「日本国憲法」、公民教科書、歴史教科書

アクセスカウンタ

zoom RSS 西村幸祐及びケント・ギルバート『トランプ革命で甦る日本』等3著を読む

<<   作成日時 : 2017/01/30 23:12   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

 最近、沖田行司『日本国民をつくった教育』(ミネルヴァ書房)、百田尚樹・石平『「カエルの楽園」が地獄と化す日』(飛鳥新社)、そして西村幸祐及びケント・ギルバート『トランプ革命で甦る日本』(イースト・プレス)の三冊を読んだ。三冊を読む中で感じたことを、多少とも記しておきたい。
 
 沖田行司『日本国民をつくった教育』(ミネルヴァ書房)

 沖田行司『日本国民をつくった教育――寺子屋からGHQの占領教育政策まで』は、「第T部 江戸の教育遺産を知る」と「第U部 日本人の近代と教育の変容」の二部からなる。第T部は『日本人をつくった教育―――寺子屋・私塾・藩校』(2000年、大巧社)に新たに加筆修正したものである。

 第T部については、大巧社版を読んだ段階から面白く読ませてもらったが、今回さらに教育思想の部分が付加され、より充実した内容になった。第T部は、日本教育史の世界では常識的な内容であるが、コンパクトに分かりやすく記したところに本書の意義がある。

 私が日本教育史の世界及びアカデミズム全体から離れ出して15年から20年近く経過するので、第T部には懐かしい内容に触れた感じがした。全体を通して言えば、教育の中の「聖」又は神聖さの回復の重要さを強調されているような感じがした。

 ところで、本書の評価にとって本筋の話ではないが、二つのことが気になった。一つはポツダム宣言を受諾して無条件降伏した、という記述である。無条件降伏というのは明白な嘘であるが、多くの憲法解釈書でも展開されている嘘だから、何ら不思議なことではないのだが。

 もう一つは、参考文献として関野通夫『日本人を狂わせた洗脳工作』(自由社、2015年)が挙げられていることである。これは、WGIPに関する関野氏の所説がアカデミズムの世界でも認知され出したことを一定示すものであり、私には嬉しい発見であった。

 百田尚樹・石平『「カエルの楽園」が地獄と化す日』(飛鳥新社)

 次に百田尚樹・石平『「カエルの楽園」が地獄と化す日』(飛鳥新社)であるが、この本は、帯に「軍艦、戦闘機の次はどんな手を打ってくるか、中国は本気だ!最悪の日本侵略シナリオをシミュレーション。」とある通りの筋を展開した本である。目次は以下のとおりである。

第1章 戦わずして尖閣を奪われるシナリオ
第2章 中国はなぜ日本侵略を企むのか
第3章 チベット、ウイグルで見た恐ろしい支配の実態
第4章 沖縄「独立」を足がかりにした侵略
第5章 日本が中国に占領されるとき


 本書の中で最もリアリティーのある部分であり、読んでいただきたいのが第4章である。第4章には、中国が率先して行う沖縄独立運動のことが登場する。実は、既に日本の歴史教科書はもう随分前から沖縄独立運動を支援する内容になっている。沖縄と「本土」の関係史をもっぱら被害者と加害者との関係史として対立的に描いているし、沖縄人が九州から移住していった人たちが主流であること、両者の言葉が共に日本語であること、つまり両者とも日本民族であるという基本的事実を隠してしまうのである。この延長上に、翁長知事による国連人権理事会に於ける《沖縄先住民族》発言が登場しているのである。その意味で、歴史教科書に「本土」と沖縄の共通性を書かせていくことが必要であると感じたところである。

 「中国人は南京大虐殺の復讐として東京大虐殺をやりたい」 

本書で最も印象的だったのは、第3章の中の「日本人は『消滅すべき民族』」と「残酷殺人という伝統」という小見出し部分である。「日本人は『消滅すべき民族』」部分で、石平氏は、次のように述べている。

