日本は韓国を保護国として外交を日本の支配下におき、伊藤博文を韓国統監として派遣しました。のちに内政も支配し、韓国の軍隊・警察を解散させました。このため、韓国では激しい抵抗が全土に広がり、1909年には伊藤博文が暗殺される事件も起こりました。1910年、日本は韓国を併合し、植民地としました(韓国併合)」(178頁)。
②韓国統治……同単元下、「朝鮮・台湾・『満州』での政策」の小見出し下、「日本の植民地となった朝鮮では、学校で日本語や日本の歴史・地理が教えられ、朝鮮固有の文化や歴史を教える機会は減らされました。また、多くの農民が土地をうばわれたため、小作人となる者や、日本や『満州』へ移住せざるをえない者もいました。一方、…台湾では、日本の企業が、主要な産業である製糖業を取りしきるようになりました。」(179頁)
  ・第5部8章、単元「植民地の支配と抵抗」下、「皇民化政策」の小見出し下、
  「戦争が激しくなると、日本は総力をあげて戦争にのぞむため、植民地の朝鮮や台湾の人々を『皇国臣民』にする政策を行いました(皇民化政策)。学校では、『国語』として日本語が教えられ、朝鮮語や中国語の使用が禁止されました。また、皇居に向かっての敬礼や、各地に建てた神社への参拝を強制しました。さらに朝鮮では、日本式の名前に変える創氏改名も行われ、台湾・朝鮮の人々からも徴兵を実施しました」(213頁)。

○育鵬社
①韓国併合過程……韓国側の合邦運動、ふれず。
単元「57 国際的地位の向上と韓国併合」下、「韓国併合」の小見出し下、保護国化に対して、「抵抗運動もおこりましたが、やがて鎮圧されました」(177頁)。
・同小見出し下、「政府は韓国併合(②)に踏み切り、その統治のため朝鮮総督府を置きました。欧米列強にも、朝鮮半島の問題で日本に干渉する意図はありませんでした」(177頁)。
側注②「日本は武力を背景に韓国内の反対をおさえて、併合を行った。韓国の国内には、民族の独立を失うことへの抵抗がおこり、その後も独立回復の運動が根強く行われた」(177頁)。
②同小見出し下、「日本の朝鮮統治では、植民地経営の一環として米の作づけが強いられたり、日本語教育など同化政策が進められたので、朝鮮の人々の日本への反感は強まりました」(177頁)。
   ……この文は、検定の結果、加わったもの。

○自由社……

①韓国併合過程……単元「64 世界列強の仲間入りをした日本」の下、「日本国家の新しい試練」の小見出し下、
「日清・日露の2つの戦争に勝利し、日本は、欧米列強の圧力のもとで独立を維持するという幕末以来の目標を達成した。日本の国際的地位は向上し、『一等国』として世界列強の仲間入りを果たした。
  しかし、国際的地位の向上は、日本国家にとって重い試練でもあった。日本は、唯一の有色人種の大国として、欧米列強からは警戒のまなざしでみられるようになった」(190頁)。
・続けて、「韓国併合」の小見出し下、「日本政府は、日本の安全と満州の権益を防衛するために、韓国の安定が必要であると考えた。日露戦争後、日本は韓国統監府を置いて保護国とし、近代化を進めていった。欧米列強は、……自国の植民地支配を日本が承認するのと引きかえに、日本による韓国の保護国化を承認した
 1910(明治43)年、日本は、武力を背景に韓国内の反発をおさえて、併合を断行した(韓国併合)。韓国の国内では民族の独立を失うことへのはげしい抵抗がたびたびおこった」(190頁)。 
     ・申請本の「一部に併合を受け入れる声もあったが、」が削除される。これは検閲ではないのか。
②同小見出し下、「併合後におかれた朝鮮総督府は、植民地政策の一環として、朝鮮の鉄道・灌漑施設をつくるなどの開発を行い、土地調査を実施した。また、学校も開設し、日本語教育とともに、ハングル文字を導入した教育を行った。」(191頁)
 ・「ハングル文字の教科書」の写真。その説明として、「李朝時代には普及していなかったハングル文字を朝鮮固有のものとして普通教育にとりいれた」(191頁)。
 ・側注②として、「これらの近代化によって、それまでの耕作地から追われた農民もすくなくなく、また、その他にも朝鮮の伝統を無視したさまざまな同化政策を進めたので、朝鮮の人々は日本への反感をさらに強めた」(191頁)。……この側注②は、検定申請本にはなかった記述。



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