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zoom RSS 関野通夫『いまなお蔓延るWGIPの嘘』を読もう――歴史戦勝利のため、原理原則を重んじよ

<<   作成日時 : 2016/10/07 02:12   >>

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 原理原則を重視しよう

 関野通夫『いまなお蔓延るWGIPの嘘』(自由社、2016年9月)を読んだ。軽い感じで面白く一気に読めるのだが、読後感はなかなか重厚だ。歴史戦を戦う上で日本人が心がけるべきポイントが示されていると感じた。筆者にとって、本書から受け取るメッセージは、一言でいえば、原理原則を重んじよ、というものだ。本書を読んで、原理原則を軽視すれば必ず歴史戦に敗北する、と切に改めて感じたものである。

 さて、まず目次を掲げよう。傍線は、特に興味を感じた小見出し部分に私が引いた。

まえがき
序章 シールズに参加した若者たちの将来
第一章 自虐思想の成立と拡大、そして日本人が騙されるパターン
 自虐思想とは何か
 騙される日本人
 国際法に弱い日本人
 右脳思考と左脳思考
 騙す人たち
  CIE(民間情報教育局)に与えられた役割
  WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の特徴
  日本人洗脳への道1――WGIP
  〈日本人洗脳への道2〉30項目の報道規制
  〈日本人洗脳への道3〉四大教育指令
  〈日本人洗脳への道4〉日本国憲法

第二章 日本人が騙されるパターン別の実例
 騙されるパターン1 WGIP型
  ポツダム宣言を受諾して、日本は無条件降伏したという嘘
  東京裁判にまつわる嘘
  日本は、サンフランシスコ平和条約で東京裁判を受け入れたという嘘
  日本軍は南京で大虐殺をしたという嘘
  創氏改名で朝鮮人の名を奪ったという嘘
  日米戦は、日本海軍による真珠湾攻撃から始まったという嘘
  日本国憲法は、日本人が正当に採択した「平和憲法」であるという嘘
 騙されるパターン2 言霊信仰型
  国連は公明正大な国際機関だという嘘
  難民受け入れは人道的だという嘘 
 安保法制は戦争法だという嘘
  ヘイトスピーチ対策法は人権を擁護する法だという嘘
 騙されるパターン3 政府(前の民主党政府を含む)主導型の嘘
  日本は膨大な借金を抱えているという嘘
  除染基準1ミリシーベルトは科学的根拠があるという嘘

第三章 欧米人と日本人の思考法の違い
 フランス人のデカルト型思考と、まず「ノン」の応答 そしてイギリスの離脱
 意外にウェットでローカルなアメリカの庶民
 親切、そして隠れ親米も居る複雑なアメリカ人
 ベルギー人と韓国人の共通点
 ドイツ人について――エロスセンターとガス室そしてVW問題
 洋楽の原詞と日本語の歌詞との違いと国民性
 
第四章 日本人が騙されやすい理由と、その改善への提言
 WGIPを生んだアメリカ人の根源思想
 日本人洗脳の効果――自虐思想の蔓延
 自虐思想が形成され拡大してきた要因(日本人側の内的要因)
  日本人の欠陥――論理性、法意識、語学力のなさ
  人の良さ
  お上に従順
  実利に走り、名誉や民族の誇りを忘れる
 自虐思想の克服と脱却 
  言霊信仰により言葉に騙されて思考停止するのを止め、事実に基づいて論理的に考えよう
  外国人には人間性悪説を前提に付き合おう


 第一章では、前著『日本人を狂わせた洗脳工作』をふまえてWGIPについて再確認し、WGIPの効果が今も、というよりもむしろ更に拡大して日本人をだまし続けていることを指摘している。次いで第二章では、今日の日本人が騙される具体例を、三パターンに分けて論じている。

 こうして問題を提示したうえで、第三章では問題解決のヒントを得るために、フランス・イギリス・アメリカなどの思考法を紹介している。そして第四章では、WGIPを行った米国人側の要因と、日本人が騙されやすい内的要因を抉り出したうえで、騙されないようにするための改善策を提示して本書を終えている。以下、特に興味をひかれた部分について紹介しながら、思ったことを記していこう。

 WGIPは、アメリカも困惑するほど効き目があった

 第一章から順に見ていくならば、第一章で特に興味深く感じたのは、「WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の特徴」をまとめた部分である。関野氏は、ここでWGIPの特徴を以下の7点にまとめている。
 
 @日本人に永久に戦争犯罪人意識を刷り込もうとアメリカが行った情報作戦
 A東京裁判がWGIPの1丁目1番地
 B時間が経ってから効果が現れる遅効性毒薬
 CGHQは、原爆投下と東京裁判に対する批判を最も気にしていた
 D効き目が良すぎて、アメリカも困惑(日本が安全保障に冷淡なことなど)。
 E日本政府や報道機関を通じた間接統治(WGIPによる政策を、日本人自らが選択した政策だと錯覚させる効果)。
 FWGIPは、敗戦直後から三期にわたり、日本独立まで行われたが、Bにあるように、効果は、むしろ後から出てきた。  (26〜27頁)


 この7点の中で特に面白いのは、まずDである。日本人が安全保障問題に関心がなくなった結果、またアメリカに守ってもらおうという依存心が強くなった結果、「日本の防衛協力が、日本国内の抵抗もあって中々進まないということ」である。