 まあ中国人は、酒の席で当たり前のように「東京大虐殺をやりたい」という話をしますからね。中国人は日本への憎しみを植え付けられる教育を受けていて、南京大虐殺を真実だと信じ、「まだ日本の復讐が済んでいない」と考える人のほうが圧倒的に多いです。歴史教育の結果、中国人の多くが「我々に屈辱を与えた日本人は消滅させるべき民族」「小日本は根絶やしにしなければならない」―――それが偉大な中華民族の使命だと本気で考えていることを、厳然たる事実として知っておかねばなりません。(100頁)

 また、「残酷殺人という伝統」という小見出し部分では、石平氏と百田氏は次のように述べている。

石平  虐殺は中国人の伝統といっていいでしょう。日本を占領したら感情的な暴力が解放され、一切の歯止めがなくなります。強権政治で冤罪をでっちあげて弾圧する。そうしない理由がありません。

百田  日本人に対して、フィクションにすぎない南京事件を本気で信じ、恨みを晴らしたいという潜在的な思いが強いですから、躊躇なく殺すでしょうね。

石平  繰り返しますが、中国人は南京大虐殺の復讐として東京大虐殺をやりたいのです。南京大虐殺での日本軍の凄惨なエピソードがいろいろ語られていますが、これは中国人が起こした過去の虐殺事件がモデルになっています。もちろん、一九三七年ではなく、本物の大虐殺は一八六四年七月に起きました。……曽国藩率いる清王朝軍が南京を奪い返したわけですが、その落城戦の時に大虐殺が起こります。 (119〜120頁)


 本書によれば、中国が「南京大虐殺」なるものを盛んに世界に向けて宣伝しまくるのは、単に日本侵略の正当化の為に使いたいからではなく、「東京大虐殺」を実行してそれを正当化していきたいからである。前に拙ブログでも、「南京大虐殺」という虚構の事件は、「那覇大虐殺」又は「東京大虐殺」の正当化に使われる危険があると指摘したことがあるが、本書はこの危険性をもっと徹底的に説いている。

 本書を読んで、「南京大虐殺」の虚構性を暴き、世界に広げていく作業を日本人はしていかなければならないと改めて強く思った。この作業は、事実論のレベルではかなり進んだように思われるが、その事実を評価する物差しとなる規範論のレベルでは進んでいないように思われる。この作業を進めることが特に重要であると感じた次第である。

 西村幸祐及びケント・ギルバート『トランプ革命で甦る日本』(イースト・プレス) 

最後に西村幸祐及びケント・ギルバート『トランプ革命で甦る日本――日米新時代が始まる』(イースト・プレス)であるが、いくつかのエピソードを面白く読ませて頂いた。目次は以下のようである。小見出しは40以上存在するが、私にとって興味深いものだけを抜き書きした。

序章 トランプ「大逆転」の舞台裏
 トランプの勝利は「歴史の必然」だった
 マスコミが生んだ「隠れトランプ」
 「ヒラリー=善玉」という大ウソ
 トランプが明らかにした「不都合な真実」
 憲法改正の最大のチャンスがやってくる
 じつは過半数を占める「第九条」改正賛成派
第一章 日米関係のメルクマール
 「第九条真理教」化している日本
 日本のメディアが自立を阻止する理由
 愛国心のあるアメリカの左翼、売国的な日本の左翼
第二章 グローバリズムVS.国家の復権
第三章 超大国アメリカの衰退
第四章 トランプ就任後の世界秩序@中ロ脅威論のウソ
 「ロシアの脅威」は局地的な問題にすぎない
 自国が大国であることに気づかない日本
 いよいよ消滅するヤルタ・ポツダム体制
第五章 トランプ就任後の世界秩序AEU解体とイスラムへの対応
第六章 トランプ就任後の世界秩序B海洋国家・日本の地政学
 「自分の国を自分で守るのは義務だ」
 南シナ海の主導権は日本が握れ
第七章 戦後体制の終焉と21世紀の「脱亜論」
終章 甦る日本と2020年東京オリンピック
 「勲章」が存在しない日本のおかしさ
 東京オリンピックまでに「第九条」改正を目指せ


