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zoom RSS 『歴史教科書と著作権--育鵬社歴史教科書事件判決を批判する』あとがき

<<   作成日時 : 2016/12/19 23:19   >>

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  前回には、『歴史教科書と著作権--育鵬社歴史教科書事件判決を批判する』の「はじめに」を掲載した。今回は、やはり宣伝を兼ねて、「あとがき」を掲載することにする。なお、掲載にあたって、強調したい部分を拡大し赤字で示した。


    あとがき 

 育鵬社が「つくる会」の歴史教科書を盗作している事実に気付いてから、5年の歳月が流れた。他の仕事もしてきたとはいえ、この盗作問題が筆者の心を最も占拠してきたことは疑いのないことである。盗作問題を追及し、世の中に訴えるために、いろいろなことを犠牲にしてきた。特に、この盗作問題研究のため、「日本国憲法」や大日本帝国憲法の研究が完全にストップしてしまった。きわめて残念なことであった。ともあれ、育鵬社歴史教科書事件判決に対する批判をようやく書き終えた。とりあえず、この問題に関する筆者なりのけじめがつき、ほっとしている。

 ただ、何とも言えない気持ち悪さが残っている。法曹界の論理からすれば、育鵬社は扶桑社版の著作権を侵害していないという論理が成立するのかも知れないが(筆者は成立不能だと思うが)、本書で示してきたように盗作したこと自体は隠しようのない事実である。極めて不道徳な作られ方をしたということである。他人が苦労してつくり上げた教科書を盗んだ事実は、消えはしない。教育の場で、盗作教科書が用いられ続けたという気持ちの悪さは、消えはしない。

 しかも、平成二十七年版では盗作部分の多くはなおされはしたが、まだなおされていないところが少数ながら存在する。二審判決は四七箇所すべてがなおされたと勘違いしているが、育鵬社には、その部分を完全になおしてもらいたいと心から願う。筆者が育鵬社歴史教科書問題を追及する上での最低限の目的は、盗作部分を平成二十七年版以降に持ち込まないように持っていくことだった。この目的は8割方達成されたが、「鎌倉幕府の成立」など、何点かは盗作及び著作権侵害の痕跡が色濃く残っている。育鵬社は、これからでも、盗作箇所を無くしていくべきであろう。

 しかし、以上のことよりも、はるかに強く思うことが二つある。一つは、裁判官が法の精神を持たないことである。特に事後法を認める考え方をしていることには驚かされた。二審判決が、平成十七年版の『新しい歴史教科書』の記述は、平成二十五年出版の別の本に取り上げられているものだから創作性がないと判断していることに、本当に驚かされた。今の日本の裁判官は、事後法で以て日本の軍人や政治家を裁いた東京裁判の思想を受け継いでいるのであろうか。

 二つは、特に二審判決が歴史教科書の著作権を原理的に否定したことである。今後は、少なくとも単元本文については、他社教科書をコピー&ペーストして作った教科書も完全に合法となる。歴史教科書の世界は盗作教科書で溢れかえることになるかもしれない。生徒に模範を示すべき教科書が盗作で溢れるようになるかもしれないということは、何ともブラックな状態であり、見たくない事態である。そんな状態にしないためにも、育鵬社歴史教科書事件判決に対する批判を社会に広める必要があると考えるものである。

平成二十八年八月
                                       小山常実



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