 WGIPは遅効性毒薬 

  次いでFとBである。最近の世論調査だと、必ずしも「日本国憲法」改正反対が多数派と言うわけではないが、9条改正派反対が多少とも多数派の感じである。WGIPが広めた日本犯罪国家観は、むしろ1970年代から1980年代以降に拡大し、1990年代以降猖獗を極めるようになっていく。21世紀になって、かなり弱化した感はあるが、一部左翼進歩派の中ではますます強固なものになっていっている。だからこそ、国連にせっせと日本の「悪行」を言い付けに行くという、他国では考えられない売国行為を行い続けているのである。つまり、Bにあるように、WGIPは、遅効性毒薬なのである。

 まだ生きている30項目のプレスコード

  「WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の特徴」に続いて興味を感じた部分は、「〈日本人洗脳への道2〉30項目の報道規制」の小見出しの部分である。ここで、関野氏は、GHQが定めた30項目の報道規制(プレスコード)のうち、いまだに日本人が自主規制して守り続けているものを4点挙げている。「日本国憲法」成立過程への批判の禁止(第3項)、中国と韓国・朝鮮への批判の禁止(第8・9項)、日本の戦争を擁護する言論の禁止(第16項)、「戦争犯罪人の正当化及び擁護の禁止」の4点である。

 この指摘は宜なるかな、である。例えば、今も特に「日本国憲法」の議会審議の真実を明らかにしようとする研究は皆無であるし、安倍政権さえも、中国や韓国に対して腰の引けた対応しかできない。今も、日本人はプレスコードを守り続けているのである。

 騙されるパターン2 言霊信仰型
 
  第一章に続いて第二章では、前述のように、日本人が騙されるパターンを、WGIP型、言霊信仰型、政府(前の民主党政府を含む)主導型の3つに分けて論じている。

 第二章でなるほどと思ったのは「騙されるパターン1 WGIP型」の大見出しの下に記された次の文章である。
 
 中国人やアメリカ人は、あまりに堂々と嘘をつくので、まじめな日本は、つい本当だと思ってしまうことがあると思います。堂々と嘘をつくこと、そして嘘を百遍でも繰り返すことによって、嘘が本当になるのです。だから、国際的な場ではフランス人のように、何でもいいから、まずノンと言う方が安全なのです。 (36頁)

 上記引用を、日本の外務省関係者に読んでもらいたい。そして、「何でもいいから、まずノンと言う方が安全なのです」という態度を身に付けてもらいたいと思う。

 上記三パターンのうち、言霊信仰型という分類が面白く感じた。氏は、この型の中に、「国連は公明正大な国際機関だ」、「難民受け入れは人道的だ」、「安保法制は戦争法だ」、「ヘイトスピーチ対策法は人権を擁護する法だ」という四つの嘘言論のケースを入れ、それぞれ説明している。この中でなるほどと思わされたのが、「難民受け入れは人道的だという嘘」の部分である。ここで、氏は次のように記している。

 もっと悲惨なのは、避難民にもなれない人たちです。避難民としてヨーロッパ諸国にやってくるためには、ある程度のお金が必要であり、お金がない人は、危険でも住んでいるところに留まらざるを得ません。真の救済は、その人たちが住んでいる所で平和に暮らしていけるような策を考え実行することです。 (66〜67頁)

  「差し手争い」に勝利せよ

  次に第三章だが、民族論としては、「ベルギー人と韓国人の共通点」「ドイツ人について――エロスセンターとガス室そしてVW問題」の部分が最も面白かった。しかし、一番重要な指摘は、「フランス人のデカルト型思考と、まず「ノン」の応答 そしてイギリスのEU離脱」の中に見られる。氏は次のように記している。

 論争(ディベート)では、いわば差し手争いに勝つことが大事だという認識、これもフランス人から学んだことの一つです。フランス人同士の論争を見ていると、双方が、論点の全く違うことをまくし立て、間の手に、「黙れ、俺の言うことを聞け」とお互いに言い合っているのです。話題が合って話が噛み合い始めるまでかなりの時間がかかります。つまり、自分の話の筋に相手を引き込むことを重視しているのです。相撲や柔道で、序盤に指し手や組み手を争うのと同じです。オリンピックの柔道の試合では、試合時間の多くが、猫の引っ掻きあいのような組み手争いに終始していました。これが西洋人の考え方なのです。学校で習うディベートはきれいなディベートですが、勝つためのディベートは全く違うということです。私は論争するとき、相手の土俵に上がらず、自分の土俵で論じるようにしています。国際間の論争にも効果的なディベート術ではないでしょうか。 (81頁)

 敗戦国日本は、土俵設定や差し手争いでは不利な立場ではある。しかし、最近思うのは、戦時国際法という物差しに照らして慰安婦問題や「南京事件」はどのように捉えられるのかといった土俵の設定ならば、出来るのではないだろうか、ということだ。こういう土俵設定を、諸外国もなかなか否定できないのではないだろうか。いずれにせよ、土俵を設定した側が圧倒的に有利であることは否定しようがない事実である。この指摘は、極めて重要である。日本も自分たちに有利な土俵の設定の仕方はどういうものか、考え抜くべきであろう。上記指摘も、是非とも、外務省の人達に読んでいただきたいものである。

 国際法を学ぶこと 

  最後に第四章であるが、第四章で取り上げておきたいのは、「法、特に国際法や国際条約の知識に疎いことが、語学力のなさと相俟って、嘘に引っかかりやすい日本人の体質を形作っています」(102頁)と言う指摘である。第一章でも「国際法に弱い日本人」という指摘があるが、本当に日本人は国際法、特に戦時国際法を学ぶ必要があると改めて感じたものである。

 以上、『いまなお蔓延るWGIPの嘘』を読んで感じたことを記してきた。本書は歴史戦に興味を持っている者、特に歴史戦に勝ちたいと思っている者にとって必読の書である。とりわけ、外務省関係者は、線を引きながら本書を読み進むべきである。

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