 目次に注意すればわかるように、通常の保守派乃至改憲派と同じく、結局は「日本国憲法」の改正、第九条改正に結論を収斂させている。この点については、「日本国憲法」無効論者としては「日本国憲法」改正とは歴史戦の大敗北を意味するだけに違和感がある。だが、その他の考え方又は主張には同感できるものがあり、いろいろな点で学ばせてもらった。

 ポリティカル・コレクトネスの異常さ、全体主義性


 最も興味深く、印象に残ったのが、アメリカにおけるポリティカル・コレクトネスの異常さ、全体主義性のことである。「トランプの勝利は『歴史の必然』だった」という小見出し部分の中で、ギルバート氏と西村氏は、「リベラル」と言われる人達の行動について、次のように語り合っている。

ケント 彼らが言っていることには共感できる部分もたくさんあります。しかし、自分たちと違う考え方をしている人たち、つまり保守派に対しては、対等に議論することさえ認めなくなってきています。

西村 日本でもそういう傾向があります。いわゆる「パヨク」(左翼の中でも過激な言動や暴力的な活動を行う集団)と呼ばれている人たちは他者に対して聞く耳を持ちません。

ケント アメリカの一流大学でさえ、講演会などで保守派言論人をスピーカーとして呼ぶ際に、左翼の学生がデモを起こして招待を取り消させるというようなことがあります。大学のなかにフリースピーチコーナーというスペースがあって、ここにかぎ何をしゃべってもいい。しかし、それ以外はポリティカル・コレクトネス……いわゆるPCに従わなくてはいけない。これは間違っています。民主主義ではありませんよ。今回の大統領選で過半数のアメリカ人が腹を立てたのは、まさにここなんです。

西村 そういうことが二十年も続けば、ポリティカル・コレクトネスといいながら、コレクトネス(正当性)の部分がどんどん失われていくのは当然でしょう。そこに腹を立てていたアメリカ人が人種を問わずにたくさんいて、そういう人たちは普段うんざりし切っていて選挙にも行っていなかった。それが今回ばかりは民主党のヒラリーを落とさなければヤバイなと思って選挙に行ったということではありませんか。(15〜16頁)


 ケント氏の発言の傍線部、特に二つ目の傍線部には驚かされた。日本では傍線部のような事態は昔からありふれているが、米国も日本に劣らず左翼が幅を利かせているのだなと感じた。いや、それ以上に、米国は日本よりも多様な言論を認めているようなイメージがあったが、そうでもなく、ポリティカル・コレクトネスの猛威の前に、米国の言論の自由も危機に瀕し続けているのではないかと感じた。別の言い方をすれば、ポリティカル・コレクトネスが全体主義的な性格を持っていることを感じざるを得なかった。

 そして、ケント氏と西村氏は、ポリティカル・コレクトネスに代表されるリベラルのうさん臭さ、偽善に対する反感こそがトランプ勝利の背景にあるというのである。

 ヒラリーが行った予備選挙での不正

 トランプ勝利の背景を探った、この「トランプの勝利は『歴史の必然』だった」という小見出し部分では、ヒラリーが予備選挙で行った不正選挙のことも語られている。日本ではほとんど報じられなかったことである。

ケント ヒラリーが予備選挙でやった不正は考えられないほどひどいものです。

西村 幽霊が投票していたという話もありますね。選挙人名簿にすでに死亡している人がリストアップされていたという。

ケント それはすごい話ですね。

西村 その数百八十万人。独立系メディアには、民主党では死人が投票しているというリポートが出ていましたよ。    (14頁)


 このヒラリーの不正選挙のことは、序章の「『ヒラリー=善玉』という大ウソ」の部分でも出てくる。ケント氏は、「予備選挙でのヒラリーの工作があまりにも汚かった。党大会でサンダースが絶対に勝てないように、選挙が行なわれる前から民主党幹部と共謀していたことがウィキリークスに出てしまいました。マスコミはウィキリークスにそのような情報が出たということは伝えましたが、詳細は報道しませんでした」(30頁)と述べている。

 米国のマスコミも日本のマスコミも所謂リベラルに偏っており、リベラルの代表としてのヒラリーに不都合な事実を報道しないという点で共通しているようだ。

 「自分の国を自分で守るのは義務だ」 

以上、米国大統領選挙絡みの話を紹介してきたが、意外だったというか、そうでもないというか、テレビ朝日の「朝まで生テレビ」(昨年11月26日未明)の様子に興味を惹かれた。この番組に出演したケント氏によれば、出演者のほとんどが九条改正に賛成であったという。

 番組のテーマは憲法改正ではなくて、トランプによって日本がどう変わるかだったんですよ。しかし、結論として、日本は自立しなければダメだ、憲法九条を改正しなければダメだということになってしまった。トランプ現象というのは、それだけ大きな影響力を持っているんです。最も印象的だったのは田原さんの言葉でした。「自分の国を自分で守るのは義務だ」と言ったんです。 (167〜168頁)

 田原総一郎氏は、もともとこの程度のことを言う素質はあったと思うが、氏がこのように言ったとは、そして他の人も九条改正を言ったということは大きな前進ではあろう。トランプ現象の良い面ではあろう。

 バイデン発言は「日本国憲法」の無効を証明している 

 しかし、本書は、「日本国憲法」に関する前米国副大統領ジョー・バイデンの発言を次のように紹介している。

西村 おもしろいことがありました。ヒラリーの応援演説(二〇一六年八月十五日、ペンシルバニア州スクラントン)で副大統領のジョー・バイデンが余計なことを口走りました。「トランプは日本が核武装すべきだと言うが無責任だ。われわれは日本に核兵器を持たせないために憲法を書いたんだ。そんなことも知らないのか。学校へ行ったのか」(笑)。しかし、日本のメディアはここまで細かいことを伝えてはいません。

ケント 産経新聞には載ったでしょう。

西村 「学校へ行ったのか」というくだりは伝えていないんです。 (40頁)


 傍線部の部分は、米国自身が「日本国憲法」を押し付けたことを認めていること、「日本国憲法」無効論の正しさを証明するものである。しかし、「朝まで生テレビ」における識者たちの発言は、無効である「日本国憲法」を有効なものとして認めて九条改正を行うという理屈の通らないものである。本書の著者たちが結局結論を九条改正に収斂してしまうのも、同様のものである。
 
 米国からもらった勲章だけを付けるしかない自衛官

 とはいえ、本書には興味深い事実が多数書かれている。最後にもう一つだけ紹介して、本記事を終えたい。すなわち、終章の「『勲章』が存在しない日本のおかしさ」という小見出し部分では、九条を自衛戦力否定論で解釈してしまった故に生じている、何とも物悲しい話が書かれている。

ケント 武官は勲章のメダルを飾るのが国際的な慣習です。

西村  戦後日本は天皇と自衛官がつながりを持たない構造を一貫して保持してきました。じつは自衛官も勲章は持っているたんだそうです。どんな勲章かというと、アメリカからもらった勲章です。武官として大使館に勤務するような人は当然、米軍と共同訓練を経験して現場で評価を受け、アメリカから勲章をもらっているんですよ。つまり日本人武官がフォーマルな席に出るときにつける勲章はアメリカの勲章しかないということなんです。

ケント なるほど。

西村 アメリカの勲章をつけて日本大使館主催のフォーマルなパーティーに出る。すると各国の軍人に「かわいそうにむと言われるそうです。  (216頁)



転載自由



テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
西村幸祐及びケント・ギルバート『トランプ革命で甦る日本』等3著を読む 「日本国憲法」、公民教科書、歴史教科書/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる